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モララーのビデオ棚in801板70 [転載禁止]©bbspink.com
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0001風と木の名無しさん2015/03/21(土) 00:47:57.89ID:XIDHVl0F0
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  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

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   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
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前スレ
モララーのビデオ棚in801板69
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/801/1356178299/

ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり

保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
0010風と木の名無しさん2015/03/21(土) 00:58:08.21ID:XIDHVl0F0
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
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0013風と木の名無しさん2015/03/29(日) 15:40:49.54ID:ps528rx30
保管庫荒らされてるなあ
管理人さん大丈夫ですか?
0014風と木の名無しさん2015/04/02(木) 22:58:46.92ID:/519b1tv0
質問スレから誘導されてきました。これから投稿します。

ジャンル:オリジナル Hシーン:有り グロシーン:無し
攻めと受けの名前は思いつかなかったのでそのまま「攻」「受」で。以上を了承された方はどうぞ。

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        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < ワイワイ
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       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
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0015因果応┌(┌^o^)┐ 1/62015/04/02(木) 23:01:46.51ID:/519b1tv0
「よっし、セックスしよう!」
「やだ」

「えっ」
受の予想外の返答に俺は思わずそう言ってしまった。
「そりゃないって、おい。お泊りして風呂入って一緒のベッド入って前もってローションやゴムまで買い足してさあやるぞって日に、そりゃないって!」
「とは言ってもさぁ……」
受はゴロリと寝返りをうって、俺から背を向けてしまった。
「なーんか、する気にならないっていうか」
こいつ、就寝モードに入りかけてやがる。
「我儘すぎんだろ……」
「あ、でも」
その時受は急に寝返りをうって、俺に顔面を大接近させた。
「俺のこと、その気にさせたらやってもいいよ。でもできるのか?」
受はそう言ってからかうような笑みで笑い、また寝返りをうった。
(あ、なーるほど)
これは拒否じゃない、新手の挑戦だな。俺はそう解釈した。挑戦なら喜んで受けてやろうじゃないか。
「そんじゃ、その気にさせてやるか」
「どーぞ、ご自由に。俺は寝る」
余裕そうな声に加虐心がそそられる。
受の肩を掴んでこちらを向かせた。微かに端の上がっている唇に、キスをする。ちゅうっ、と軽く吸い付いた。
(こっちは、どーかな)
ゴソゴソと手探りで受のズボンを探り、手を突っ込んだ。陰毛の感触を超えると、まだ勃っていない受のそれに手が触れた。
(勃っては……いないか)
勃ってたら面白かったのに。まあ別にいっか。いまから勃たせる。受のそれを掴み、掴んだ手を上下に動かす。受は無反応だ。
(んー、じゃあこれで)
握る力を強めながら、カリ首の辺りに指を絡めた。受のそれが、少し硬くなるのを感じる。この調子だと調子に乗った俺は、人差し指で亀頭の先端をなぞった。
「ん……」
受の内から微かに声が漏れた。それも増々硬くなっていく。よしよし、感じてる感じてる。
「寝るんじゃなかったのか?」
「……うるさい」
受はそのままだんまりに入ってしまった。
0016因果応┌(┌^o^)┐ 2/62015/04/02(木) 23:03:14.13ID:/519b1tv0
