(某私立高校の放課後。
まだ夏の陽気が残る残暑厳しい時刻、美術部顧問のれいこは受け持ちの美術室で部員の生徒達を相手に会話を交わしていた。
部員は殆どが女子たちで、男子は一人だけ。
色白で大人しくて真面目な性格だった。

夏休み中の出来事を語るも、あの沖縄での出来事、更には登校日に訪れた漁師との一件に関しては口を閉ざしていた。
あの事がばれなければという、不安ばかりが気持ちの中にあった。

部員の子たちが帰った放課後、れいこは帰り支度を整えていたが、人の気配を感じて振り返った。)

誰、そこにいるのは?
優くん・・・。