検査官「不合格」
 中学最後の卒業試験。俺の人生は終わった。
 その瞬間の事はろくに覚えてない。呆けて倒れた様な気もするし、暴れて先生に取り押さえられた気もするし、クラスメイトに蔑みの視線で見られながら号泣した気もする。
 俺は今、薄暗い格子窓のじめじめした部屋に全裸で収容されていた。
 何時間か経ったのだろうか、部屋に差し込む光がオレンジ色になった頃、格子扉が不意に開いた。
妹「うわぁ、本当だったんだ」
母「…はあ……帰るわよ」
 嘲る様に笑う妹と、冷たい声の母。寒くも無いのに手が震える。
妹「お母さん、さっき貰ったアレ使おうよ」
母「いいわよ」
 母はバッグからチェーンを取り出す。チェーンの先には皮ベルトの輪がついていた。犬の首輪の様な物だが、それにしては輪の口径は小さい。
妹「兄貴、ちんぽ出してよ」
俺「……嫌だよ」
 妹の唐突な言葉に、視線を伏して答える。そこに思わぬ叱咤が飛んできた。
母「アンタにそんな権利ないでしょ!」
 ビンタがパァン!と、乾いた音を立てる。
 壁に背をつけて体育座りをしていた俺はそのまま床に崩れ倒れた。大股を開きながら。
妹「うわぁ、マジちっちゃいね」
 嘲る様な妹の声、俺は慌てて股間を手で隠すが、その手は容赦なく蹴飛ばされる。
俺「いってぇ…!」
妹「言うこと聞けよ、包茎」
 俺が手を蹴られた痛みに悶絶している間に、妹は俺の股間を触り始めた。さっきの首輪の様な物を睾丸と陰茎にくぐらせてキュッと軽く締め上げる。
妹「お母さん、これでいいのかな?」
母「そこに穴があるでしょ? 逃げないように一応鍵をかけて」
妹「こう?」
 カチャン、と南京錠がかけられて。
俺「あぐっ!」
 チェーンに繋がれた陰茎がグイッと引かれて、俺はその痛みに声をあげた。
妹「ほら、帰るよ兄貴」
 妹はその痛みを知ってか知らずか、何度もチェーンを引いて催促する。
 悔しいが、あまりの痛みに立ち上がり、犬のように着いていくしかない。
 俺は一糸纏わぬまま、妹に包茎を鎖に繋がれて、悔し涙を流しながら帰路につくしか無かった。