裁判官とメーサとのやりとりを聞きながら、アンドレイは必死に屈辱と戦っていた。
全裸で神聖な法廷の場に晒されたうえ、土下座までさせられ、
奴隷の挨拶までさせられ、これだけでも誉れ高き勇者にとっては、筆舌に尽くしがたい屈辱なのに、
今日までのひと月間に自分が受けた奴隷としての屈辱的な調教の仔細が淡々と語られ、
さらには今後の予定までが語られても、アンドレイにはなすすべはまったくないのである。
今度は別の裁判官が言った。
「今度は、アンドレイ本人に伺いましょう。
正直に答えるのです。
まず、このひと月間、奴隷として調教を受けた感想を答えてください。
自分の国では上流貴族の出身で、勇者とあがめられていた人間が、奴隷の身分に落とされる、
これだけでも大変な屈辱だと思うのですが、
男尊女卑の国で育った貴方が、女性帝国のわが国の奴隷となり、
女性の親衛隊員や憲兵隊員から奴隷の調教を受ける。
屈辱のひと言に尽きると思うのですが」