★19世紀中ごろのインドで起こった大規模な反乱その影にあった小さな悲劇

インドの某所にある村そこの集会場、夕方日がだんだん傾いてきた。五月ともなるとまだ暑い。


裕福な身なりをした白人の少年少女が大勢の人に囲まれていた。とても友好的な雰囲気ではない。
少女の名前はミカエラ、年は16歳位少年の名前はアレン年は14歳、二人は異母姉弟であるが、とも父方の叔父東インド会社の関係者である父方叔父に引き取られた子供である。

ミカエラは光の加減で青にも緑にも見えるとても長いプラチナブロンドの直毛の髪をツインテールにしている。アレンは黄金色の髪をしている、少年としては長い方だ。

服装は、ミカエラはこの蒸し暑い中でもヴィクトリア朝の踝まであるような長いスーカート顔以外ほとんど露出はない、帽子もかぶっている。小柄なアレンは子供サイズの紳士服だ。

顔立ちは異母姉弟とはいえかなり似ている。白い絹のような肌。顔立ちも体つきもアングロサクソン系のようなごつさはなく、ラテン系の血が色濃く出ているふうにみえる。

二人とも抱き合い涙を浮かべて脅えている。何でこんな事になっているかと言えば、理由は簡単である。
全国規模で大規模な反乱がおきたのだ。東インド会社による長年の圧政不満を呼んだ。
そこえもってきて、現地の兵士たちに支給された最新型銃の火薬弾丸入れの袋。これを歯で噛み切って銃口から装填するのだが、その袋に染みこませた油が豚や牛のものだ、
という噂が広まり、現地の宗教的な戒律に触れてしまうと反感を呼んだ。そこから反乱がおこり、その影響がここまで及んだのだ。