あるネトゲでのお話、長文ですがお付き合い下さい
美少女アバターを纏い、戦闘でもチャットでも常に一生懸命で前向きな姿が魅力的なキャラクターA子を操っていたのは、実は男性のAさんでした
普段はくたびれた感じでぱっとしないリーマンのAさんですが、そのネトゲの中では男女問わず人気者
A子の外見が可愛いからというだけではなく、チャットからにじみ出るA子自身の人柄の良さに惹かれるプレイヤーは後を経たないのです
中でも一番付き合いの長いB男とは、しょっちゅう一緒に組んで冒険していました。互いに互いを助け合い、戦闘でもチャットの掛け合いでも息ぴったりの二人
たまに二人きりでチャットする事もありました。A子とB男、ゲームの中では男女の二人ですから、B男が甘い言葉を囁けば、A子としてそれに応えたりもします
B男がA子に惚れているであろう事は、Aさんにもよく伝わってきました。ストレートな好意はまんざらでもなく、
いつしかAさん自身もB男に惹かれている事をぼんやりと自覚し始めします。おかしい、相手は恐らく男なのに…
そんな少しの違和感を抱えつつも、A子として楽しい時間を過ごしていたAさんでしたが、ある日ふとしたきっかけで近所に住んでいる事が分かったB男が、
どうしても実際に会って話してみたいとA子に持ち掛けます
A子は困りました、ネカマだと知ったらB男はきっと幻滅するだろう、と。やんわりと断りますが、B男は引きません
「俺はA子の中身に惚れているから、実際のA子がどんな人間でも俺は絶対に嫌いになったりしない!絶対に!」
そう断言し、「○月○日の○時に○○駅で待ってる。会ってくれなくてもいい、来なかった時は諦めるから」と一方的に約束を取り付けてしまいました
困り果てたAさん。しかし元来の人の良さと少しの好奇心から、とりあえず待ち合わせ場所に行ってみる事に

長いので分けます