女の子がちんこ2本比べてる漫画しらない? [無断転載禁止]©bbspink.com
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819:保と守 2014/10/05(日) 09:00:32.67 ID:Hp/cr4bd
車内で、男が一人佇んでいる。男の名は尾坂田尚史(オサカダ・ナオフミ)。人通りの無い郊外の道の、その路肩に停められた車の中で虚ろな表情を浮かべている。
さながら、死地を見付けた猫のように、力無くシートに凭(モタ)れている。
◆ 非日常的日常
2012 10/25 20:25 埼玉県某マンション
一日の勤めを終えて、尚史が帰宅した。
狭い玄関から廊下を過ぎて、リビングに至ると、キッチンカウンターの上のラップをかけられた皿に目をやり、“温めて下さい”と書き残されたメモを手に取る。
レトルトの麻婆豆腐の素が皿に盛られただけの簡素なメニューである。
ネクタイを緩め、Yシャツとスーツをハンガーにかけた後、皿をレンジにかける。
豆腐抜きの麻婆豆腐に白飯をよそって、カレーライスのようにスプーンで掻き込んでいく。
帰宅後、20分も経たない内に食事は終了した。
皿とスプーンを手早く洗い、続いて洗面所に向かうと、靴下を洗濯機に放り込み、電動シェイバーを持ってリビングに戻る。
慣れた手つきでシェイバーの部品を取り外し、刷毛(ハケ)と綿棒で汚れを落とした後、刃とカバーを専用鍋でもって煮沸消毒するのだ。
そして煮沸する間にリビングと廊下のモップ掛けを済ませ、リビングと隣合う寝室に、入念に掃除機を掛ける。
ベッドメイクまでを15分で熟すと、キッチンに戻り、煮沸消毒が済んだばかりのシェイバーの部品を、今度はエタノールで消毒していく。
計量カップで分量を計って100%エタノールから、手製の80%水溶液を調合する念の入れようである。
エタノール消毒の間にバスルームに移動し、風呂とトイレの掃除を、これまた20分程で済ませる。
再びリビングに戻り、消毒を終えたシェイバーの部品をキッチンペーパーで拭き取り、拭き終えた物から流し台に広げたタオルの上に、配置し自然乾燥させていく。 2012 10/25 21:15 自宅マンション リビング
殺伐とした社会において、自宅は、気の休まる数少ない空間の一つであろう。しかし尚史は帰宅後、一言も発しはしなかった。
理由はリビングの南東の隅にあった。46型テレビが据えられた東側の壁と、南向きの大窓の境の角に、これみよがしにカメラが設置されているのである。
カメラのパイロットランプが赤く点灯している。
カメラは、その一つだけではない。寝室、廊下、洗面所は勿論、トイレとバスルームにすらカメラが取り付けられているのだ。
この映像は純子に群がる集団の一人が管理するダークwebにリアルタイムで中継されている事を尚史は知っている。気の休まるはずがなかった。
820:保と守 2014/10/05(日) 09:01:43.54 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 01:45 自宅マンション
玄関の扉が開き、「ただいま。」と吐息のような声が、深夜の静寂を僅かに波立たせる。
尚史が帰宅してから5時間余り経って、ようやく、純子(ジュンコ)が帰ったのだ。4歳下の新妻である。
照明が消され、テレビの明かりだけが部屋を照らすリビングで、ソファに座ったままの尚史の隣に腰を下ろし、「尚ちゃん。ごめんね。」と小声で一言漏らす。
何処で何をしていたのか、などと尚史は問わない。
純子は尚史の肩に頭を預け、疲労を滲ませながら、尚史の胸の辺りに手を置く。
尚史が純子の肩を抱き、その頭頂部にそっと口付けをすると、ふわっと女の匂いが鼻腔をくすぐる。
夫婦然とした時間が、しばし流れた後、純子が静かなトーンで「シャワー浴びる?」と問う。
尚史は鼻から抜ける声で「うん。」と返し、フローリングに立ち膝なると、ボクサーパンツをずり下げて、銀白色の金属細工で飾られた一物をあらわにする。 尚史の無毛の一物は、金属製の小ケージを纏っており、根元の上部の極小サイズの南京錠でしっかりと封じられているのだ。
ソファに乗せた純子の右足の、その足首に巻かれた鎖状のアンクレットには、いくつかの棒状の装飾が施されており、その内の一つが、錠と対をなす鍵になっている。
厄介な事に、一見して見分けが付かないので、十数個ある小さな細工を一つずつ、南京錠の穴に嵌めては回していくのだ。
その間、純子は「痛くない?」などと優しい口調で尚史を気に掛けてみせる。
そして、この異常な共同作業には、そぐわない、自然な微笑みを僅かに覗かせるのである。
二十時間ぶりに解放された一物を揺らしながら、尚史は廊下へと消えていく。
821:保と守 2014/10/05(日) 09:03:14.85 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 02:20 自宅寝室
一日の汚れを洗い流し、一物のケージの手入れを済ませて尚史が寝室に入る。
ベッドサイドの、淡い暖色の間接照明が逆光になり、ベッドに横たわる妻の表情は黒く塗り潰されているが、静かな寝息が、純子が既に寝入っている事を物語っていた。
脱ぎ散らかされた衣服を畳み、はたまたハンガーに掛けてから、尚史も全裸のままベッドに入る。
その気配で目覚めたか、純子が下着姿で尚史に身を寄せて、腕や脚を絡めるのである。
身を清めたばかりの尚史の乳首を指先で転がし、股ぐらに手を伸ばす。たったこれだけの接触でも尚史は一物を膨張させ、ケージに肉を食い込ませてしまう。
純子が「したい?」と問うと、尚史は「うん。」と返す。
しばらく間を置いて「明日、内緒でしよう。」と純子が囁く。
純子は再び眠りにつくまで尚史の身体を撫で回した。
2012 10/26 06:20 自宅寝室
明くる朝。
尚史はアラームが鳴る前に目覚めていた。20代の後半に差し掛かったばかりの健康な男である。
それを示すように、毎朝、隆起しようとする一物が、ケージの金具によって締め付けられ、痛みで目覚めてしまうのだ。 朝食の準備を済ませ、未だ目覚めぬ新妻を揺り起こす。
尚史は、寝足りない様子でうなだれている純子の膝を折り曲げ、所謂、M字開脚のような格好で太股を左右に広げる。
純子の秘部は黒いレザーのパンティで覆われており、厚手のクロッチ部分が締め上げるように股肉に食い込んでいる。
蝶結びでしっかりと結着されたパンティの腰紐を解くと、その前面部分を股肉から引き剥がし、ベッドシーツの上に広げる。
さながら幼児のオムツ替えである。
純子の股ぐらは、しっとりと湿気を帯び、レザーパンティの、黒いクロッチ部分へと透明の糸を引いている。そして、クロッチには半透明半白濁の液体がこびりついているのだ。
尚史は、膣とパンティの汚れを、ウェットティッシュで丹念に拭き取っていく。
822:保と守 2014/10/05(日) 09:04:55.02 ID:Hp/cr4bd
続けて尚史は、前夜に入念に手入れした電動シェイバーのスイッチを入れ、純子の股ぐらに押し当てていく。
陰毛は毎朝、腋毛は二日に一度、その他の無駄毛は必要に応じて…、と決められているのだ。
純子は透き通るような白肌の、一見して繊細そうな外見に似合わず体毛が濃い。
正確には陰部と腋だけ、比較的広範囲に硬く太い毛を繁らせてしまう。
このタイプの女は、実は少なくない。
ただ、同じタイプの女でも多くは一つの毛穴から2、3本の毛が生えるのに対して、純子の場合は4、5本の毛が飛び出してしまうのだ。
密度に関して言えば毛深い男にも劣らない。
毎日、念入りに剃り落としても、翌朝には恥丘から後穴まで、しっかりと根を張った陰毛が、数分の一ミリほど頭を出し、体表を青黒く染めているのである。
尚史は髭剃りの要領で、秘部周辺の皮を引き伸ばし、シェイバーを当てて、ザラリとした硬い体毛の芽を刈り取っていく。
シェイバーの駆動音に混じってジョリジョリジョリと純子の下の毛がリズムを刻む。
その音と感触に、ようやく反応し始めた純子が「いや。」と股を閉じようとするのを制しながら、膣穴周辺の剃毛作業を終えた。 今度は、子供のようにグズる純子を引き起こし、ベッド脇に立たせる。
上半身をベッドに預けた純子の尻肉を、背後から広げては、肛門周囲の毛を剃っていく。
純子の臀部には“人妻浮気中”とマジックで書きなぐられているが、尚史は数秒目を閉じる以外、取り立てて反応しない。
純子に群がる男達の中で、落書きを好むのは、中巳出(ナカミデ)という男である。
男達には、それぞれに際立った嗜好や特徴があり、リーダー格の辰郎(タツロウ)は肛姦マニア、巨漢の丑山(ウシヤマ)は巨根の遅漏、といった具合である。