そんな事を思いつつも、それを弄る手は緩めない。尿道口を軽く指でくりくりしたりぐりっと先端を圧迫してみたり、ちょっと乱暴に竿全体を手を使って上下に激しくしごいたりもする。
「っ……、うっ……」
受は俺の前で声を漏らさないようにと、必死だ。でも感じてるってバレバレだ。当人はまだ黙っているつもりなんだろう。やがて受のそれから、先走りが零れてきた。
「その気になった?」
「…全然?」
「あっそ」
俺は受のそれから手を離す。先走りのついたその手を、今度は受の尻穴の方に持っていった。
「……!」
受の身体が一瞬びくついたが、構わず尻穴に指を宛てがった。指先でくすぐるように、受の尻穴を撫でる。
中に入れようとするが、流石にローション無しだと中々入っていかない。先走りをローション代わりにするのは量的にもかなり厳しい。
「よっこらせ、っと」
ベッドから少し身を起こして、サイドテーブルに置いたローションを取った。受のお気に入りのタイプのローションだ。高かった。
一旦ズボンから抜いた手にローションをたっぷりと垂らす。垂らした側とは反対の手で、受のズボンをずりおろした。
ローションを塗りつけてやるように手を動かすと、大分受の尻がぬるついてくる。勿論、尻穴もだ。
ぐりぐりと穴をほじるようにしながらローションを塗ると、指はローションを腸壁になすりつけながら奥へ奥へと入っていく。
「……っ!」
受が身をよじらせた。
「あんま動くなって、入んねーから」
突っ込んだ指1本を中で穴を拡張するように回し、ぬるぬるになった穴にもう1本指を滑りこませた。中で指をかきまわすと、腸壁がきつく締め付けてくる。
「は……あ……あっ……」
(やっべぇ、超可愛い)
俺の息子が触ってもいないのに完全勃起する程度には可愛い。強情なところがなんかもう可愛い。
指を奥へ進めていくと、前立腺とおぼしき部分を指がかすった。
「ぁ!」
受がまことしやかにイイ声を上げるのでもっともっと責め立てようとするが、この体勢だと指のリーチが微妙に足りず、どうにも奥まで入らない。どう頑張っても前立腺はかすめるだけで終わってしまう。
「ぅ……っ、……うぅぅ…」
(受にとっちゃ、生殺しもいいとこだろーなー)
0017因果応┌(┌^o^)┐ 3/62015/04/02(木) 23:03:57.04ID:/519b1tv0
そんじゃ代わりにこっちも楽しませてやろうと、俺は受のシャツをずり上げた。左手で受の尻を弄りつつ、右手は受の乳首に持っていく。触る前からもう、受の乳首は硬くなっていて、触るとぷるんってなった。
(完っ全に、発情してる)
ここまで興奮してんなら素直になればいいのに、と受の乳首を指でころころと弄りながら尻穴も同時に責め立てる。
(前も弄ってやりたいけど)
残念ながら俺の腕は3本もない。
「っ……うぅぅうっ……うあっ……!」
(そろそろ、イキそうかな?)
でも前弄り無しじゃ、さすがの受でもイくのは厳しいだろう。
弄ってやろうかな、と思った時、俺はふと「仕返し」を思いついた。
「あ、あのさ…攻、俺「やっぱもーいいや」…は?」
俺がもういいやと言った瞬間と、受が意地の限界に達してねだってきた瞬間は、奇跡的に同時だった。
「お前、する気ないんだろ?だったらもーいいや」
「えっ…、何言って…」
「する気のない奴にアレコレしたってかわいそーじゃん。寝るの邪魔して悪かったな、おやすみー」
俺は受に背を向けた。無論、受が我慢の限界に達しているのを分かった上で俺は一連のセリフを言った。今頃背後で受がどんな顔をしてるのかと思うと、正直ゲスな笑いがこみ上げてくる。
(でも受、発端はお前だからな?)
お前がしょーもないことしだすからこーなったんだ。因果応報って言葉を憶えとけ。
(で、どう出る?)
まさかあそこまで興奮した受が本当に寝るとは思えない。俺も興奮して眠れない。はやく続きしたい。
「……あのさ、攻」
受が俺のシャツの袖をくいくいと引っ張ってきた。
「何?俺寝るんだけど」
「ふ、ざけるな……絶対、わざとやってるだろ……!」
「何が?」
「ごめん……俺が悪かったから……!」
「だから何が?」
「その気になったから、だから続き…もう我慢の限界だから、なぁ……!」
受がいきり立ったそれを、俺の腰の辺りに擦りつけてきた。
「……受?」
俺は受をベッドに押し倒した、
(あ、やばい)
俺ももう我慢の限界。もう少し受のことじらすつもりだったけど、もう限界。受の声がエロすぎて我慢できない。
0018因果応┌(┌^o^)┐ 4/62015/04/02(木) 23:04:42.70ID:/519b1tv0
「いい?受」
受は、真っ赤な顔でこくり、と頷いた。
「よし、そんじゃうつ伏せになれ」
俺の下で、受は大人しく体位を変えた。受の尻の辺りを指で探る。穴の辺りはローションでぐちゃぐちゃになっていて、指を少し挿れると軽く穴が開いたあと、きゅうー、っと締まった。
俺のガッチガチになったそれを、受の尻に軽く触れさせる。それだけでも受が興奮してんのがわかった。
ゴムつけて狙いも定めて、受の尻にそれを入れていく。
「あ……ぁ……あぁっ……!」
亀頭が先に入ってカリで中を押し広げられ、竿に入ると少し穴が収縮し、それが余計に受を喘がせた。
「エロい……」
