女性刑務官の人手不足深刻化 法務省対応へ
2月18日 19時38分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170218/k10010881801000.html

全国の刑務所などでは仕事を辞める女性刑務官が後を絶たず、ここ最近、深刻な人手不足が起きています。
法務省が再来年度までに、辞めていく女性刑務官を半分に減らす目標を掲げ、
女性が活躍できる職場作りへの取り組みが始まっています。
法務省によりますと、女性刑務官は平成27年度までの7年間に全国で1049人が採用されましたが、
このうち、363人が採用から3年以内に辞めてしまったということです。

離職率は34.6%にもなり、法務省が再来年度までに、辞めていく女性刑務官を半分に減らす目標を掲げ、
全国の刑務所で女性が活躍できる職場作りへの取り組みが始まっています。

このうち、女子専用の岐阜県の笠松刑務所では、平成28年度から男性刑務官の本格的な登用を始め、
現在、9人が工場の作業の監督などを行っているということです。

また、愛知県豊橋市の豊橋刑務支所では、ことし5月から、収容されるのが女の受刑者だけになり、
処遇にあたる刑務官40人は全員女性になります。
このうち、25人が福島県や佐賀県など全国の刑務所から転勤して来る予定で、刑務支所側は、夫婦で刑務官の場合、
夫を受刑者の処遇以外の業務に就かせて夫婦で転勤することを認めるほか、
子育てなどで配慮が必要な場合、民間のアパートなどに入ることも認めるということです。

さらに、和歌山刑務所では、新人がいきなり現場に出て戸惑いや悩みを抱えるのを防ぐ取り組みも始めています。
採用内定者を招き、ケーキを食べ、お茶を飲みながら先輩の刑務官と本音で語り合う「女子会」を開いています。
女子会を始めた昨年度、大阪矯正管区の管内では女性刑務官の離職率が11%にまで下がり、早速、効果が見え始めたということです。

大阪矯正管区の手塚文哉管区長は「女性が働きやすい職場にして退職者の数を減らしたい。そのうえで、
受刑者への対応を向上させ再犯防止にもつなげたい」と話しています。