尚史は、把握している限りの特徴を手掛かりに、痕跡から前夜の相手を見極めていた。
探るつもりはなくとも、いや、知りたくもない事ではあるが、異常な夫婦生活に慣れるにつれて、知らず知らず察する事ができるようになってしまったのだ。
824:保と守 2014/10/05(日) 09:06:30.48 ID:Hp/cr4bd
尚史は不定期に、純子の“乱交記録映像”を観賞させられていたが、その中に8月の挙式前に撮影されたらしき物があった。
映像の中で、純白の下着とガーター、それに実際に式で使用する事になるブーケを纏った純子の、
左右の内股に「結婚式前夜」「新郎非公認」とマジックで書き上げて嬉々とする中巳出の様子が収められていた事を思い出す。
そんな事を考えていると、純子の膣から尚史の前腕に、ドロリと体液が垂れ落ち、ハッと我に返るのである。
手早くウェットティッシュで拭き取り、剃毛を終えた純子をベッドに戻して毛布をかけてやる。
そして今し方、我が妻の股ぐらに使用していた電動シェイバーで、今度は己の髭を剃り落としていくのだ。
毛剃りに慣れた成人の多くは剃刀の類いを使い回すリスクを承知している事だろう。
であるからこそ、シェイビングの順序と毎晩の消毒作業は厳格に定められているのである。
こうした流れが新潟の事件以来、尚史に課せられた、夜から朝にかけての基本的なサイクルなのだ。 尚史とて、この生活を歓迎しているわけではない。
食事を掻き込みながら、あるいは通勤路を運転しながら、はたまた、髭を剃りながら…、そうした生活の合間合間に思い悩んでいるのだ。
新潟の夜、尚史を散々にいたぶった女・優卯佳(ユウカ)は二つのシナリオを尚史に提示していた。
最初は、純子も異常集団の一員のような言い草だったが、後になって、純子を集団で脅迫して操っている、と話を翻したのである。
尚史は新婚旅行から帰った純子と真相について話し合いをした。しかし純子は連中との関わりについて、その詳細を語ろうとしないのだ。
純子と連中の性交を記録した映像の中に手掛かりを探しもしたが、命令されて調子を合わせているのか、好き好んでやっているのか、尚史には判断できなかった。
もし脅迫されているのなら、純子にとって唯一の希望は尚史である。その尚史が彼女を問い詰めれば、更に彼女を窮地に立たせてしまう。
純子を愛しているからこそ、また、この脅迫生活の辛さが身にしみているからこそ、尚史は純子を問い質せずにいた。
825:保と守 2014/10/05(日) 09:08:27.34 ID:Hp/cr4bd
純子はベッドに突っ伏したまま、尚史の髭剃り姿をうっとりとした表情で眺めては、再び眠りに落ちていく。
2012 10/26 06:34 自宅マンション リビング
朝食をとるためにリビングに移動した尚史は、直ぐに異変に気付いて一瞬、のけ反る。
リビングのテレビ台のわきに男が座り込んでいるのだ。
何度か見た男だった。男も集団の一人で、蒼亥(アオイ)と呼ばれていた事を思い出す。尚史と純子の新居の撮影機器一式を誂え、設置したのが、この男である。
マンションはオートロックを備えてはいるが、連中のほとんどは合鍵を持っており、好きな時に勝手に上がり込む事ができてしまうのだ。
この蒼亥も夜勤明けに、その足で夫婦の新居に押しかけたのである。
蒼亥は、なにやら配線をいじりながら「あ、終わった?」と、独り言のように尚史に問う。日課の剃毛作業が終わった事を確認したのだ。 立ち上がった蒼亥は尚史より頭一つ大きい、スラリとした長身である。
尚史は質問に頷きながら、朝食を用意したキッチンカウンターの方へと歩を進めるが、カウンターには空の食器ばかりが並んでおり、確かに用意したはずの食べ物は乗っていない。
それを見計らったように、尚史と入れ代わりで寝室に侵入した蒼亥がゲップを漏らす。
尚史はそっと目を閉じてから、再び食パンを切り出し、トースターにかけ、新品のカップに牛乳を注いでいく。
そうこうしていると、寝室の方から「ジュンさん。ニューアイテム持ってきたから。」と蒼亥の声がして「蒼亥くん。今はやめて…。」と純子の声が聞こえてくる。
続けて、ブラジャー一つの妻が、リビングに連れ出されるのを横目に見た尚史は、朝食の準備を切り上げ玄関に向かおうとする。
しかし、「そこに居ていいよ。」と蒼亥が尚史を引き止める。これは“許可”ではないのだ。
蒼亥は持参のバッグから細い長い透明の棒を取り出し、その尖端を純子の口にくわえさせる。
すると、目の前の46型テレビに純子の口内がデカデカと映し出された。
826:保と守 2014/10/05(日) 09:10:57.31 ID:Hp/cr4bd
蒼亥の持つ細長い棒は、持ち手部分から線が延びており、手の平サイズのコントローラーと、
テーブルに配置されたラップトップを介してテレビへと繋がれているのだ。
これは所謂、ファイバースコープだった。
尖端直径3mmにも満たない、最新の工業用スコープを勤め先から拝借し、それを手製の透明樹脂でコーティングして、僅か6mmほどのカメラ型ディルドに仕上げた一品である。
その極細ディルドを、今度は純子の膣穴へと侵入させていく。
尖端のライトを点灯させると、テレビ画面には、薄ピンクに照り輝く肉壁が映し出された。
「見ないでッ。」と純子が必死さを滲ませて訴える。
思わず見詰めていた尚史は、ハッとして画面から目を逸らすが、蒼亥は「何、言ってんの。見て欲しいでしょ?」と純子に詰め寄るのだ。続けて「こっち来いよ。」と尚史を呼び寄せる。 「ほら。ジュンさん。」と促され、純子は「尚ちゃん。見てて…。」と怖ず怖ずと漏らす。
ソファの横で画面を正視する尚史に向けるように、蒼亥が「これ精液じゃない?」「ここにも。」などと実況し、「ジュンさん。昨日、誰かとヤッたんでしょ?誰?」と純子に問う。
確かに純子の膣穴には、そこかしこに白い体液らしき物が付着しており、子宮口付近の肉溝にも“体液溜まり”ができているのだ。
そして、そうする内にも、膣内の潤いが幾分か増していくようにも見える。
蒼亥は極細ディルドを挿入したまま、純子の両手をテーブルにつかせ、今度は自分の一物を膣に擦りつけていく。そして膣口の“ぬめり”を存分に感じとってから「もうヌルヌルだわ。」と尚史に言い放って、肉棒を押し込んでいくのである。
夫を横に立たせ、所謂、立ちバックの体勢で純子に腰を擦り付け、蒼亥は満足げな表情を浮かべている。
827:保と守 2014/10/05(日) 09:13:41.75 ID:Hp/cr4bd
“連中”の中で尚史に対して好意的な態度を取る者は少ない。中でも蒼亥は取り分け、尚史に挑戦的で、攻撃的なのだ。
純子に、特に執着している事は集団の中の周知の事実であり、付き合いのない尚史でさえ、そう認識している。
普段は先輩に当たる辰郎や丑山に気を遣って我慢している分、己が場を支配できる時には、純子の亭主に収まった尚史に対して、遠慮なく敵意をあらわにするのだ。
己の地位を確認するように、純子との性交を尚史に見せ付けるのである。
2012 10/26 07:06 自宅マンション リビング
かれこれ二十分以上、若い一物で責められている純子は、声こそ発しないものの、プルプルと膝を震わせ、確実に“陥落”に近付いている事を示していた。
それを拒否したか、はたまた快感に耐え兼ねてか、ガクッと純子の腰が崩れ落ちるが、蒼亥がそれを許さない。
落ちかけた純子の腰を力づくで引き寄せ、尚も梃子を返すように一物をうねらせて、膣穴を撹拌していく。
そして、その内部の様子が接写で、テレビ画面に映し出されているのである。 蒼亥が一層ピッチを上げると、固く接(ツ)ぐんでいた純子の口から、ついに声が漏れだしてしまう。
僅かに目を細め、表情を強張らせる尚史に向かって、蒼亥はニヤニヤと笑みを見せ付け、「見てろよ。出すぞ。」と宣言する。
鈍い唸り声と共に、テレビ画面には白濁の膜が掛かり、それを拭うように、膣壁を押し拡げながら巨大な赤黒い肉塊が現れる。そしてまた、肉塊がフレームアウトすると収縮した膣に体液溜まりができて、画面が白く覆われる。
蒼亥は精を吐き出しても、腰の動きを止める事なく、 純子の長い黒髪を掴み上げ、ヌラヌラと照り輝く膣内部の様子に視線を向けさせるのである。
純子は眉を乢(タワ)ませ、潤む目で画面を見詰めながら、時折、画面に反射する後方の夫の気配を感じているのだ。
蒼亥と純子が揃って息を弾ませる中、黙って立ち尽くす尚史に、「いつまで見てんだ。オッサン。」と声が飛ぶ。
尚史は鞄を持ち、リビングと廊下の仕切り戸を閉めて、自宅を後にした。
玄関の直ぐ外で、怒りを吐き出すようにグッと顔をしかめてから、一度視線を落とし、玄関ドアに耳をあててしまう。
