>>111のつづき
女の足を舐めたがる、Mの心理。
それだけでなく、マゾヒストの抱く様々な願望をまとめて言い表すために、
沼は、「スクビズム」ということを唱えた。

わかりやすくいうと、「女性上位願望」ですな。

沼によると、「スクビズム(M男性の女性上位願望)」は、

「正統マゾヒズム願望の諸相(肉体的重苦は、それ自体としてはこれに属さない)を、
すべて−三者関係を除いては−説明できるのである」(『手帖』第133章「スクビズム」)

沼は「スクビズム」を大きく五類型に分類。足舐めは、第二類型、「肉体的下部」に属する
という。
(ちなみに、第一類型は「肉体的下位」で、女性の馬になりたい、椅子になりたい、という願望を指す)。

『手帖』を引用すると…

U 肉体的下部 文字通りの相手の肉体の下部つまり下半身への関心であるが、特に、足
および足の下半分への執着である。典型的には足部狂崇(フート・フェチシズム)であるが、
転じて靴狂崇(シュー・フェチシズム)にもなるし、靴下や足袋、足趾の間の汚れへの連
想から、足を舐める存在としての犬願望もこれに属する。足で蹴られること、踏まれるこ
と、踏まれる存在としての敷物や靴脱ぎ台への変身願望など、この第二類型はマゾ空想の
非常に広い分野を占める