「うるさいっ……!攻、ちょっと勃たせすぎ……!」
仕方ないだろ、お前で興奮しちゃったんだから。待たされた分、今日はがっつり激しめに行くぞ。
受の尻穴を押し広げながら俺のそれを挿しこんでいく。
「あっ……そこ、いいっ……!」
ようやく受の前立腺に届いたようだ。
「気持ちいい?受」
受は無言で、こくこくと頷いた。(わざとじゃないが)かすめて散々焦らした分、快楽も格別のはずだ。
「はーっ、はぁーっ……」
受は深呼吸をして、俺のそれを自分の体内に馴染ませようとした。息を吸って吐く、それを繰り返す度に、受の肩が小刻みに震え、腸壁も呼吸に合わせて収縮した。
「そいっ」
「!!!!」
ほんの軽い冗談のつもりで、深呼吸の真っ最中の受の中で、少しだけ動いた。そうしたら、肩を大きく震わせて少しの間固まってしまった。
「今動くなっ!少し、待て……!」
「あ、ごめん」
思った以上のリアクションをされた上に、お預けを喰らってしまった。
(すっげぇきゅうきゅう締め付けてくる)
これでお預けとかマジで鬼畜だと思うんだけど。正直今すぐにでも動きたい。
「受、まーだー?」
「辛抱の無い奴だな、本当に!」
「悪い?まあ愛嬌ってことで」
「……勝手にしろっ!」
俺のそれの残りの部分を、受にねじ込むように挿しこんだ。
「んんんんんっ、う……」
「声我慢とか無しだって」
「だ、って……あっ…」
ほら、もう声漏れた。どうせ我慢したって最後はあんあん喘いでんだから。
0019因果応┌(┌^o^)┐ 5/62015/04/02(木) 23:05:21.52ID:/519b1tv0
「それに、俺、受の喘ぎ声、結構好きだけどなー」
「……攻……」
受は耳まで真っ赤にしてしまった。暗がりでよく見えないのが実に残念だ。
「受、本っ当、お前、好きだっ!」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、と、受の腰を乱暴に俺は突きだした。
「あ、んんあっ、攻、ちょっと、激しすぎるって、」
「仕方ない、だろっ!こっちも、我慢の、限界っ!」
受の中に一際深く突き刺すと、受は隣に響くんじゃないかと心配になる嬌声を上げて震えた。
「で、こっちは……」
そっと手を這わせて受のそれに手探りで触れると、反り返ってガチガチになっていた。
「うわ、玉も超ずっしり」
「揉、むな……!」
精液を大量に精製して後は出すだけといったパンパンに膨れ上がった玉を、掌の中で弄んだ。
「揉むな、って、おかしくなる……!」
「え、今更?」
「ぅるっさい!だまれ!」
とうとう呂律まで怪しくなってきた。
「受、イキそう?さっき我慢してたもんな」
受のそれを、手でがしがしと擦りながら腰の動きを繰り返す。俺のそれ越しに、前立腺をごりごりと抉るように擦る感触が伝わった。
「あっ……、両方同時は、ダメっ……!」
手元の枕を千切らんばかりに握りしめ、受は枕に顔を埋めた。
「受―、こっち向いて」
受に顔を近づけ、耳元で息を吹きかけながら囁くと、受は最初の数秒は無反応で、その後に少しだけ、赤らんで涙ぐんだ顔をこちらに向けた。
「攻、」
「んっ」
受が何かを言う前に、キスで唇を塞いだ。触れて、重ねて、唾液を垂らして、貪って、
(本当、俺、受の事好きだなぁ……)
ムダに強情なとことか、限界になると素直になるとことか、セックスしてるときの顔とか、声とか、潤んだ瞳とか、なんかもう、本当に、ぜーんぶ、好きだ。
「ぷはっ……攻、俺、いくっ……!」
受のそれが、俺の手の中で震えて、シーツに大量の精を、撒き散らした。
0020因果応┌(┌^o^)┐ 6/62015/04/02(木) 23:06:02.57ID:/519b1tv0
「攻、もう1回」
「ま、まだやんの……?」
「も・う・い・っ・か・い」
身体をすり寄せながら、受は俺の耳元で半ば脅迫のように言った。
「もう散々やっただろ……なんでまだ足りないんだって!」
「その気になったから。俺、まだ満足してないんだけど?」
「お前の性欲どうなってんだよ……底なし?」
どうやら俺は、受の変なスイッチを起動してしまったようだった。
「もう1回くらいできるだろ?」
「そのもう1回、これで何回目?」
「忘れた。じゃあ、生でもいいから」
生でいい、という言葉に一瞬ムラっとした。
「体位も攻のお好きにどうぞ?騎乗位でも座位でも四十八手でも何でも」
あの手この手で受が俺の性欲を煽ろうとしてくる。そしてそれにうっかり乗ってしまいそうになる俺も俺だが。
「受が何つっても、無理なもんは無理。もうその気になれないって……」
「そうか……あ、そうだ」
受が急に布団をまくり上げる。
「どうしたんだよ、受……って何やってんだおい!」
受が俺のズボンを脱がし、中から萎えたそれを取り出した。
「何って、その気にさせてやろうと思って」
受のその言い方は、つい数時間前の俺にそっくりだった。そして受は、俺のそれに軽いキスをした。
「……ああハイ……そんじゃ、その気にさせてください」
因果応報ってあるんだな、と俺は思い知った。
0021因果応┌(┌^o^)┐(あとがき)2015/04/02(木) 23:07:43.74ID:/519b1tv0
以上で終了です。これにて退散いたします。
質問などありましたらコソーリ戻ってお答えします。