遠くから女の喘ぎが漏れ聞こえて、慌てて耳を離す。
828:保と守 2014/10/05(日) 09:18:12.72 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 07:12 マンションエントランス
エレベーターを降りた尚史は、同じマンションの初老のご婦人と挨拶を交わす。目の前の男がスーツの中で、一物を小ケージで拘束され、手篭めにされる嫁を残して出勤するなどとは、夢にも思うまい。
ご婦人の朝らしい爽やかな笑顔に見送られて、尚史は車で会社へと向かうのだった。
車中では先述のとおり、純子が尚史を愛しているのか、はたまた連中と一緒になって謀っているのか、と尚史は思い悩む。
しかし、それを見極めるには純子の事をもっと深く知らなければならない。尚史の手持ちの材料は、いかんせん少な過ぎた。 2012 10/26 07:19 自宅マンション リビング
純子は既に逝き果てた体で、蒼亥の追い討ちに耐え続けていた。
一度射精した蒼亥がイキ難くなっているのに対して、絶頂の名残を手掛かりに、次の快感の兆しを探し当ててしまう純子は、絶頂するほど、更にイキ易くなってしまうのである。
頭でどれだけ拒否しようと、開発され尽くした体が快感に向かう刺激を敏感に捕らえて離さないのだ。
とはいえ、本能が拒絶すれば女の体が反応しないのは自明の理。それは純子とて例外ではない。
これは逆説的に、彼女が深層心理で“連中”を許容している裏付けなのだが、純子という女を理解するには、彼女の生い立ちに、多少なり触れなければならない。
純子は比較的裕福な家庭の次女として不自由なく育てられた。
小学生時代は近所に住む同級生と特に仲がよく、毎朝一緒に登校していた。
純子も親友の同級生も、非常に物を大切にする子供で、高学年になってもランドセルは新品同然。傷は勿論、皺(シワ)の一つすらもないほどだった。
ある日の学校帰り、ちょっとした人間関係の縺れから、その同級生が隣のクラスの生徒数人に呼び出されるのを目撃してしまう。
そして逆恨みのような理由で、傷一つなかったランドセルをカッターで切り刻まれ、踏み潰され、プールに投げ捨てられてしまったのだ。
829:保と守 2014/10/05(日) 09:20:26.14 ID:Hp/cr4bd
純子は、大人に知らせようか迷いつつも、明くる日、1人で加害生徒達に立ち向かい、親友と同じ末路を辿ってしまう。
この事は問題化され、加害生徒達は厳しく罰せられたが、それより何より、純子は学校からの学用品の提供を一切断り、
小学校卒業までの約一年間、見る影もなく変貌したランドセルと濡れて歪んだ教材を使い続けた。
純子は周囲から道義心を称賛されたが、一方で体の芯を擽(クスグ)る、言葉にできないざわめきを感じていたのだ。
それは単純な被虐嗜好の顕れではなく、ある種の自我の防衛に似ている。
ランドセルの一件で、悲嘆に暮れる親友に心から同情しつつも、一方で純子は、自分も加害者に加担したい強烈な衝動に気付いてしまう。 純子自身も大切に使われた親友のランドセルをズタズタにしてみたかったのだ。
しかし環境によって育まれた道義心が、他者を虐げる事を良しとせず加虐欲求が親友に向く事はなかった。
一般に、そうした行き場のない情動が己に向き、自身を害する状態は、自虐と呼ばれ、それに類する形態はまま見られる。
しかし純子の場合、強い倫理観故に、理性が他者への加虐の代替となる自虐行為をも拒絶するのである。
強い加虐嗜好を持ちながら、その衝動を他者には向けられず、理性の強さから、自分のランドセルを傷める代替的自虐に転じる事もできなかった。
それ故に純子は、加害生徒に対して敵対的行動を起こし、自分の大切なランドセルを傷付けさせるよう、ある意味では仕向けたのだ。
そして、加害者に感情移入する事で欲求を満たしたのである。
他者も自身も虐げる事ができない己に代わって、その役割を担う第三者の近くに正当な理由を以って身を置く事で、自我を守りつつ、同時に欲求を満たす術を身に付けてしまったのである。
それが自我と本能の狭間で葛藤した末の、純子なりの落とし所だった。
830:保と守 2014/10/05(日) 09:22:34.19 ID:Hp/cr4bd
一般に“天使と悪魔の葛藤”という比喩がよく使われるが、他者は勿論、自分自身にも加虐嗜好を向ける純子の本能は、言わば悪魔であり、
他者も自分自身も傷付けさせない理性は、悪魔に対抗する天使と言える。
両者は攻めぎ合いの末に談合し、外敵を巻き込む事で天使の思考と悪魔の嗜好を両立させているのである。
そして、悪魔の嗜好は、標的が大切な存在であればあるほど、純子に強い興奮を齎すのだ。
興奮は性欲の源泉である。故に純子の性欲は旺盛であり、それはそのまま尚史への強い愛情の顕れともいえる。
愛する尚史が汚され、恥ずかしめられてしまうのを見る事も、己が汚され、恥ずかしめられてしまうのを愛する尚史に見られる事も、突き詰めれば同義である。
その両方が悪魔の嗜好を強烈に満たし、それを自らの意思で行っていないという事実が、天使の思考を深く納得させている。
それが純子の本質なのだ。 つまり新潟の夜、優卯佳が尚史に示した二つのシナリオは、どちらも純子に関する真実といえる。
純子は、ある意味では最も卑怯で強欲な加虐嗜好者であり、同時に、最も不憫で愛情深い淑女なのである。
どちらが本当の顔か、と考えている内は、尚史が答えに辿り着く事はないのだ。
2012 10/26 08:50 自宅マンション バスルーム
リビングで繰り広げられた早朝からの蒼亥との情事は、夫婦の寝室、廊下、玄関と場所を変え、最後に浴室へと行き着いていた。
湯舟の縁に座った蒼亥に、ボディソープを塗った体を絡ませ、風俗嬢がするように、お互いの体の汚れを落としていく。
ひざまずいて陰茎を両手で包み込み、丁寧に擦り洗いしていると、若い一物がムクムクと反応し始める。
攻守交代とばかりに蒼亥が立ち上がり、背後から腕を巻き付け、純子の胸や腹をまさぐるように泡を塗り込んでいくのだ。
831:保と守 2014/10/05(日) 09:25:48.29 ID:Hp/cr4bd
純子が逃げるようにシャワーに手を伸ばし、泡を流し始めようとも、そんな事には構わず、復活した一物を女の尻肉に挟み込み、首筋に吸い付きながら、乳首や陰核など敏感な部分を刺激する。
バスルームに至るまで散々、責め抜かれた女の体は、余韻につられて、直ぐ様反応し、各所の小突起を固くさせてしまう。
若いカップルにありがちな、シャワータイムの再燃というやつである。
シャワーの流水音と艶っぽい女の声が、しばらく交錯した後、純子は、だらしなく半開きだった脚を、両膝をくっつけるようにして内股に閉じ始める。陰核攻めで果てる態勢を体が自然に整えたのだ。
そして、寸前まで溜め込んだ息を、一遍に吐き出すように「あん!」と一際、力の篭った声を出して絶頂に達した事を知らせる。
と、その瞬間、「純ちゃん。」と浴室の外から呼ぶ声がして、純子は青ざめてしまう。 脱衣所を兼ねた洗面所と、浴室とを隔てる半透明のプラスティックガラスの扉に、人影が現れ、浴室の様子を窺うように「純ちゃん?…純子ちゃん?」と繰り返すのである。
その呼び掛けに「お義母(カア)さん?」と純子が呼び返す。
尚史と純子の新居のマンションから、車で30分弱の距離の実家から、純子の義母が、つまり尚史の母、清絵(キヨエ)が訪ねて来たのだ。
当然、マンションの鍵は渡してあった。
純子は「お義母さん、…いらしてたんですか。」と、張りのある声を発する。淫行に勤しんでいた時の声とは明らかに違う、嫁の声である。
しばらく間を置いて「誰かいるの?」と問われて、益々焦る。
「いないです。何でですか?」と、やや違和感のある返答をしてしまう。
湯煙が立ち込める浴室が、半透明のガラス越しに外からどう見えているのか。夫でない男の姿を見られているのか。
また、義母は何時から居たのか。喘ぎ声を聞かれたのか。脱衣所と廊下を仕切る引き戸をちゃんと閉めていたか。
シャワーの音がどの程度、男女の声を掻き消してくれていたのか。このまま浴室にいればやり過ごせるのか。
と、思考を広げていって純子はゾッとする。
リビングや寝室には脱ぎ散らかした蒼亥の洋服や下着がある上に、玄関には靴もある。そこかしこに体液が垂れ、染みも残っているのだ。
832:保と守 2014/10/05(日) 09:28:36.86 ID:Hp/cr4bd
焦る純子を茶化すように、蒼亥が目を見開き、口を掌で隠して大袈裟なポーズをとってみせる。
それは純子に対して、ではなく、浴室の換気扇から電源をとった常設固定カメラに向けて、である。
そうしてから純子の陰核を更に刺激しようとするのだ。
