屈辱の営業
     
     
      
    一
     
 四人が通された応接室でしばらく待っていると、やがて担当の小山田部長が姿を見せた。
「やあ、いらっしゃい……」
 と小山田は挨拶しかけたが、入口に一番近い側に座る黒崎涼香の姿に目が点となっている。
 無理もない。他の三人は総合職らしく黒のスーツで決めているのに、
 涼香ひとりが白のビキニの水着姿なのだ。
「……いったい、今日は何のパフォーマンスですかな。
 黒崎部長、自ら水着のモデルとは。
 まあ、黒崎さんの水着姿は学生アルバイト時代からお馴染ですからなあ。
 入社されてからもたびたび、いや偉くなられてからも、
 率先して自らモデルを買って出られて、新商品のプレゼンをなさっていますからなあ。
 部長になってからは、ご無沙汰ですが」