>>773 続き

  はみを外されて、ほっと一息深呼吸できたのもつかの間、
  アンドレイは両脇を親衛隊の若い隊員に拘束されて、
  法廷の真ん中に進み、その場に土下座させられた。
 「意外に小さな男ね」
  聴衆の誰かが言った。
  アンドレイの身長は182cmある。決して低くはない。
  しかしアンドレイの両脇の親衛隊員のふたりは187cmあり、
  しかも素足のアンドレイに対してブーツを穿いている。
  それも儀礼用のものなので必要以上に底が厚くヒールが高い。
  どうしてもアンドレイと10cm以上背の高さが違ってしまう。
  わざとアンドレイに屈辱を与えるためである。
 「でも、あそこはなかなか立派なようね」
   
  後手に高小手いう不自由な姿勢で土下座させられ、
  尻を高くあげるポーズをとらされると、
  さらにもうひとり、上官の親衛隊員が、アンドレイの頭に足を乗せた。
  屈辱的であった。
  今まで他人の足元に跪くことさえなかったアンドレイ。
  それが全裸にされたうえ、手足の自由も利かない姿で土下座させられ、
  自分より若い娘に足を頭に乗せられているのである。
 「これが今のお前の置かれた立場、身分なのだよ。
  よくみんなに見てもらえ」
  上官といっても、他のふたりよりもさらに若い。
  聞くところによると、王族の一人でまだ十七歳だそうである。
  体も小柄で身長165cmくらいしかない。
  なかなかの美少女である。
  ただ剣と乗馬の腕は親衛隊一の腕前だそうである。