純子は抵抗するが、薄扉で隔てられた直ぐ外にいる義母に気配が伝わる事を恐れ、大きな動きができない。
しかも両手が自由な蒼亥に対し、純子の方は、万に一つも義母が扉を開け、中を覗かないように片手を浴室の“折れ戸”の、つっかえ棒にしているのだ。
閉じた脚に力を篭めてみても、蒼亥の手首を掴んでみても、問答無用で陰核を弄ばれてしまう。 果てたばかりの敏感な陰核を触られる事は、快感よりも苦痛が勝る。それは快感が強すぎる故の苦痛であり、気を抜けば反射的に声が出てしまうほどだ。
しかし、死んでも声を出すわけにはいかない。それどころか、呼吸を弾ませる事すら憚られる状況である。
蒼亥は、それを承知で純子を責め立てて楽しんでいるのだ。
当の純子も突然の修羅場に苦慮する一方で、得難い緊迫感に高揚し、陰部を湿らせてしまう。
「玄関に知らない靴があったから。」と義母・清絵。
「え、…尚史さんの靴でしょ?」と純子が答えるその間も、背後から陰核を刺激され続けている。更に乳首を捻り上げられながら、膣穴に侵入しようとする一物を、ギリギリ腰を捻って回避する。
「そうだったかしら…。」と懐疑的な義母・清絵の声をよそに浴室の攻防は続く。
とはいえ、男女の力の差は歴然である。力づくで押さえられれば女は手も足も出ない。膣口に亀頭を押し付けられてしまう。
こうなれば成す術はない。膣をどんなに締めて拒絶してみても、既にヌルッと潤んだ膣口は、呆気なく一物を受け入れてしまうのだ。
ズブッと一気に押し込まれる。
侵入を阻もうと膣を締めていたため、逆に挿入感が増し、瞬間的に「あぁ!」と声を漏らしてしまう。
それをごまかすように純子はゲホゲホと激しく咳込んでみせる。
「大丈夫?」との義母の問い掛けに咳込みながら「大丈夫です。」と返すが、何一つ大丈夫ではない。
833:保と守 2014/10/05(日) 09:34:13.28 ID:Hp/cr4bd
ペタンペタンと尻肉を弾く音を掻き消すため、急にシャワー圧を強めた事も、終始、扉に添えた手も、外から見れば不自然この上ないだろう。
しかし、これが最悪の結末を回避するための、やむを得ない悪手なのだ。
「ご近所で頂いた梨を持って来たのよ。」と義母・清絵。
「あぁ、ありがとうございます。」と純子。陰核攻めでイカされてから2分弱。僅かな時間経過だが、突起の感覚が僅かに落ち着き、その分だけ口調に余裕が出る。 「純ちゃんと一緒に食べようと思って。食べるでしょ?」と問われるが、純子は「あぁ。今さっき入った所なので、かなり時間がかかっちゃうかも…。」と濁す。
浴室に入って二十数分。再三の運動と篭る熱気で、既にのぼせそうだが、とにかく今日の所は義母を追い帰したいのだ。
ところが「ゆっくりでいいよ。お台所借りるわね。」と望まぬ返答がきてしまう。
その言葉を後に義母の姿は浴室扉の前から消えて行った。
緊張の度合いが一つ緩むが、それを見計らってか、蒼亥が、わざとらしく腰を打ち付けて肉体の破裂音を立て始める。
そして「こんな所を見たら、オカーサン発狂するんじゃね?」と、からかってみせるのである。
恨めしく思いながらも、純子は蒼亥の動きに合わせて己も腰を振ってしまう。
既に体が快感の波を捕らえているのだ。
と、今度は蒼亥が浴室扉を開けて、純子を外へと押し出そうとする。繋がったままである。
寝不足と朝から責められ続けた疲労に加え、熱気の篭った浴室での男との攻防によって体力を奪われており、純子には碌に抵抗する力はなかった。
まんまと脱衣所に押し出されてしまう。悪い事に洗面所兼脱衣所と廊下を隔てる引き戸は開け放たれている。
浴室では蒼亥の無鉄砲に応じかけた純子だが、脱衣所で…、となると話が違う。義母がトイレにでも来れば脱衣所の前の廊下を横切る事になるのだ。
純子は意を決して、棚に積み上げられたバスタオルを掴み、蒼亥から逃れながら廊下へと出た。
廊下とリビングを隔てる扉も開いている。
声が聞こえていたかもしれない、と悪い考えが頭を擡(モタ)げるが、裸体にタオルを巻きながら、舌打ちする蒼亥を置き去りにしてリビングへと足早に向かう。
834:保と守 2014/10/05(日) 09:37:35.68 ID:Hp/cr4bd
義母が帰らないなら蒼亥を帰すしかない。しかし衣服は脱衣所にはないのだ。
純子は半ば開き直って必要な選択をしたのである。 リビングに入ると、すぐ右手のキッチンで、切り分けた梨を皿に盛り、冷蔵庫に入れようとしていた義母・清絵と目が合う。
純子は会釈しながら「着替えを忘れちゃって…。」と言葉を残し、急いで寝室に向かう。
ベッドの荒れ様には目もくれず、クローゼットから自分の部屋着と下着を取り出してから、寝室にある蒼亥の服や下着をかき集めようとする。
しかし靴下とTシャツ以外は見当たらない。
隙間から、恐る恐るリビングを覗くと蒼亥が持参したバッグの上に、薄手のニットとパンツが畳まれているのだ。その間から男物の下着も僅かに顔を覗かせている。
そして純子の子宮口まで突っ込まれた極細ディルド(ファイバースコープ)は、リビングテーブルの上に置かれてしまっている。
脱ぎ散らかしたはずの衣服が整然と積み上げられている事に絶望しながらも、純子は蒼亥の衣服を素早く取り上げ、自分の部屋着の影に隠す。
そしてリビングと廊下の仕切り戸を閉めて、足早に脱衣所へと戻った。
「蒼亥くん。今日は帰って。」と、頼むが、蒼亥は中々、服を着ようとしない。
「嫌いになるよ。」と、睨み付けると、ようやく、のらりくらりと体を拭き始める。
服を着終えた蒼亥を玄関へと誘導すると「純ちゃん。床がビショビショじゃない。」と声が響く。今にも背後の仕切り戸が開いて義母が顔を覗かせそうだ。
「荷物が…。」と、食い下がる蒼亥を「また今度。」と一刀両断し、靴を履かせて見送ろうとする。
その瞬間、蒼亥が向き直り、裸にタオル一枚の純子を抱きしめて、顔へ首へと濃厚に口付けしていくのだ。
押し返そうとする純子の手を掴んで、未だ興奮覚めやらぬ股間へと導くのである。
縺れ合う内に純子の体に巻かれたバスタオルがフローリングに落ち、あらわになった純子の、無毛の秘部へと指を這わせていく。
ヌルリと指が滑る。純子も未だ股間を潤わせているのだ。
ついに。
「純子ちゃん。」と声がして、リビングの引き戸が開いた。 835:保と守 2014/10/05(日) 09:40:54.21 ID:Hp/cr4bd
「お雑巾ないかしら。」と、義母の清絵が、そろりと廊下に出て来た。
純子は全裸のまま、屈み込んでいた。そして下駄箱の戸をトンッと閉めて、背を向けたまま「玄関、散らかっててすみませんでした。」と義母に返す。
清絵の靴以外の靴を、全て下駄箱にしまいました。と、そのように装って、蒼亥の靴が消えた不自然さに理由付けをしたのだ。
蒼亥は、義母が顔を出す直前に共用通路へと押し出されていた。
純子は立ち上がりながら、廊下に落ちたタオルを巻き直し、玄関ドアのチェーンロックをかけた。
そして清絵の方に向き直ると「えーと、お雑巾はぁー…。」と、微笑んで見せるのだった。
2012 10/26 08:50 自宅マンション リビング
キッチンとリビングの間のキッチンカウンターに、くっつけるように配置された、2人掛けのダイニングテーブルで、純子は義母・清絵と向き合って座っていた。
小振りのフォークで梨を突いて口へ運ぶ。
義母がリビングテーブル(座卓)を指さして「あれはなに?」と純子に問う。例の極細ディルドである。
「あれは…、先にカメラが付いていて…、家具の隙間とか、排水溝の中を見る道具で…。」と、純子。
「へぇ、ハイテクなのねぇ。」と清絵が感心する。
純子は明らかに動揺していた。
蒼亥の服を畳んだ時に、義母は尚史とは別の男の臭いに気付いただろうか。部屋から服が消えた事をどう思っているのか。洗面所の洗濯機に放り込んだ、と思ってくれているだろうか。
下駄箱の中をチェックすれば蒼亥の靴がない事はすぐに露見する。言い訳のしようがない。
そもそも、リビングに立ち込める性交の残り香をどう思っているのか。ソファの体液の染みを何だと思って雑巾で拭ったのだろう。
テーブルの上の、極細ディルドを手に取ったのは間違いない。そこに纏わり付いた液体をどう思ったのか。
風呂から出た嫁が「着替えがない」と、寝室に入り、そこで服を着ずに、わざわざ脱衣所に持っていく不自然さに気付いたろうか。
更に、運んだ服を纏わず、タオル一枚で玄関を整える不自然さをどう思ったのか。 義母は本当に何も気付いていないのか。不安になればなるほど、鼓動が高鳴り、
純子は梨を頬張りながら、テーブルの下でパンティの中に指を伸ばしてしまうのだった。
