(レーナの悲鳴交じりの懇願と、拒絶するような腕にハッとなり)
(腰の動きを止めて息を吐く)

…ごめん、レーナ。
俺、お前が欲しくて…俺ばっかりで…どうすればいい?
どうしたらレーナは、俺の傍にいてくれるんだよ…!
わかんねえよ、俺、アレンみたいに頭良くないから、わかんねえんだよっ!

(十年以上、誰にも見せていない涙を一筋零しながら、レーナに縋るように、小さな肩へ顔を埋める)
(子供のように震えて、喘ぐような鳴き声を響かせ)

どうすりゃいいんだよ…
薬草だって、俺は取って来るだけでどう使えばいいのか分からない。
アレンなら分かるんだろ?そしたら、お前はアレンと結ばれるんじゃないかって・・
怖かったんだよ…

(そう言って、しばらくレーナの身体を抱きしめたまま泣いていた)
(しばらくすると、虚ろな目をしながら力のない笑顔を浮かべ)

ごめんなレーナ…俺が間違ってるんだよな。
俺、もう消えるから。お前とはもう会わない。街から出て別の国に行くよ…ごめんな。