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(ここまで最低な奴だとは思わなかった。いくら口で勝てないからって、暴力で
女の子を脅すなんて絶対に許せない。もうこんな奴、何やったっていいよね)
そう考えた瞬間、ぞくっとするような高揚感が湧き上がってきた。
(さっきお兄ちゃんはもし逆らったら、力ずくで言うことを聞かせるって言ってたよね? 
だったら、あたしも力ずくで言うことを聞かせてあげるよ。手加減なしで投げて、
骨が折れるぎりぎりまで関節を曲げて、何度も絞め落としてあげる。
もちろんそれだけじゃないよ……)
ドロっとした黒い欲望が体の底から湧き出てくるのを感じた。
いつも妄想の中で自分の尻に引かれ、苦しみ泣き叫んでいる兄の姿が
脳裏に浮かんだ。
(二度とあたしに逆らう気が起きないように、徹底的に躾けてあげる)
理香は口元に。薄っすらと冷酷な笑みが浮かんだ。


本日はここまでにします。
次のアップも時間が掛かってしまうと思いますが
よろしくお願いします。m(__)m