836:保と守 2014/10/05(日) 09:44:57.37 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 11:55 社用車 車内
得意先回りを熟していた尚史が車に戻り、一人、昼食の算段をしていた。
すると携帯が鳴動する。会社用携帯の方ではない。
メッセージを読み終えると、尚史は多少の緊張を滲ませながらエンジンをかけた。純子にも秘密の密会へと向かうのだ。
2012 10/26 12:06 都内 某駐車場
大通りから少し入った先の神社の、その裏手に向かって細い路地を半周すると、砕石引きの小さな広場に行き当たる。色褪せたベンチと、錆び付いたシーソーが据えられていて、広場の周囲を、これまた色褪せたフェンスが囲っている。
そのフェンスを、更に神社の石垣と隣家の生け垣が囲っており、完全な袋小路になっているのだ。その広場まで行き着く手前に、車2台ほどを止められるスペースがあり、尚史は、その駐車場に社用車のステーションワゴンを止めていた。
ほどなくミニバンがやってきて隣に駐車する。尚史が車を降りると、ミニバンの運転席から優卯佳が降りて「ハロー、ナオちゃん。」と、陽気な挨拶を投げ掛けるのだ。
ハットに、ゆったりめの白のブラウス、膝下丈のベージュのスカーチョ(≒七分丈のワイドパンツ)に、レースアップのヒールサンダルという落ち着いた出で立ちである。
優卯佳は、尚史を車輌の後方に導き「ここ。開けて。」と、社用車最高部のハッチをノックする。
周囲は広場から続く神社の石垣とミニバンに囲まれ、ちょっとした死角になっているのがわかる。
優卯佳はトランクに腰掛けると、平気で他人様の車のバンパーに足を乗せて「早く、早く。」と尚史に何やら促す。
優卯佳の右足首には純子と同じアンクレットが巻かれている。
尚史は下半身を開(ハダ)けて、ケージに捕われた無毛の一物をあらわにすると、
ケージに食い込む程に隆起しようともがいている一物を解放すべく、アンクレットの装飾をケージの南京錠に嵌めていく。 新潟以降の約2ヶ月の間に優卯佳と尚史の関係性は完全に確立されていた。それは尚史が反意を見せなくなったという事だけではなく、優卯佳から呼び出しのメッセージが届いただけで、体が反応するようになってしまったのだ。
既に2年以上性交がない上に優卯佳との密会は毎度、性的行為を伴うのだ。否が応でも体が覚えてしまう。
837:保と守 2014/10/05(日) 09:47:18.79 ID:Hp/cr4bd
優卯佳は腰を捻って右脚をトランクに伸ばし、左脚を外に投げ出すようにして座り直す。そして右のスカーチョの裾を太股までたくし上げて「ほら、もたもたしない。時間ないよ。」と、コーチのように指示を出すのである。
尚史は、解放された一物を振りながら優卯佳の伸ばした右脚に跨がるように、肘・膝の四つん這いでトランクに乗り込む。
半身(ハンミ)でトランクの横壁に寄り掛かった優卯佳が、左手で尚史の陰嚢を握り、少し間を置いて尻をひっ叩く。
慌てて尚史は「お願いします…。」と、声を上擦らせる。
優卯佳は無言のままバッグから低周波治療器のような器具を出し、手際よく尚史の肛穴の前後に電極シートを張り付けて、メモリをセットする。
スイッチを入れると、尚史の股間周辺の肉が、恰も拍動する心臓のように一定感覚で収縮と弛緩を繰り返すのだ。
優卯佳は真っ白のネイルを施した左中指に避妊具を被せ、その作業で右手についた潤滑剤を尚史の尻肉で拭き取ると、スマホを構えて「ナオちゃん。何回目ですか?」と尚史に問う。
「26回目です…。お願いします…。」と尚史。
避妊具を纏った優卯佳の細指が肛穴に滑り込み、尚史は肘をついたまま頭を抱えてしまう。
優卯佳はピクンピクンと拍動する股肉に合わせて、クイ、クイと尚史の腸壁の一点を圧迫するのだ。
弱い刺激だが、徐々に違和感が積み重なり、時折、ブルッと震えるような快感が走り始める。
7、8分もすると、確かな快感が圧迫部位に集中し、いずれ巨大な塊となって弾けるような、そんな期待感に取り憑かれながら尚史は息を荒くしてしまうのだ。 こうなると、“真っ当な男”だった時には有り得なかった淫らな情動が滲み出し、顎の先に投げ出された女の右足にしゃぶり着きたいとさえ思ってしまう。
尚史は“連中”の中で助言をくれる数少ない人間の一人、中巳出(ナカミデ)から、優卯佳と“先生”と渾名される戌上(イヌガミ)なる人物の2人を激怒させた男の顛末を聞かされ、「絶対に怒らせるな。」と釘を刺されていた。
それが無ければ、とっくに優卯佳の足に舌を伸ばしていた事だろう。
足を舐めろ、と命じられ、乳首を弄ばれていた頃を思い出し、ただただ物寂しさに身悶えるのである。
838:保と守 2014/10/05(日) 09:49:15.47 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 12:21 都内 某駐車場
ハッチを開けたワゴン車のトランクで、尚史は肛穴を刺激され、体を震わせていた。優卯佳が背後から尚史を責めながら、その様子を撮影しているのだ。
そんな中、尚史のスマホが鳴動し、鳴り止まない。電話が来ているようだ。
「ジュンジュンかな?出ていいよ。」と優卯佳。そして「スピーカーでね。」と続ける。
画面を見て二の足を踏む尚史に「ほら。」と言って、文字通り尻を叩く。
「もしもし。」と尚史。
「もしもし、尚くん。」
電話は尚史の母・清絵からだった。
「今日、マンションに梨を持って行ったんだけどね…。」と言って清絵はしばし黙る。
「何?」と続きを急かすと「尚くん。純ちゃんと上手く行ってる?」と急に話題が変わる。
「なんで?」と問うと、更にしばしの沈黙があり「言い難いんだけど。」と前置きしてから「純子ちゃん。浮気してるかも知れない。」と、ようやく本旨を吐露する。
聞いていた優卯佳がケラケラと笑い「ナオちゃんのママってさァ。RIKACOに似てるよねェ。」と遠慮のないトーンで言い放ち「アタシ、リカコ大ッ嫌い。」と語気を強める。
「誰かいるの?」と電話口の清絵。
「え、…いないけど。」と惚ける尚史の後ろで「ジュンジュンも、リカコに『誰もいませ〜ん!』って言ってたよ。アオイとヤリながら。」と優卯佳がニヤつく。既に朝の映像を見たのだろう。 「純ちゃんに電話しても繋がらないから、梨だけ置いて帰って来ようと思ったら、…家に誰か居たのよ。あれ男の人よ。」と清絵。
「…勘違いだろ。」と妻の体裁を繕うが「尚くん、真面目に聞きなさい。一緒にお風呂入ってたのよ?」と清絵は引き下がらない。
黙ってしまった尚史に「ナオちゃん、ナオちゃん。鉢合わせには、なってないよォ〜ん。」と優卯佳が助け舟を出す。
それを受け「見たの?男を。」と尚史が問うと「見てはないけど…。」と清絵が口篭る。
「とにかく大事にならない内に2人で話しなさいよ。」と言って電話は切られた。
尚史は母の追及を跳ね退けはしたが、怨敵の助言を得て事実を伝える母を糾弾したのだ。それも肛穴を開発されながらである。内心、複雑だった。
「奥様がヤリマンだと大変ですねェ。」と優卯佳が茶化し「ほら、集中しないと。」と指導に戻る。
839:保と守 2014/10/05(日) 09:53:31.42 ID:Hp/cr4bd
2012 10/26 12:47 都内 某駐車場
「またイケなかったねェ。」と社用車の助手席に着いた優卯佳が、運転席の尚史に投げかける。その通り尚史は未だ肛穴刺激で絶頂に達した事はない。
優卯佳は禁煙の車内で、吸い終えた手製の紙巻きタバコの火を消しもせず、指で弾いて窓から飛ばした。
尚史は、それについては何も言わず「はい。」と投げかけにだけ答える。
そうこうしていると、よくやく尚史の一物が萎み始める。数分前に塗った沈静作用を齎す塗布薬が効いたのだ。
優卯佳が萎んだ一物を摘んで小ケージを纏わせながら、唐突に「ジュンジュンとヤルの?今夜。」と問う。
尚史は焦る。どう、ごまかそうかと考える前に「昨日、『明日、内緒で〜』って言ってたらしいじゃん。」と先手を打たれて「はい。」と認める。
話が出た時点で、尚史は「ダメ。」と言われる覚悟を既に決めていた。優卯佳によってケージに嵌められる南京錠を凝視し、押し黙っている。
付き合って以来、2年強で初の純子との性交で、結婚以来初の、まともな射精の機会だったが、優卯佳に知られてしまっては元も子もない。
そう思って深く落胆した。が、答えは意外にも「よかったじゃん。」だった。 そして「誰かが文句言ったらアタシが許可したって言いなよ。」とお墨付きまでくれたのだ。
そう言って手を振りながら去って行く優卯佳の、その笑顔が少しだけ悲しげに見えて、尚史まで感傷的な気持ちを抱いていた。
