ちはやふるで801
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BELOVEにて連載中「ちはやふる」801萌えスレです。
マターリいきましょう。 なんだか奇妙なことになった。今頃はかるたを取っているはずだったのに。
自分の部屋で、二人の男が互いに手を伸ばし、下半身の中心をズボンの上から包んで擦り合っている。
なんでこんなことになったんだろう。
自分だけやられっぱなしなのは癪だったし、他の人がどんな反応するのか、ちょっと興味があるのも本音だった。
しかし、さっさと終わらせてすっきりした気持ちでかるたすればいいか、と思ってしまったのは今考えるとどうかと思う。
他人に触られるのは、確かに気持ちいい。というより、自分は単純ていうかあっさりしてたんやな…。
妙に客観的につらつら思いながら、新は村尾の動きを真似るようにぎこちなく手を動かしていた。
じわじわと集まってくる熱。
村尾に手のひら全体で押し付けられるように上下になぞられ、新は膝が崩れてしまい、今は二人とも膝立ちになっている。
「ぅぅ……、ん…」
最初こそ変な光景だと笑いさえこみ上げてきたが、今は声が漏れてしまうほど余裕が失われている事実に新は焦りを覚えていた。
「や、あっ…、あかん…!」
「あかんか?」
「せ、制服…っ、汚れ…る…」
先走り始めた感覚がした。
こんな時にまず制服の心配をする自分をおかしく思いつつも、もう降参しようと思った。
カチャリ…
金属音がしてベルトが外されていった。
「え!え…!?待っ…」
「汚したくないんやろ?」
混乱した様子の新をよそ目に村尾はあっという間に新の局部を露わにした。
もう半分以上勃ち上がりトロリと蜜が溢れようとしている自分を村尾の手が包んでいる。
信じられない光景に新は耳まで真っ赤に染め上げた。
それでもなお、村尾の掌は快感を煽り続ける。
「う……いや…だ、…はぁ…っ」
赤面した顔を村尾に見られたくない。興奮した自分が視界に入るのも嫌だ。
新は村尾の肩口に自分の顎を乗せるように寄りかかった。
体が密着し、村尾の耳元で発せられる新の鼻にかかった声。
新は昂ぶる自分に戸惑いながら、拙くも村尾を刺激し続ける。
「ん、あ…村尾さんのも、大きくなってきた……」
新は吐息を混じらせつぶやいた。
ささやかながら仕返しができたと思ったのか。
自分だけでなく村尾も反応を示していることにどこか満足そうなその声は、艶を帯びて、村尾の耳元で甘く響いた。
チッ、と村尾が舌を打った。
村尾は新の腕に添えていた手を離すと自分のベルトをせわしなく外し、自分のモノを新に直接触らせた。
「え…」新はどう反応していいか分からず、上体を起こして村尾に視線をやるだけだった。
「続けろよ、新」催促するように村尾は言った。
「お前ばっかり直でも恥ずかしいやろ?」
新は、そういう問題か?と疑問に思いつつも、確かにフェアな心持ちで、村尾の言葉に従った。
新は他人の猛りを直に触ったことなどない。
自分の手ににぎっている村尾のモノに、何やら複雑そうな表情を浮かべた。
「手ぇ…止めるなって、新」
「あ、はい…っ、んんっ」
「お前も別に小さくはないやろ」
「な!…何言って……うあっ」
村尾は新に与える刺激を増した。
上下に強く扱かれて、新は自分の思考が見破られた情けなさもすぐに忘れた。
「うっ…ん…っ」
快感が支配してきて、声を抑えるのも必死だが、新も半ば意地になって手を動かした。
「ぅあっ、やっ…やば…!」
限界が近づく。新は手を離し村尾の上半身に腕を突っ張った。
しかし村尾はそれを往なし、背中に片手を回して、抱きかかえるように新を畳に押し付けた。
「わっ…」
くるりとひっくり返された新は、目の前の景色が自分の部屋の天井に切り替わったと理解するのにしばし時間を要した。
村尾と、視線が交わった。その眼差しは、いつものそれとは少し違う気がする。
「あ、あの……ふ!…ぅっ」
反動でズレた眼鏡をかけ直そうとするが、村尾が再び動かし始めたので、快感に体が跳ねてうまく戻せない。
村尾は新の眼鏡をするりと外して端に置いた。
なんか、この体勢って……。
