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現在の制度では包茎奴隷になる者が自ら望んで同意書にサインすることとなっている。
無論、その実態は有無を言わさぬ強制であり、同意しない場合は思想教育と称した徹底的な拷問に処される。
つまりこのプロセスは一種の踏み絵であり、包茎奴隷の忠誠心を確かめる意味を持っている。
「早くこことここに名前を書きなさい」
いずみは早くしろと急かすが駿はペンを握ったまま動けない。
自らの死刑宣告書に自らサインなど出来るわけないのだが。
「仕方ないわね。包茎管理法第11条の規定により拷問に処することにします」
拷問…その単語を耳にして男はようやく悟った。
自分にもはや選択権などない。いや、もはや人格が保証された人間ですらないのだと…
「す、すみませんっ!今すぐサインします!」
駿がようやくサインを終え絶望に浸る中、いずみは淡々と死刑宣告を続ける
「認定理由は亀頭露出不十分、と。去勢術は包皮ピアスでいいわね?」