>>850
続き
  
「どうだ、自分のそっくりの人間が女に鞭打たれて馬車を引いたり、
 女の足元に跪いてブーツを舐めさせたりしている姿を見る感想は?」
「………」
「鏡を見るようだろう」
 正直、アンドレイは顔をそむけたい気分だった。
 特に、自分そっくりの人間が自分のそっくりの人間に尻を犯され、
 口にペニスを咥えさせられ、四つん這いでのたうち回る様は酸鼻を極める姿だった。
「気がついたか? みんなから責められて惨めな姿を晒している者ほど、本物に似ているだろう。
 お前がいなくても十分本物 の代わりが務まる。
 そっくりの人間に責めたてられる本物を演じることができる者が数人はいる。
 仮にお前が自分の境遇を恥じて命を絶ったとしても……」
「死してもなお俺は恥を晒すことになるのか」
「そういうことだ」