小島 翔  いじめっこ
榊原 悠太 いじめられっこ

 小学生の頃、俺は悠太をいじめていた。体も細くて、力もなくて、鈍くさい奴だったからだ。気が弱い悠太は、それを誰かにチクる事もなく、俺達のいじめは小学校1年生の時からずっと続いていた。
 それなのに、4年生の頃。

・包茎奴隷制度・
 小学校4年生から各1年ごと、陰茎の成長度合いを測定する。
 測定結果でペナルティがあるわけではないが、小学校の卒業には勃起時8cm以上、中学校の卒業には12cm以上かつ亀頭の露出が認められなければならない。
 18歳の時点で中学卒業を認められなかった者は、以後包茎奴隷として国の管理下におかれる。
 なお、包茎検査にて中学卒業認定を貰ったものは、成人後の練習として性交の許可を与えられる。これを仮成人と呼ぶ。

 そう、4年生は初の包茎検査を受ける年になるのだ。
 俺はと言うと、包茎の勃起時5.8cm。4年生クラスは9、10歳の子供ばかりだ。露茎認定はおろか、小学生卒業認定のラインに達する者も少ない。
 包茎奴隷は大変な労働をさせられると聞いていたが、あまり悲観的ではない。周りもあまり変わらないのだから。
 しかし、
「あら、すごい。榊原くん、仮性だけどおちんちんの皮が剥けるのね!」
「勃起時は…12.6cm……おめでとう、仮成人認定よ」
 検査官のそんな声が聞こえてきて俺は耳を疑った。榊原が仮成人? 何かの間違いだ。
 検査を終えて教室に入る。しばらくするとにこにこ笑顔の先生が入ってきた。手元には資料を持っている。
「皆さん、4年C組から3人も仮成人認定が出ました!」
 嬉しそうな先生や女子生徒とは裏腹に男子は沈んでいる。自分達が劣っている様なものだからだ。
 先生が名前を読み上げていく、当然の様にその中には悠太の名前もあった。
 3人の仮成人者が教壇の前に立たされる。

「さて、次の時間も保健でしたよね? 皆さん何をするか分かりますか?
 そう、セックスの実習です。男子の皆さんは残念、見学ですね」
 俺は衝撃を受けた。セックスの実習と言うことは
「女子の皆さんは、朝配られたお薬を飲みましたか? はい、皆さんいい子ですね。ではグループ分けをしましょう、7人ずつの3グループに分かれてください」