>>376
「昨日何やってたんだよ。」蟹兄が、同居しているクラムボンに
声をかけた。クラムボンは、またかと思いつつ、小さくため息をついた。

この兄弟には悪いことをしていると思う。大事な父を取られ、
いなくなった母の変わりに乗り込んできた自分はさぞ疎ましいだろう。
現に、蟹兄は何かとつっかかってくる。

自分さえいなくなったら…。
元々三人の家に乗り込んだのは自分だ。

「今までごめん、出て行くよ。」
「!」
「それがお互い、いや、皆にとって一番いいことだね。」
クラムボンは諦めたように、さみしく笑った。
「違う!!そんなこと…!」
蟹兄は叫んだ。
「あんたはどうして、そんな顔するんだ!! ?そんな顔するくらいなら!」
俺が、という蟹兄の声が聞こえたと同時にクラムボンは押し倒され、
背中に痛みを感じた。

蟹兄が夢中で舌を絡ませてきた。クラムボンは小さく抵抗したが、力の差があり
あまり意味を成さなかった。