社会全体で優秀な遺伝子を残すために、男子は二次性徴前に適性審査を受ける。
この時遺伝子を残す価値がないと判断された男子(主な理由は包茎)は、
二次性徴が訪れないようホルモン治療をうけ永遠の少年になる。

同級生や後輩たちが大人の体になって行く中、非適性男子は
ずっと子供の姿のまま悶々と過ごすことになる。

非適性男子に生殖能力はないが、ずっと独身で暮らすわけではない。
成人男性と成人女性、そして非適性男子の三人で家族を作る
三者結婚という制度がこの社会では根付いている。
夫と妻の間に子供が生まれた時は、その子の兄として育児を行い
女性の社会進出にも貢献するのが非適性男子の役割。

ーそんな社会のとあるケースでは、
小学校まで幼馴染の三角関係だった♂♀♂が、
二次性徴を境目にそれぞれの立ち位置が変わり、
「もし俺とあいつの適性試験結果が逆だったらこの関係も違ってただろうな」
と羨みつつも時が立ち、三者結婚でまた三人が一緒になる。

そしてしばらくしてこの三人家族に、子供が新たに加わる。
男の子と女の子の双子。時には兄のように時には父のように、
永遠の少年は子育てに尽力する。
その甲斐あってか二人はすくすく育ち、自分がなれなかった大人へと成長する。