眼鏡を外されて視界がぼやける中で、覆いかぶさられ体の中心を捕らえられている。
新は少し怖くなって、目の前の男に手を伸ばした。
頬に両手が触れ、引き寄せると、見慣れた兄弟子の表情が見えた。
「は…っ、村尾…さん…っ」新は安堵の笑みを宿した。
ごくり、と村尾の喉が鳴った気がする。
村尾の右手がシャツのボタンにかかったが、ピタと止まって、すぐに左手に替えられた。
ボタンは慣れた手つきで素早く外され、シャツを捲るとすぐに色づいた突起が露わになる。
村尾は新を包んでいた手に自分も加えて、両手で一層強く扱き上げた。
「え…っ!?な…!」
新は質量のある硬い棒がピタリとくっついている感触に、何が起こったのか察して驚愕した。
「…やっ、だ、ダメ…っ!…あっ!」
「お前もうっ、おれのをかく余裕ないやろ」
「あっ、…あっ…」
新は何も言い返せなくなった。
村尾の激しい手の動きに合わせて押し寄せてくる快楽に、拒否する術を失ったのであった。
濡れそぼって反り立った二つの性器から、卑猥な水音がヌチャリ、ヌチャリと慌ただしく生じている。
――恥ずかしい。でも……どうしよう、すごく気持ちいい。
「はぁ…っ、あぁっ、村尾…さんっ、もう、イキそう…っ」
今にも達しそうな新はティッシュ箱を探して腕を彷徨わせる。しかし村尾は新を解放しようとしない。
「いいが、そのまま出せば…っ」
このまま…?
新は戸惑ったが一瞬だけだった。
どうでもいい。恥ずかしいけど気持ちいい。余裕がないのは村尾さんも同じみたいだ。
ああ、このまま身を委ねよう。もう何も考えられない―――
「ああっ、あぁ……っ!」
びくんびくんと震えて、自分の腹から胸のあたりに温かく濡れる感覚が散らばった。
飛散し終わると、村尾が徐ろに立ち上がり新から離れ、ティッシュを掴み出した。
「……ッ」
村尾は新に背を向けて達した。
あ、ずるい…。
新は何故かそう思ったがその意識さえどこか遠くに感じられた。
二人だけの空間は、しばらく荒い息遣いだけが聞こえていた。
村尾が後始末を終えて振り向くと、新は未だ胸を上下させて横たわっていた。
「新…起きれるか?」
「あ…ティッシュを…」
「あ、ああ…」
新は気だるそうな声で要求してティッシュ箱を受け取ると、肌の上の精液が滴らないよう、横になったまま自分の体を拭いた。
ひと通り拭き終えて、眼鏡を探し当て、上体を起こして服を簡単に整えた。
「あ…飲むか?」
言葉を発しないで息が整うのを待っていると、村尾がペットボトルを差し出した。
どこかおずおずとした様子に思えたが、ぼーっとした頭ではそれ以上気にならなかった。
「…ありがとうございます」
受け取ったスポーツドリンクはまだぬるくはなっていない。
新はひとくち、口に含んだ。
「ふぅ……」
村尾はその様子をじっと伺っていた。
ああ、そうか……。新はくるりと村尾の方を向いて口を開いた。
「…村尾さん」
「お、おう。なんや新」
「あの…、風呂に…」
「風呂か。あ、沸かす?」
「あ、その…風呂入りたいし、ちょっと体だるいでぇ…、今日はかるた無理かも…」
一瞬、沈黙が広がった。
「実戦やる体勢すぐには整わなそうやから…。せっかく来てもらったのに……すいません」
新は申し訳なさで下を向いて、言葉を続けた。
横で、村尾が吹き出すのを我慢しているような気配を感じた。
「じゃあ、もう帰るでの」
洗面所から浴室の新に声をかけると、「すいません、また練習日に」と返ってきた。
声はまだどことなくぼんやりとした印象を受けたが、村尾はその返事に安堵した。
新の家をあとにした村尾は、どうにか自分を落ち着けようとしていたが、無理だった。
ほんの、冗談のつもりだった。
身長もかるたも育ち盛りのくせに相変わらずうぶな弟弟子を、ちょっとからかってやろうとしただけだ。
なのに―――自分はいつの間にか、新に扇情されていたのだ。
「あいつ…、エロ……っ」
村尾は新の嬌態を思い出し、顔が熱くなった。
新を押し倒してしまったのは、理性で自分を抑えられなかったからだ。
あきらかに、やりすぎた。男のモノを同時に扱いてやるなんて、やったこともないことができた自分に驚いた。
