副将のまさみの言葉通り、多摩女子体育大学バスケットボール部は、
 インターハイなどでも優勝候補のひとつとして名があげられる強豪校なのだが、
 四月からの春のリーグ戦や地区の大会では、惨敗続きだった。
  OGからの批判も厳しくはるかやまさみを始め、スタッフへの風当たりも強くなった。
  しかし直接の原因は自分ひとりにあると考えたはるかは、
 自分ひとりが責任を負うことを自ら提案したのであった。

  けれどもOGの指摘は厳しく、処罰はほとんどはるかひとりとすることには同意したものの、
 はるかへの懲罰はもっと厳しいものになった。

  7月1日のミーティングで、新主将のまさみは言った。
 「夏休みの練習より、三軍を復活する。
  一二軍の部員の気持ちを引き締めて、試合に勝つためにも、
  成績の悪い者は三軍に降格することもあるという危機感が必要だと思う」
  そして、三軍降格の部員の名前が発表された。
  三軍降格の部員は呆然としていた。

 「最後に、はるかの処遇だけど……、
  二軍で一から出直すということだったけれど、
  三軍が復活したので、さらに一から出直すということで、
  新たに三軍の下に四軍を作り、そこにはるかを降格させることになった」