はみを外されて、ほっと一息深呼吸できたのもつかの間、
アンドレイは両脇を親衛隊の若い隊員に拘束されて、
法廷の真ん中に進み、その場に土下座させられた。
「意外に小さな男ね」
聴衆の誰かが言った。
アンドレイの身長は182cmある。決して低くはない。
しかしアンドレイの両脇の親衛隊員のふたりは187cmあり、
しかも素足のアンドレイに対してブーツを穿いている。
それも儀礼用のものなので必要以上に底が厚くヒールが高い。
どうしてもアンドレイと10cm以上背の高さが違ってしまう。
わざとアンドレイに屈辱を与えるためである。
「でも、あそこはなかなか立派なようね」
後手に高小手いう不自由な姿勢で土下座させられ、
尻を高くあげるポーズをとらされると、
さらにもうひとり、上官の親衛隊員が、アンドレイの頭に足を乗せた。
屈辱的であった。
今まで他人の足元に跪くことさえなかったアンドレイ。
それが全裸にされたうえ、手足の自由も利かない姿で土下座させられ、
自分より若い娘に足を頭に乗せられているのである。
「これが今のお前の置かれた立場、身分なのだよ。
よくみんなに見てもらえ」
上官といっても、他のふたりよりもさらに若い。
聞くところによると、王族の一人でまだ十七歳だそうである。
体も小柄で身長165cmくらいしかない。
なかなかの美少女である。
ただ剣と乗馬の腕は親衛隊一の腕前だそうである。