快感にあえぐ新をもっと見たくて。同時に自分も気持ちよくなりたくて。
「おれは弟弟子に何を欲情してるんや……」
そこまで思考を巡らせて、村尾は自分に呆れて頭を抱えた。
しかし、あのとき訪れた衝動が理解できないわけではなかった。
潤んだ瞳に腫れた目尻。色素の薄い皮膚が、湯上りのように蒸気した頬。
薄皮の唇は赤く熟れてわなないて、熱い吐息が漏れるたび、畳に触れた黒髪がぱらりと揺れる。
ろくに見えていないであろう視界の中で、まるではぐれてしまうのを恐れているかのように、自分をつかまえて、笑った。
もっと啼かせてみたい。自分の欲望で新を白く汚してみたい。いや、いっそ―――
挿れたい……。
そう思ってしまった自分を否定できない。
新は、どう思っただろうか。
単なるふざけ合いの域を超えてしまったと自覚していたから、兄弟弟子の関係が崩れるのを恐れた。
しかしそれは大丈夫そうだ。あの様子だと、次会ったときも普段と変わらぬ態度で接してくれるだろう。
まったく、あいつのかるた馬鹿にはまた助けられた。
むらああああああああああらああああああああああああああああああ 新にエロスを感じるのは作者さんも狙って描いてるよねあれは
新刊表紙は唇をポイントに描いていたようだし
村尾さんと新の関係性おいしすぎる
同志でありライバルであり兄弟のようでもあり…
村尾さんは上に立っているようでいて実は新に引っ張られてるのに気づいていて
でも新は村尾さんと一緒に名人目指したいんだよな
むらあら本が冬コミでは出ますように むらあらSSやるのはいいが、貼るのはここだけにしてくれませんかね?
普通の板で2ヵ所ぐらいで見たぞ。 >>63
上のSS書いた者だけど、ここにしか書いてないよ
他所で見かけたって、コピペされてるってこと? ちはやふるの原作・アニメ関連スレは、ずっと前から有名な粘着がいて
801系のみならずpinkからいろいろコピペして嫌がらせをしてる
住人はみんな犯人そいつだってわかってるので
嫌だとは思うけど、あまり気にしすぎないでほしい
けど、SSはもっと粘着が探し当てづらいとこのほうがいいかも ここ以外に801の書き込みは控えてほしい
なんか真性っぽいのが荒らしに便乗してるし(荒らしの自演かもしれないけど)
とにかくここ見てるなら場所弁えて空気読んでくれ >>69
須藤さんは二人のとき那由太って呼んでそう
んでセックスの時はいじわるもするんだけどドSどころかすっごいやさしいと萌える 「新、お前福井まで叔父さんに送ってもらうんか?」
「あ、村尾さん。いえ、叔父さんはこっちに住んでるで…。福井へは電車で帰ります。」
「何や、ほんなら俺の車に乗って帰ったらええ。」
「ええんですか?ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて…。」
車中
「……あれ?村尾さん…何でこっちの道入るんですか?」
「……ちょっとな……休憩や…………。」 新のようなねちっこい男には村尾さんのような健気な男がよく似合う
夜のセックスの相性もバッチリだと思う 村尾さんは分かってしまった、今、本当に愛しているのはここにいる新だけなのだと。
女を好きなフリをして、新への思いを閉ざしてしまっていたのだ。
新は黙る俺を静かに見つめていた。
不意に小首を傾げると、俺を覗きこむような仕草をする。
そんな新が愛しくて堪らなかった。
恋とは知らないうちに落ちているものなのだと痛いくらい思い知らされた。 ちはやの801ってやっぱりほとんどないの?
少女漫画の801自体が少ないのかもしれないけどその辺よく分からない
ここにSS投下されるの楽しみにしてるけど
こんなに茶化されるんならSSどころか話も盛り上がらないね
これだけじゃなんだからネタ振りするが
18巻で北央の城山くんの下の名前が明かされていて何かたぎるものがあった
浩希と書いてこうきだってカワイイ
那由太に呼ばせたい ないねー
むらあらとかすどかすとか美味しいのに
SSはもっと増えてほしいところ 読手の時のドSが受けに見えて仕方ない
しかし攻めがいないという現実
ちはやがちはおだったなら…! 読手ドSさんは予定より遅れて会場入りしたんだよね?
