23世紀、未知のウイルスの蔓延と、発展途上国の発展に伴う食糧不足が原因で、21世紀初頭に比べ総人口が半減、女性の人口が男性の約2倍となり、女性が全ての権力を手にした地球。
優秀な子孫を残すために、包茎は子孫を残すことを禁じられ、中でも短小包茎は奴隷として強制労働を命じられる。


僕は、個体番号385-2065、名前は吉田繁太。死んだお爺ちゃんに聞いた話だが、ほんの100年ほど前までは、こんな個体番号などというものは、人間、いや男には付けられていなかったそうだ。
男が急激に減って、女が代わって支配を始めたときに生き残った一部の男が反乱を起こしたため、男をコントロールするためにつけ始めたらしい。
全ての男の情報はデータベース化され、僕ら男は生まれた時、体にGPSを埋め込まれる。町には何百台もの監視カメラがあって登録された男を自動追尾しており、不審な動きをするとポッド型ロボットがごついレーザー銃を持ってやって来る。
極めつけは陰茎検査の存在だ。中学に上がる際に包茎かそうでないか、またサイズまでチェックされるのだ。
この検査で包茎だがサイズは平均的だと赤い帽子の着用を強制されことになるが中学に上がれる。しかし、包茎でさらに短小だと、強制収容所で死ぬまで畑を耕すことになる。
僕は包茎だがサイズは短小判定ギリギリだったので、赤い帽子をかぶって今日から中学に通うことになった。通う中学は電車で30分ほどの所にある、赤穂中学というところだ。
まだ朝の早い時間のためかホームにOLは少なく、女子生徒ばかりだった。しばらくして電車がきた。車掌も勿論、女性である。現代の男の仕事は、家の炊事や洗濯なのだ。
電車に乗り込むと、僕はどんどん奥へ押しこまれていった。車内には女の子の匂いが立ち込めている。