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                 //||
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.          // 止 ||             ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < この体勢は
        i | |,!     ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 無理があるからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
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0022必殺☆収録人2015/04/03(金) 05:28:45.43ID:SO5a14f20
>>14
タイトルの「因果応」っていうのは仕様ですかね?
「因果応報」じゃなくて?
0023風と木の名無しさん2015/04/03(金) 07:04:29.26ID:Veemi5yP0
>>22
恐らくID違いますが、仕様です
「いんがおうほもぉ」もしくは「いんがおうほぉ↑もぉ↓」と読んでください
0024風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:17:14.34ID:t4/A/dch0
┌─―─────────────────────┐
│ビデオ棚いっぱいだから整理しなきゃ…コレなんだっけ.|
└v ─────────────────────―┘
          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
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         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

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  └────────────┌─―──────)`────────────‐┐
                     │要らないものならダビング用に取っておけばいいな.|
                     └────────────―────────┘
0025風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:18:12.38ID:t4/A/dch0
     ● 2年目 ●

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 サァ始マリマシタ |          ||      .0 ||        ||_____|||  ||    []|||[]    ||
\プリン早食イ対決/⊂⊃   ||        ||        ||_____|||  ||      |||      ||
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0026風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:19:13.64ID:t4/A/dch0
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 今回ノ挑戦者ハ           ||      .0 ||        ||_____|||  ||    []|||[]    ||
\前回サンマヲ10本丸呑シt   ||        ||        ||_____|||  ||      |||      ||
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0027風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:20:07.34ID:t4/A/dch0
           |                                  |  _______
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        ,'| |          ||        ||        |l二二二二二l||  ||      |||      ||
        ┌─―──┐  ||        ||        |l_____|||  ||      |||      ||
        │なぁなぁ |  ||       0 ||        |l_____|||  ||    []|||[]    ||
       _└───、r ┘  ||       ||        ||_____|||  ||      |||      ||
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   / //||_.n/||.ー‐'                     L二二二二二」|_||___|||___||_
  l'|  ̄| |、 /||. ||/||.          _________,,
  l.|   | |/, '| ||レ!'||       ∧∧ /            ∧_∧ ズズ..
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  |   | l,, "/~        {  つ日        ヽ、_    )
  |   | |/          ゝ_/            //__ノ      \
/ ̄ ̄ ̄             {二二二二二二二二}/        ┌─'ー─┐
                    |__|        |__|           │んー?|
                                        └─――┘
0028風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:21:10.04ID:t4/A/dch0
           |                                  |  _______
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        ┌─―───────────────‐┐__|||  ||      |||      ||
        │今俺とお前でこの家シェアしてるじゃん? |____|||  ||     .|||     ||
       _└───、r――――─────── ┌─―─―┐|  ||     .|||     ||
    ../ /.|――n|  \ __||____||____│してるね. ||  ||      |||      ||
   / //||_.n/||.ー‐'                     └───‐r┘.|_||___|||___||_
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  l.|   | |/, '| ||レ!'||       ∧∧ /            ∧_∧
  ,,l.|__|,,/ ,,l| ||/~     ( ,,゚д)          (ωΦ  )
  |   | l,, "/~        {  つ日        旦と_    )
  |   | |/          ゝ_/            //__ノ   
/ ̄ ̄ ̄             {二二二二二二二二}/ 
                    |__|        |__| 
           /
     ┌─―/─────────────――─┐
     │この状況ってさ、いってみれば同居じゃん?  |
     └───―――――────────┌―――― v┐
                                |同居だね. |
                                └────―┘
0029風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:22:13.94ID:t4/A/dch0
           |                                  |  _______
           |        ______                |  || ̄ ̄ ̄||| ̄ ̄ ̄||
           |          || ̄ ̄ ̄ ̄||        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ||      |||      ||