大学生らしく午前中寝てたとかだったら萌えますな
眠そうなドSさんは受けに見える 村尾さんが新の10コ上(9コ上?)だと分かって改めてむらあらに萌えたい 新の「村尾さんが負けるわけ無い」とか滾った
むらあらはお互いに認め合ってていい関係すぎる 今回は紛うことなきむらあら回でした本当にありがとうございました
新の村尾さんへの行動が可愛すぎる
・飲み物渡す甲斐甲斐しい新
・攻め気だ村尾さん
・村尾さんが負けるわけない
村尾さんから新へは
・あと二つ勝って決勝で会おっさ
なんという信頼関係
二人は繋がっている(性的な意味で) 村尾さんの攻めは愚直でひたむき…
むら→あらのむらあらに想いが滾る 北央萌え
みんなかわいい
なんかS藤が受け臭くなったように見えた
後輩達には鬼畜攻めだけど 「――待て」
反省の終わりにも律儀に挨拶をした新が、顔をあげて向けた瞳をみた瞬間に俺がそう言ったのは、次に新が何を言おうとしたのかがわかったからだ。
「その前に休憩だ、新」
その言葉に一拍間をおいてから、”うん”という声が聞こえるかのように頷いた新の頬が赤いのは、もう一試合俺が相手をしてくれるということがわかったからだろう。
『離れたら名人目指せなくなります』
ふいに冬の日に、鼻を赤くしながらそう言った新のことを思い出す。
名人に挑戦し、絶対的に追いつくことはないと思える世界を体感して、
そうしてかるたを離れる選択肢しかとれなかった俺がまさかまたこうして足掻くようにかるたを続けることになるなんて――。
「・・・かるたバカかぁ」
呟きながら、天井を仰いで息を吐くように背を伸ばす。たばこが吸いたいとぼんやり思った。
缶コーヒーを飲みつつ、たばこを吸うと少し意識が落ち着いた。新もその横に座ってぼんやりしている。
集中してやる試合形式の練習は、2試合でも無口になってしまう。ともすればその隙間を埋めてまた考えてしまうかるた思考をいかに切り替えるかと考えたとき、
ふと新に聞こうと思っていたことを思い出し、たわむれに聞いてみることにした。
「そういえば東京の、・・・そう、瑞沢のメンバーって知り合いなのか」
「え?」
高校選手権でみたあの二名の感じがいい少女たちの戦う姿が浮かんだ。思わず審判についてしまうスピード感。
やるなぁと思っていたうちのひとりと新が会話していたのを思い出したのだ。 「しゃべってたやろ。瑞沢の・・・なんやっけ」
かるたのスタイルは思い出すのに、名前がでてこないのがもどかしい。
「とにかく感じがいい子で、べっぴんさんの・・・」
そこまで聞いて、新は「ああ、」という顔をした。だから伝わったと解釈し、続けた。
「仲良そうやったの。あの子、新のガールフレンドやの?」
「え?・・・あっ、やっ、・・・違いますぅ。千早はそんな」
意味を理解するのに間が必要だったのか、少し考えてから何かに気づいたように顔を真っ赤にした新は、そう言ってぶんぶんと首を振った。
その仕草が妙に幼くて、ついもっとからかいたくなるのは仕方ないと言いたい。
名人の試合をみても動じない新が、ペースを崩した年相応の反応をみせるのは安心するし、正直懐かしさすら覚える。
「へー、千早ねぇ。・・・呼び捨てなんやな」
最後だけボソッとつけ加えると、新はますます赤くなった。
「あ、揚げ足をとらんでください。千早は東京での同級生やし、」
顔が少しむくれているのは、本気ではなく、こちらがからかっていることに気がついたからだろう。
ただそのむくれた顔は、子どものときの新の面影そのままだった。
「あんな小さい頃から知ってる若宮クィーンすらちゃんづけなのにのぉ・・・」
からかうように言葉を重ねれば、「ゆ、由宇やて呼び捨てにしてます」とムキになって新はいった。 「由宇ちゃん呼ぶときは頬染めてないがの〜、新も角におけんの」
そのまま座っていた新の頭を上からくしゃくしゃ撫でると、苦虫を噛み潰したような顔で新はそっぽをむいた。
俺は笑いをかみ殺す。新をこういうネタでからかうのはいつ以来だろうと思って、その離れていた時間を考えた。