優卯佳は尚史にとって、新潟の夜以来、ある意味で最も関係を深めた女である。純子にも内緒の密会を繰り返した末に、その素顔を垣間見た気がして、ぐっと来てしまったのだ。
2012 10/26 19:58 自宅マンション
一日の勤めを終えて尚史が帰宅した。
狭い玄関から廊下を過ぎてリビングに至ると「お帰りなさい。」と声がする。
こんなに晴れやかな帰宅は何時振りだろう。ネクタイを緩め、Yシャツとスーツをハンガーにかけた後、ダイニングテーブルにつく。
新妻の手料理を十分に堪能し「ご馳走様。美味かった。」と笑顔を見せると、いつもの習慣で電動シェイバーの手入れを始めようとしてしまう。
840:保と守 2014/10/05(日) 09:56:29.83 ID:Hp/cr4bd
「今日はいいじゃん。」と、純子が尚史を引き止め「シャワー浴びる?」と問うてくる。
それだけで一物が反応してしまう。
純子がソファに左足を乗せ、尚史はパンツを下ろす。
純子の足首に巻かれたアンクレットの、十数個ある棒状の装飾から、一物を拘束する小ケージに嵌められた南京錠の鍵を捜していく。
一つ一つ鍵穴に入れては回す、何度やっても厄介な作業である。しかも、きちんと鍵穴に挿さなければ本物に当たっても錠は外れないのだ。“最初からやり直し”を喰らう事もままある。
当夜も尚史はてこずりながら、それでも純子の脚を撫でたり、膝頭にキスをしたり、と期待感に背を押されて、腐らずに作業を熟した。
純子も尚史の頭を撫でたり、肩を撫でたりして間を埋めている。
2012 10/26 20:52 自宅マンション リビング
帰宅して約1時間、夕食を終えて約30分。尚史はまだアンクレットと格闘していた。
尚史は既に、鍵が変型・破損etcしてしまった可能性を疑い始めていた。金属と言っても、所詮チャチな装飾である。いつ変型しても不思議ではない、と思っているのだ。 この南京錠は素人のピッキングでは開かない。それは身を以って知っている。しかし尚史は焦りはしなかった。狙ったようなタイミングで突発的な事故が起きてしまうという、万事に通ずる不条理を笑う余裕があった。
トーストが落ちた時、バターを塗った面が下になる確率は絨毯の価格に比例して増大する。という皮肉めいた話は多くの国にある。
ソッドだとか、マーフィーだとかいう、種々の法則を尚史は思い出していた。
電話を終えた純子が「優卯佳。来てくれるって。」と、いうのを聞いて尚史は安心したように振る舞ってみせる。
尚史は優卯佳との密会の中で、優卯佳も南京錠の鍵を持っている事を知っていた。事実、当日の昼もケージを外しているのだから間違いはない。それが尚史が焦燥に駆られなかった最たる要因である。
更に昼の優卯佳とのやり取りから、彼女が手を差し延べてくれる事も察していた。
ただ同時に、純子に対する罪悪感が頭を擡げてもいた。何も知らない振りをして「予備の鍵はない?」と純子を誘導した事に後ろめたさを感じていたのだ。
841:保と守 2014/10/05(日) 09:59:04.49 ID:Hp/cr4bd
「でもね…。優卯佳は出先だから、今は持ってないんだって。」と純子。
2012 10/26 21:01 自宅マンション前
マンション前の2人の下に見慣れたミニバンが、思いの外、早く到着した。純子は助手席に、尚史は後部座席に乗り込む。車には女の匂いが充満しており、それだけで性的な欲求が高まってしまう。
開口一番、「呼び付けてくれたわね。ナオちゃん。」と睨みをきかす優卯佳。「ウソウソ。」と笑って車を発進させる。
「優卯佳、ごめんね。」と純子。それに合わせて尚史も、正室と側室に囲まれたようなバツの悪そうな表情でヘコヘコと頭を下げる。
優卯佳によると、自宅まで鍵を取りに戻ると往復で1.5時間は掛かるので、近場で鍵を持った人物の所へ取りに行く、という事だった。
途中、優卯佳の入り用でドラッグストアに立ち寄り、“事のついで”と純子と尚史に清涼飲料水が配られた。 2012 10/26 21:28 埼玉県 某所
住宅街を過ぎ、閑散とし始めた県道沿いに、煙突をあしらったレトロな造りの建物があった。脇道から裏手に入ると、新築の一軒家が隣接していて既に優卯佳のミニバンが停まっている。
この二軒の他には道路沿いの外灯ぐらいしか明かりが無く、10月も下旬というのに、夏の虫の声が聞こえてきそうな、そんな風情である。
3人は既に道沿いのレトロな建物の中にいた。
そして十数名の男達が純子と優卯佳を取り囲んでいるのだ。
「どういう事なの。」と純子が語気を強めて優卯佳に詰め寄る。先述の天使の思考が、まずは異常事態を拒否するのである。
尚史は隣接スペースに敷かれたマットの上でぐったりとうなだれている。その横に、新潟の夜にもいた寅和(トモカズ)がいて「ドンマイ、ドンマイ。」と声を掛けている。
そんな中、優卯佳が男達に演説を始める。
「ハイハイ、みなさん。こちらが新婚の奥様ですよ。一回毎にコンドームは付け替えて下さいねェ。」
843:保と守 2014/10/05(日) 10:03:51.59 ID:Hp/cr4bd
優卯佳は一通りの説明を終えると、「ほら、ジュンジュン。みなさんに『お願いします』でしょ?」と純子を小突く。
さすがに純子が口篭る。罪悪感が勝り、天使の思考が納得できずにいるのだ。男達の隙間からガラス戸越しに僅かに見える、尚史の姿に目をやる。
二の足を踏む純子に「終わった後のナオちゃんの顔。見たいでしょ?」と、耳元で囁く。そうして純子の悪魔の嗜好を十分に刺激してから、
眉尻を下げた困り顔で「嫌だって言うなら、アレもコレも流出だよ?」と、天使の思考を納得させる現実を突き付けるのだ。
これで純子は解放されてしまうのである。
口元を緩ませ、一方で眉間を強張らせ、悲喜の入り混じった狂気の表情で「みなさん、お願いします…。」「どうか沢山、可愛がって下さい…。」と懇願してしまう。
それを聞いた男達は、歓声をあげながら服を脱ぎ始める。その人垣を分けるように、優卯佳は隣接スペースへと移動し「ナオちゃ〜ん、ナオちゃ〜ん。ゴキブリするよ〜。」と呼び掛けながら、寅和と共にいそいそと作業に取り掛かるのだ。 尚史の首にレザーの首輪をかけ、首輪から伸びた20cmほどのチェーンの突端の金具を、長さ1mほどの金棒の中程の穴に通す。
そして両膝に、これまたレザーのベルトを巻いて金棒の両端の穴に結着する。
両手首も同じように金棒の両端に固定すると、一本の金棒に首、両手首、両膝が連結された、M字開脚拘束が完成する。
対象が手足を折り曲げ仰向けでのたうつ姿から、連中はこれを“ゴキブリ拘束”などと呼んでいた。
更に口にマスクを当てて、頭にベルトを巻いて固定する。直径4cmの“栓”を外すと喉の奥まで覗き見る事ができる。所謂、開口マスクである。
ここまで尚史は碌な抵抗を見せない。薬を盛られ抵抗できないのである。道しな、優卯佳から渡された、未開封の清涼飲料水に安定作用のある薬が混入していたからだ。
もし日中だったなら、ニードルでキャップに空けられた極小の穴に気付いたろうか。
そして今、その薬の効果を打ち消す薬剤が、優卯佳の持つ注射器によって尚史の静脈に投与されていくのだ。
「やっぱり活きがよくないとね〜、ナオちゃん。」と優卯佳。
844:保と守 2014/10/05(日) 10:05:28.43 ID:Hp/cr4bd
男達が服を脱ぐスペースには昔ながらの番台に扇風機、そして自販機にマッサージ機が設置されており、尚史が拘束されたスペースの壁面には富士山が描かれていた。。
外観に煙突を備えたこのレトロな建物は銭湯だった。寅和の親族が経営する銭湯を営業時間後に貸し切っていたのだ。
脱衣所で服を脱ぎ終えた男達が、ぞろぞろと浴場に入場してくる。
ある者は尚史を見て目を輝かせ、ある者は純子に向かって「ご馳走様!」と手を合わせている。みな一様に嬉々とした熱気に駆られていた。
アドレナリンを投与された尚史は急速に覚醒し、ほどなく、己が拘束されてエアマットに寝かされている事を自覚する。
そして「本当にいいのかい?」という男の声に「はい…。」と答える純子の声を聞いてしまう。
そんな中、ドラッグストアの袋を持った優卯佳が近付いてきて、大量の箱を並べていく。十数個に及ぶ避妊具の箱である。 箱から、帯状に連なった避妊具のパッケージを取り出し、尚史の顎先、数十cmにある金棒にぶら下げていくのだ。
その間もニヤニヤと笑い、尚史を見据えている。
不安げな尚史に、仕方ないな、と言った面持ちでスマホ画面を見せる。
──────────
投稿者 JJ
結婚2ヶ月の浮気妻です。
この度、異性愛者の夫を貸し出す事に致しました。男色趣味の殿方にお集まり頂いて、無理矢理に性玩具にして頂ければ幸いです。
こちらで準備するゴム着用が参加条件となります。
どうか夫を立派なオナホにしてやって下さい!