        ,'| |          ||        ||        |l二二二二二l||  ||      |||      ||
        ┌─―───────────────―┐.__|||  ||      |||      ||
        │野郎二人で仲良く同居してるのってさ、   |.__|||  ||      |||      ||
       _| 余所様から勘違いとかされてないかな?  |.__|||  ||      |||      ||
    ..//└――────────────────┘ __l||  ||      |||      ||
   / //||_.n/||.ー‐'                     L二二二二二」|_||___|||___||_
  l'|  ̄| |、 /||. ||/||.          _________,,
  l.|   | |/, '| ||レ!'||       ∧∧ /            ∧_∧
  ,,l.|__|,,/ ,,l| ||/~     ( ,,゚д)          (ωΦ  )
  |   | l,, "/~        {  つ日        旦と_    )
  |   | |/          ゝ_/            //__ノ      \
/ ̄ ̄ ̄             {二二二二二二二二}/        ┌─'ー―────――┐
                    |__|        |__|           |されてるんじゃない?|
                                        └─―――───――┘
0030風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:23:17.50ID:t4/A/dch0
           |                                  |  _______
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        ,'| |          ||        ||        |l二二二二二l||  ||      |||      ||
        ┌─―───────────────―――┐|  ||      |||      ||
        |このまま勘違いされてたらさ、俺はいいけど   ||  ||      |||      ||
       _| お前までゲイ疑惑掛けられちゃうんじゃない? .|| .||      |||      ||
    ..//└――───────────────――─┘.| .||      |||      ||
   / //||_.n/||.ー‐'                     L二二二二二」|_||___|||___||_
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  l.|   | |/, '| ||レ!'||       ∧∧ /            ∧_∧
  ,,l.|__|,,/ ,,l| ||/~     ( ,,゚д)          (ωΦ  )
  |   | l,, "/~        {  つ日        旦と_    )
  |   | |/          ゝ_/            //__ノ      \
/ ̄ ̄ ̄             {二二二二二二二二}/        ┌─'ー―────―──―─‐┐
                    |__|        |__|           |別にお前が気にならないなら |
                                        |我輩も特に気にしないけどね. |
                                        └─―――───―────‐┘
0031風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:24:33.41ID:t4/A/dch0
           |          || ̄ ̄ ̄ ̄||        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ||      |||      ||
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        ┌─―─────────────‐┐____|||  ||      |||      ||
        │……そうなの?気にならないの?  .|____|||  ||      |||     ||
       _└───、r――――─────┌─―─―‐┐__|||  ||      |||     ||
    ../ /.|――n|  \ __||____||___│ならないよ.|__|||  ||      |||      ||
   / //||_.n/||.ー‐'                └───‐r‐┘..二」|_||___|||___||_
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  l.|   | |/, '| ||レ!'||       ∧∧ /            ∧_∧
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  |   | l,, "/~        {  つ日        旦と_    )
  |   | |/          ゝ_/            //__ノ
/ ̄ ̄ ̄             {二二二二二二二二}/
                    |__|        |__|
           /
     ┌─―/─────────────―――――‐┐
     |俺豆腐メンタルだから やけになって襲っちゃうかも |
     |しれないけど平気?ホントに気にならない?     |
     └───―――――─────――─┌―――― v―――――――┐
              /                |別にお前なら気にしないよ. |
        ┌─―/───────――┐  └───────────―┘
        │そっか。それならまぁいっか |
        └───――――────┌―‐v┐
                          |うん. |
                          └──┘
0032風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:25:28.95ID:t4/A/dch0
           |                                  |  _______
           |        ______                |  || ̄ ̄ ̄||| ̄ ̄ ̄||
           |          || ̄ ̄ ̄ ̄||        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ||      |||      ||
        ,'| |          ||        ||        |l二二二二二l||  ||      |||      ||
         |.| |          ||        ||        ||_____|||  ||      |||      ||
        |,' |          ||      .0 ||        ||_____|||  ||    []|||[]    ||
       __ |   ⊂⊃   ||        ||        ||_____|||  ||      |||      ||
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  |   | l,, "/~        {  _,ノ          ヽ、_    )
  |   | |/          ゝ_/           //__ノ
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                    |__|        |__|
0033風と木の名無しさん2015/04/05(日) 17:26:38.89ID:t4/A/dch0
┌─―─────────────┐
│……これは取っておいてもいい?  |
└v‐─────────────―┘
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