新と俺が離れていた時間、それはほとんど俺達が名人という夢を追いかけることを辞めていた期間に等しい。
それは短いようでもあるし、長かったようにも思う。
俺はタバコの煙を空にはき、そのゆっくりと消えてゆく姿を見つめた。時間をおけば、距離をおけば、こんなふうに消えてゆくとずっと思っていたのに。
けれど、やはりみてしまった名人戦で、武村さんの追いつめられる姿をみて、
苦しかった思い出よりもあの場所に独りきりの名人をみて、痛烈に思ったことは情けなさと悔しさだったなんて――。
『あの場所にひとりにしているのは俺らの方だ』
そう思ってしまうなんて――。
『名人を目指すとかしかない思考が怖い』
あの日言った言葉は嘘じゃないが、本当はそう自分を納得させようとしていたんだと今は思う。
だってもう、俺は知ってしまっていたから。
――自分の中にある情熱を。
あの場所を目指すための日々の中で、挫折感や苦しみに迷いながらも、それでもあの場所を目指せるということの幸せを感じていた自分を。
あの日々を知ってしまったら、全てを忘れることなんて、手放すことなんてできなかった。 (ばかやのぉ・・・)
名人が何を考えてあの場所にいるかは俺にはわからない。けれど、師匠も弟弟子もいる自分には、あの場所は自分独りの場所じゃなかった。
少なくとも俺のかるたは、独りきりでは強くなれなかった。想いを背負っていた。
かるたで自分が繋がった全ての人の。
誰かからの期待はプレッシャーでもある。けど、それを受けて立てる人間になれていた幸せは確かに自分の中にあったから。
『後悔してるんです』
新があの日いった言葉がいまさら染みるなんて。
煙草の煙を吐きながら、空を見上げるとひとつの星が目に入った。手を伸ばして、それを掴むように素振りをしてみた。例えばそれが今の自分にはつかめなくても。
自分以上の情熱を持つ人間と目指す場所と想いを重ねて、同じ景色をみることならできるかもしれない。
「・・・ま、俺はまだまだやけどな」
(誰かに託すのも、・・・諦めるのも、全部)
俺はそう呟いて、煙草を消した。
村尾さんが言った。
「なんか買い出しいくかの」
そこまで聞いて、自分が食べ物を持ってきていたことを思い出した。
「村尾さん」
「ん?」
「いりますか?」
ラップにくるんだおにぎりを差し出すと、「ああ、ありがとな」と村尾さんはそれを受け取って食べ始めた。
こちらも手にしたおにぎりをひとくちかじり、空を見上げた。
『あの子、新のガールフレンドやの?』
ふいに村尾さんの言葉がまたぶり返して、喉におにぎりがつかえた。少し咳をして、冷静になろうとしたけれど、頬が熱くてさめない自分の変化に気がつく。 村尾さんが一緒に残ったああああああああ
新と2人で泊まっていけばいいのに 栗山先生もいるから帰りも2人きりにはなれそうにないな きっと栗山会長と村尾さんが運転交代しながら帰るんだよ
で、村尾さんが運転中栗山会長は寝てる
新は起きてて自然に今日の反省会になる
お互い負けたけど次は絶対に勝ち上がりましょう
西日本予選の決勝はおれらでやろうな
名人に挑戦するのはおれやいいやおれです
と、いつの間にか言い合いになって、その意地の張り合いに二人とも同じタイミングで笑う
信頼と絆を確かめ合う二人であった ほんとは一度告げたことがある。まるで冗談みたいに、須藤さんがすきだなぁ、そんな風に。
そしたら珍しくぽかんと虚をつかれた顔をして、でもすぐ何時ものように見下して、不敵に、笑って言った。
なんて途方もない、その言葉が悲しくて一人で泣いた。あれは一年生の冬。
みんなが大将にしてくれた夏の大会は3位という結果に終わり須藤さんの怒声を耳に背を追いかけて走る。
悔しくてたまらない思いを声に変えて、走る。
東京での試合だって結果は勝ったけど敗北とよく似ていて全国で一位になれよ、って言葉も守れなくて、それをみんなが悔やんでるってしゃくりをあげたような声から伝わってきた。おまけに個人戦だってベストエイト止まり。