詳細はメールにて。
──────────
そう書き込まれたウェブ掲示板が表示されている。
そして「いつもジュンジュンに見せ付けられてるんだから、今日はヤリ返しちゃえ。」と、優卯佳が、歯茎を覗かせた嫌らしい笑みを見せびらかすのだ。
尚史は、この日の昼間、優卯佳に感じた親近感が己の幻想だった事を痛感していた。そして己の短慮を心底、悔いた。しかし、この笑みを見てからでは遅いのだ。
最後に尚史の尻にローションが塗りたくられた所で、優卯佳は「みなさん、お待たせしましたァ。どうぞ、遠慮なく。」と開会の合図を出した。
846:保と守 2014/10/05(日) 10:07:40.18 ID:Hp/cr4bd
浴場の中央のエアマットの上に寝かされた尚史を、男達が取り囲んでいく。尚史は脚を閉じようとするが膝の間の金棒がそれを許さない。
先陣を切った勇者は、力感溢れる土木作業員風の壮年の男だった。
金棒にぶら下げられた鈴生りのゴム束から一枚を毟り取って装着すると、尚史の肛穴目掛けて一物を突き立てる。
尚史は体を振って抵抗するが、最早、まな板の鯉である。男達の腕が四方八方から伸びて股ぐらのケージから、胸板から、好き放題まさぐられてしまう。
既に営業を終えて湯の抜かれた大浴槽の、その縁に腰掛けた優卯佳が「右乳首が弱点ですよ!」と野次を飛ばすと、ハゲ頭の小男が合点承知とばかりに尚史の胸にしゃぶりつくのである。 ついに始まった狂宴を余所に、優卯佳は隣に座る純子に「多分、アナルでイケると思うんだよねェ。ナオちゃん。」と打ち明ける。
不定期に繰り返された尚史の前立腺開発は、当初、乳首責めとセットだった。しかし尚史があまりに敏感だったために、乳首と肛穴の感覚が連動した頃から、優卯佳は敢えて肛穴以外は放置していたのだ。
尚史の右乳首が敏感なのは、毎晩の純子の手悪戯の賜物だった。現在進行形で日々、感度を増しているのである。
「でも、まだイカせてないの。初めては“本物”でイッた方が思い出になるでしょ?」と笑うのだ。
純子は目を見開いて、うんうん、と頷いてしまう。
公務員風の男が開口マスクの栓を突いて「こっちは生でいいですか?」と、金棒を押さえる寅和に問う。
寅和が向き直って「口は…生でいいんすか?」と純子と優卯佳に問うと、優卯佳が「いいんスかァ?奥様。」と茶化す。
伝言ゲームの終点たる純子に自然と男達の視線が集まっている。
「どうしよう…。」と呟く純子に「余裕でしょ。」と悪魔の囁きがあり、純子はつられて「はい…。」と答えてしまう。それを受けて男達から小さな感嘆が漏れるのだ。
マスクの栓が外されると、ぎゃぁ、とも、いやぁ、ともつかない悲鳴が上がり、直ぐに別の栓がされて声は遠く小さくなってしまう。
一物で尚史の口を塞いだ公務員風の男が、膝を使って上下動しながら「もっと叫んでみて!振動が気持ちいい!」と喜んでみせると声は完全に消えるのだった。
847:保と守 2014/10/05(日) 10:15:33.60 ID:Hp/cr4bd
女2人は尚史を眺めながら、当夜の種明かしトークに花を咲かせていた。
「薬まで使ったの?怖いよ、優卯佳。」と純子。
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと“先生”に頼んだから。」と優卯佳。
「優卯佳、戌上さんと仲良いね。」
などと言っていると、「おお。イクか?旦那さん。イキそうだろ?」と、尚史の尻に張り付く壮年の土方が煽る声が響く。
すかさず優卯佳がスマホ片手に駆け寄り、純子も手を引かれて間近で尚史を見守る。 女の細指で開発されていた肛穴は、一物に慣れるまで時間を要したが、痛みで意識が集中していたため、一旦、慣れると指よりも効いてしまう。
その上、乳首に吸い付くハゲ男の舌使いが、深部神経を経由して前立腺を直撃し、その感度を格段に上げさせ、
口を塞ぐ公僕のピストン運動が、尚史の呼吸間隔を一定に制御しているのである。
三要素が相俟って図らずも快感に向かい易い環境が整えられてしまっていたのだ。
「ちょっと、ナオちゃん。まだ5分も経ってないよ!早過ぎでしょ!」と優卯佳が囃し立てる声で、尚史は女達が間近で観察している事を察していた。
純子の視線を間近に感じて、屈辱感と背徳感が沸き上がり、一層、尚史の感度を上げてしまうのである。
尚史は腹筋や太股をビクビクと振動させ、明らかに鼻息を荒くしている。
射精寸前の陰茎の、その裏筋に走る快感に似た感覚が、尚史の腸壁の一点に溜まり続け、それが一つの塊となっていく。
いうなれば快感の塊である。
確かな快感を掴み始めた事で、26回の肛穴開発の中で募らせた、まだ見ぬ絶頂への期待と欲求が呼び起こされ、尚史は異常な行動をとってしまう。
見知らぬ男達に囲まれ、妻に見られながら、己の尊厳を蝕む男色家達に呼吸を合わせているのだ。
屈辱的な状況にもかかわらず、自ら意識を集中して逝こうとし始めたのである。
開発中に身に付けたノウハウを使い、快感の塊を更に巨大に高密度に成長させていく。
塊は収縮と拡張を繰り返しながら巨大化し、ついに経験上の絶対値を越えてしまう。
肉体的変調を知らせるように心臓が激しく拍動し、その音が高性能ヘッドフォンを介したかのように耳元で鳴り響くのだ。
そして、ある時点で、この快感は萎む事なく、確実な絶頂を齎す事を悟り、肉棒で塞がれた口で「イク、イク。」と息も絶え絶えに唱え始めるのである。
848:保と守 2014/10/05(日) 10:17:58.04 ID:Hp/cr4bd
未知の領域のはずが、尚史にそう確信させる程の強烈な快感が更に膨張し続けていた。 そしてついに臨界を迎えると、まずは快感か悪寒かも判別できない未知の感覚が、潜水艦のソナー音のように一息で全身に広がり、
警報のように鳴り響いていた心音と呼吸音を打ち消して、視界のコントラストを僅かに失わせる。
その異常を一瞬遅れて脳が認識した瞬間、爆心地では最大級に膨れ上がった最高密度の快感の塊が、
SF映画の大爆発シーンに見る衝撃波のように、強烈な威力と熱量で総身に押し寄せ、内臓から指先に至るまで征圧していくのだ。
尚史は、その圧倒的な快楽に耐えるかのように、呼吸を止め、全身の筋肉を強張らせ、それでも足りずに太く喉を鳴らした。
尚史のオーガズムを察した周囲の男達は「おぉ。」と静かに息を漏らすが「初めてアナルでイケました!」と優卯佳が注釈を加えると、歓声が上がり、拍手まで巻き起こった。
尚史を果てさせた壮年の土方は謎のガッツポーズを繰り出し、更にピッチを上げて腰をうねらせる。
尚史は中空の一点を見詰めながら、ケージによって捩曲げられた一物の先端から、粘性の高い透明な液体をトクトクと滴らせている。射精感を遥かに凌ぐ強烈な絶頂感の中を漂いながら、体中の筋肉を意識的に緩め、快感と肉体の反射に身を委ねているのだ。
そして、ほどなく、尚史に恐ろしい変化が表れる。
最初に気付いたのは尚史の口を一物で塞ぐ公僕だった。「おぉ。」と声を上げ「舐めてる、舐めてる。」と周囲に訴える。
開口マスク越しに押し込まれた一物に、尚史が自発的に舌を這わせ始めたのである。
尚史は断じて同性愛嗜好者ではない。忌避感の箍(タガ)が外れてしまったのだ。
本来の男性体は絶頂を過ぎれば性欲の抑制機能が働く。
俗にいう賢者タイムである。しかし射精を経ずに絶頂に至ると性欲は抑制されずに思考を支配し続けるのだ。
体内に留められた性欲が衝撃的な絶頂体験によって、煮詰められたように異常活性し、宿主を性的に倒錯させてしまったのである。 849:保と守 2014/10/05(日) 10:20:51.48 ID:Hp/cr4bd
「う…」と呻(ウメ)いて、体を止めた公僕にトドメを刺すかのように、尚史は亀頭の凹みをベロベロと舌で擦り上げる。そして体液の放出が始まれば、その放出口たる尿道口に舌を捩込むかのように、一層、激しくねぶり回すのだ。
その間もゴクリゴクリと躊躇なく、男の体液を体内に流しこんでいた。
萎み始めた一物が、口内から逃げ出すと、舌がマスクの外まで追い掛けてくる変態振りである。
それを見て男達が色めき立つ。開口マスクを外すよう提案する革新派と、イッた時に噛まれる危険がある、などと反対する慎重派が現れ、討論を始める始末だ。
2012 10/26 22:28 埼玉県 某銭湯
全身の拘束を解かれ、十数人の男色家の、その中心で躍動する尚史を見ながら「ナオちゃん、凄いね。ジュンジュン。」と優卯佳が話し掛ける。しかし純子は無言のまま、赤ら顔で尚史を熱心に見詰めている。
そこへ、若い痩せ男が歩み寄り「奥さん。そろそろ時間じゃないですか?」と何やら進言する。
「え…。」と固まる純子の横で「あぁ。」と優卯佳が、バッグに忍ばせていたアンクレットを取り出してみせる。
「それ、持ってたの?」と純子。「さっき見付けたんだよ。ジュンジュンにあげる。」と優卯佳が薄ら笑いを浮かべて純子にアンクレットを渡す。
優卯佳の言は当然、真実ではない。
ケージの鍵が合わないとなれば、スペアを持つ己の所に連絡が来るであろう事を想定し、
昼間の、尚史との密会の際にケージの南京錠を新しい物に付け替えていたのだ。秘密裏に錠の方が替えられていたのだから、いくら粘っても純子のアンクレットの鍵では解錠できないはずである。
つまり、昼の密会より前から尚史を罠に嵌める計画を始動していた事になる。
そんな説明がされるはずもなく。
「外してあげれば?痛そうだし。」と優卯佳。尚史の一物を拘束するケージを取り去るよう促しているのだ。
実は参加者へのメールの中で、優卯佳は22時30分に貸与品ならぬ、貸与夫の一物の拘束を解く事を予告していた。
参加者の多くは今や遅しと、その時を待っていたのである。 851:保と守 2014/10/05(日) 10:29:23.86 ID:Hp/cr4bd
>>823
一応24歳ぐらいを想定してます
「半」は半分ではなく半ばと読んでいただければ助かります
20代前半21〜23、半ば24〜26、後半27〜29として、後半は半ばの後ろを指している、と
なので尚史君は27歳、純子さんは4つ年下ではありますが、時によって3歳差にもなる23〜24歳の社会人2年目、と
最初の設定が甘くてご迷惑かけますw
>>850
泣きっ面に蜂は悪い事が重なるニュアンスですが、ソッドの法則は良い時に事故が起きる事も内包してるんですよ