だめだなぁ、大将は俺だったんだから、先輩たちが見せてくれたような「一番強い北央」って憧れも夢も、俺が見せてあげなきゃいけなかったのに。
デコピンなんかよりもっと
痛い思いをしたっていい。
「休憩!」
鬼の須藤さんの気まぐれの優しさだ。
はぁはぁする息を無理にとめたら苦しくて涙が出た。同じようにちらほらないてるやつ発見。
「甘糟」
「はい」
それをぬぐって膝に手を当てた中腰から向き直る。須藤さんも汗がすごい、自分ほど息が上がっていないのは俺より誠実に、かるたのためにつくりあげられた体力のためかもしれない。
また意地悪なこと言われるんだろうか。すどうのSはサドのエスだって中学の頃からみてる、しってる。 「お前なぁ勝つと思えよ最初から」
悪い癖なんだとこの夏を通して自覚した。相手が強いと負けて当然と、ほんの少し考えてしまう。
俺の周りには強い人が多くて、一生懸命なんてしんどい、面倒くさい、本気を出して負けたら悔しい、
なんて言葉をこの人に言えるわけもないけど。だって須藤さんはわからないと思う。名の通った相手にあたってあちゃーってなっちゃう気持ちとか。
でもそんな言い訳より先に転がり出てきたのは簡潔な一言で、ずっと言いたかったこと。
すどうさん、すどうさん、ごめんなさい。
一生懸命やったけど、だめだった。
本気を出したけど、勝てなかった。勝敗のことじゃないもっと純粋な強さのこと。
それは真剣から逃げてきた俺のカルタのせいだ。
「ごめ、なさ」
北央って書かれたもう着慣れてしまった真っ赤なTシャツの、
痛む胸のとこ握ったら水滴がぼたりと地面に落ちた。一杯走ったから、汗、が。
だって俺ね、知ってるんです。みんなが大将にしてくれたの「みんな」の中に須藤さんもいること。
去年の大将が、…俺達のキャプテンだった人が、須藤先輩が、
次にって俺を指名してくれたこと、託してくれたこと、知ってるんです。
報いたかった、後輩にも継いであげたかった。
須藤さんは俺の様子なんてお構いなしに少し遠くを見ながら口を開く。 「…綾瀬千早は強い、名人もクイーンも強い、んで俺も強い」
「けど北央の大将は強いって決まってんだよ、甘糟。」
おまえも。の言葉と一緒に手のひらが頭にふる、ちいさくはたかれる。その指には畳につけられた俺にもお揃いの、
カルタをやるやつの証拠みたいなタコがあって、その手のひらは囲い込みが上手で、
自陣に入ってこられるとすごく怖いのに、今は優しい。
「もっと強くなれ」
「…は」
「「はい!」」
いっしょくたになった返答に周りをみるといつから聞いてたのかチームメイトが集まっていた。全員目が赤い。特にスタメンなんかはもうこぼれそうになってる。
「っし、まだ走るぞ!」
声が響く、背を追う、でもいつか。
「須藤さん、あまり待たせませんから」
「はー?そうは言っても俺お前より強いから」
振り返って答えた表情はゆるく微笑んでいたような、気がしたのが、錯覚じゃないといい。
「北央ー!」
「ファイっ!」
大声をあげたら一粒だけ零れた。
これは最後にする後悔、あとはもう、次の試合しか考えない。 須藤さん卒業したから甘糟との絡みがなくなったなぁ(´・ω・`) 作者をしてもう結婚したらいいよと言わしめた肉こま
って筑波との差別化を意識して略したら肉のこま切れみたいになった クソ!肉こまに吹いたw
新がドンドン福井弁上手になっちゃってスゲーと感動してる
けどおかげでやおいは(地元民だけに)恥かしくて悶えるw 新といえば商事と正木もなかなかの熱々っぷりだよな
福井の子たち三人で仲良くくんずほぐれつしたらええやん ペコのメンクイっぷりもなかなかだった
女限定かと思ったら太一に目つけてるしw 本誌読んだけど今回むらあらやばくないか?
村尾さんは名人への挑戦も大事だけど新のことを気にかけずにはいられなかった
新の懇願でかるたに戻って来れた村尾さんが今度は新を窮地から救う
この信頼関係やばい
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