「よりによってこんな時に」の範疇で起こる事故が最悪の事態を齎すといったニュアンスなので良い時の事故も悪い時の事故も該当します
ちなみにsod's lawのsodは人名ではなく「くそったれ」とか「この野郎」といった意味があるそうで、転じて「男色者」や「動物姦嗜好者」を意味する言葉でもあるそうです
スカトロとゲイとアニマルで迷いましたが、情報収集が簡単な所に落ち着きました
852:保と守 2014/10/05(日) 10:31:37.28 ID:Hp/cr4bd
アンクレットを受け取った純子が、正常位で肛穴を突かれる尚史のケージを外しに掛かると、場が一段と湧き上がる。そして一物があらわになると、男色家がそれぞれに囃し立てる声を上げるのだ。
名残惜しそうに、尚史の下腹を撫でる純子に「ジュンジュン。戻って下さァ〜い。」と優卯佳の苦言が飛ぶ。
先程の若い痩せ男が、純子を押し退け気味に尚史の一物に吸い付き、手と口を連動させて高速で搾り上げる。
既に、ギリギリまで感度が上がっていた陰茎を責められ、尚史はアッと言う間に果ててしまう。
しかし何事もなかったように一物を漲らせ、男色家達を相手に自ら尻と口の両方を振り乱している。
2012 10/26 23:20 埼玉県 某銭湯
2年強に渡って溜め込まれた揚げ句、当夜、異常活性した尚史の性的欲求は、2、3度精を吐き出した程度で収まる物ではなかった。
通常、果てたばかりの性器を刺激されると苦痛が勝ってしまうものだが、既に4連発で射精しても尚史の性欲は陰りを見せない。 帯状に連なった避妊具のパッケージを“手ぬぐい”のように首に巻いて、尚史に絡み付く男色家達に対して同等以上の熱量で渡り合っているのである。
繰り返しになるが、尚史は同性愛嗜好など微塵もない異性愛者である。それを踏まえれば事態の異常性が殊更に際立つ事だろう。
現場で男色家達を捌く寅和などは、尚史の乱れように甚だしく引いている。
浴槽の縁に腰掛けて見守る、新妻・純子は驚きと共に、己の中に、確かな嫉妬心が芽生えている事を自覚し、
その日まで、己と他者の性交渉を見守っていた尚史の心痛を慮ってさえいた。
それを察してか、横に座る優卯佳が「ジュンジュン、辛い?」と、純子を抱いて慰める。
罠に落ちたはずの尚史が、あらゆる意味で場の空気を支配していたのである。
しかし6発目の射精を迎えた頃、状況が変化し始める。
尚史は、ふいに腰を引き、「ちょっと待って…。」と、零すと、フラリと立ち上がって男達から距離を置こうとしたのだ。
すると、次々に男達の手が伸びて、汗と雄の体液に塗れてズルズルの尚史の腕を掴んで、人集(ヒトダカ)りの中心に引き戻されてしまう。
853:保と守 2014/10/05(日) 10:34:43.11 ID:Hp/cr4bd
半勃ちのまま7度目の精をドロリと垂れ流すと、尚史は「もう勘弁してくれ。」と、明確に白旗を挙げて降伏してしまう。
体中の欲求を使い果たし、今や完全に理性が思考を支配しているのである。
そして尚史は悍ましさに打ち奮えていた。
これは差別感情ではない。同性愛者も異性から性的接触を受ければ忌避する。その忌避感を性欲という熱にほだされて、受け入れてしまった己に対する悍ましさなのである。
自責と後悔に苛まれる事は誰にもある。だが理性が同居する本能を悍ましいと断ずるほどの事態は珍しい。
こうした体験は確実に精神を蝕み、終生、記憶に刻まれてしまう。性的倒錯者に破滅的な人間がまま見られる所以でもある。
尚史はそんな自分の行いを否定するように男色家達を強烈に拒否した。
しかし、どんなに拒絶しても男達に力ずくで捕らえられ、肛穴に肉塊が侵入し、小さく萎れた一物を乱暴に扱かれてしまう。
強烈に亀頭を刺激され、精液の代わりに尿道口から粘度0の透明な液体を噴出すると、尚史は悲鳴を上げ、男達は観声を上げるのだ。 優卯佳は間近で観賞すべく、純子を伴って人垣の一箇所を占拠していた。手を伸ばせば届く距離で悲鳴をあげて輪姦される尚史に熱い視線を送りながら、悪魔が「こうでなくちゃ。」と呟く。
異性愛者が同性に剛姦されるならば嫌々犯されるのがあるべき姿、という心の声が漏れ出たのだろう。
不意に女達に気付いた尚史が「助けて…。」と純子の足に手を伸ばすと、見兼ねた純子が「ちょっと待って下さい…。」と、一同を制する。
参加者の一人が、純子に「奥さん。やめるのか?」と確認するが、男達は一様に不満げである。
答えに窮した純子が、優卯佳に助けを求めると、なにやら耳打ちされてしまう。
更に優卯佳が「奥さんは、このまま続けて怪我人が出る事を心配してるんですよ。」と、代理で返答して、純子の背中を押すのだ。
純子は尚史の前にしゃがみ込み「尚ちゃん…。」と呼びかける。
そして喜悦とも悲哀ともつかない貌で「口開けて…。」と謎の要求をするのである。「もっと…。」「もっと…。」と促した後、優卯佳から手渡された開口マスクを不慣れな手つきで尚史に装着していく。
男達が一転、「なるほど。」「確かに危ないね。」などと納得する中、四つん這いで小刻みに首を震わせ、今にも泣き出しそうな尚史に「尚ちゃん。大丈夫だから…。」と純子が付け加える。
隣で見ていた優卯佳も「ナオちゃん頑張って。もうちょっとでゴムが終わるから。そしたら終わりだから。」と励ますが、その顔は嗜虐心を湛(タタ)えた、残酷な笑みを浮かべている。
男達の首には、到底使い切れないほどの避妊具の帯が巻かれているのだ。
そして優卯佳は「ここからが本番ですよォ。」と、男達に檄を飛ばす。
抵抗虚しく、尚史は改めてゴキブリのように拘束され、全身の動きを封じられてしまう。そして男色家達の欲求を受け止める“穴”として、エアマットに配置された。
女達は傍らで、延々と続く同性剛姦の狂宴を両極端な表情で見守った。しかし、腹の内では同様の欲求を満たしているのだ。
それを確かめ合うように着衣のまま体を絡めていた。 854:保と守 2014/10/05(日) 10:36:42.40 ID:Hp/cr4bd
2012 11/23 21:04 埼玉県 県道沿い
人通りの無い郊外の道の、その路肩に停められた車の中で尚史が虚ろな表情を浮かべている。
さながら、死地を見付けた猫のように力無くシートに凭れている。
運転席の寅和がバックミラー越しに目を光らせているが、既に下半身を裸に剥かれている尚史が車外に駆け出す事はなかった。
しばらくすると優卯佳が車に戻って後部座席の、尚史の隣に乗り込む。通り沿いの自販機で買い物を済ませたのだ。
「これで飲みなァ。」と清涼飲料水を差し出す。尚史の手に開けられている白い粉末を流し込めと言っているのだ。
優卯佳は初冬には不似合いの薄着で、粉末を飲み終えた尚史に、肩を組むように絡み付き「最初に勃たなくなるまで射精させてってメールしといたんだけど…。」と囁きながら、尚史の無防備な一物に膝や臑を擦り付ける。
更に、尚史のシャツをたくし上げて上半身の敏感部位を指先でなぞっていく。そして尚史の頭を引き寄せながら後ろに倒れ込み、己の乳房を舐めさせ、尚史の一物を手で扱き始める。
尚史はミルクを与えられた痩せ犬のように鼻先の乳首を舐め回し、優卯佳はその後頭部を撫でながら一物を扱き上げては「あん、あん。」と、よがってみせる。
さながら情事の冒頭の前戯である。
そして「お薬飲んでこれなら、大丈夫そうだね。」と、ダラリと萎垂れた一物を指で弾いて笑うのだ。
尚史が飲まされた粉は所謂、勃起薬だった。錠剤を擦り潰したもので即効性が極めて高い。それを飲まされ、淫行の真似事をしても尚史の一物は沈黙していた。
祝日の半日を費やし出発までに念入りに精を搾り取られた一物が、勃起薬の効果を打ち消すほど枯渇している事を、今し方、確認し終えたのである。
優卯佳はゆっくりと尚史の頭を撫でながら、一撫でごとに「今日はねェ、ナオちゃん。」「25人もいるんだって。」「みんな、たっぷり溜めてくるって。」などと、レトロなパーティーゲームのように、尚史の心に何本もの口舌の刃(ヤイバ)を突き立てていくのだった。
◆大根と女房と茄子 へ続く 854:保と守 2014/10/05(日) 10:36:42.40 ID:Hp/cr4bd
2012 11/23 21:04 埼玉県 県道沿い
人通りの無い郊外の道の、その路肩に停められた車の中で尚史が虚ろな表情を浮かべている。
さながら、死地を見付けた猫のように力無くシートに凭れている。
運転席の寅和がバックミラー越しに目を光らせているが、既に下半身を裸に剥かれている尚史が車外に駆け出す事はなかった。
しばらくすると優卯佳が車に戻って後部座席の、尚史の隣に乗り込む。通り沿いの自販機で買い物を済ませたのだ。
「これで飲みなァ。」と清涼飲料水を差し出す。尚史の手に開けられている白い粉末を流し込めと言っているのだ。
優卯佳は初冬には不似合いの薄着で、粉末を飲み終えた尚史に、肩を組むように絡み付き「最初に勃たなくなるまで射精させてってメールしといたんだけど…。」と囁きながら、尚史の無防備な一物に膝や臑を擦り付ける。
更に、尚史のシャツをたくし上げて上半身の敏感部位を指先でなぞっていく。そして尚史の頭を引き寄せながら後ろに倒れ込み、己の乳房を舐めさせ、尚史の一物を手で扱き始める。
尚史はミルクを与えられた痩せ犬のように鼻先の乳首を舐め回し、優卯佳はその後頭部を撫でながら一物を扱き上げては「あん、あん。」と、よがってみせる。
さながら情事の冒頭の前戯である。
そして「お薬飲んでこれなら、大丈夫そうだね。」と、ダラリと萎垂れた一物を指で弾いて笑うのだ。
尚史が飲まされた粉は所謂、勃起薬だった。錠剤を擦り潰したもので即効性が極めて高い。それを飲まされ、淫行の真似事をしても尚史の一物は沈黙していた。
祝日の半日を費やし出発までに念入りに精を搾り取られた一物が、勃起薬の効果を打ち消すほど枯渇している事を、今し方、確認し終えたのである。
優卯佳はゆっくりと尚史の頭を撫でながら、一撫でごとに「今日はねェ、ナオちゃん。」「25人もいるんだって。」「みんな、たっぷり溜めてくるって。」などと、レトロなパーティーゲームのように、尚史の心に何本もの口舌の刃(ヤイバ)を突き立てていくのだった。
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