     ピッ  ∧∧     ∧_∧
        (*゚д)ぅ ゛  (ωΦ .)
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  |                                |     \
  └────────────┌─―──────)`────────────‐┐
                     │いやいいけど……お前いつこんなの録ってたの? |
              ┌──── ┐────────―────────―─―‐┘
              |ヒミツ〜♪|
              └ ────┘
0035指定席 1/72015/04/12(日) 08:07:58.56ID:yBCezRUu0
オリジナルぷろやきうもの
何か色々おかしいですが仕様です
監督←四番打者的な感じで
モチーフはあるけど実際のぷろやきうとは関係無いです

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

チームは連敗続き、ムードメーカーでも二軍から上げてこい。
こんなもんだろう。自分で言うのも情けないけど、他に俺の一軍昇格の理由が思いつかない。
ベンチの中を見渡すと、奥の方にいた超ベテラン強面外野手と目があった。強面で頑固一徹のその人が、
じっと俺をにらみ、そして顎で指し示す。あ、あの。隣に座れということですか? しかも、そこは監督の隣でもあるんですけど。
恰幅の良い監督は基本的には人が良いって言われているけどさすがに連敗中ともあって、
いつもよりずいぶんと厳しい顔をして考え込んでいる。俺のような若手がそこへ座っていいものだろうか。
戸惑っていると、座れ、とその強面殿の瞳が凄んでいる。助けを求めるようにぐるりと周りを見回すと、
皆そろって、監督の横へと視線を向けて、やっぱり俺にそこへ座れと促す。
一体これはどう言ったパワハラなんだろう。
俺は恐る恐る監督の隣に腰を下ろしたが、どうにも落ち着かない。
すると、俺の視界にのっそりと入ってきたのは我がチームの四番打者様。
若くしてタイトルを次々と取った、我がチームの顔どころか球界を代表する大打者だ。そのお方がじっと俺を見ている。
俺は思い出す。そうテレビでベンチ内が映し出されるとき、この人はいつも監督の隣に座っていたのだ
0036指定席 2/72015/04/12(日) 08:09:42.89ID:yBCezRUu0
やばい、さっさと席を譲らなきゃ。
俺は慌てて腰を上げようとしたが、四番打者様の視線の威圧感に腰を抜かしてしまったようだ。
視線の圧力がますます高まっていくのを俺は感じていた。現在、このお方は不調のまっただ中、
チームの連敗の原因もまさにこのお方の不調によるものと言っても過言ではない。
そんな重要人物の気分を損ねるようなことをしたら、俺は、チームはどうなってしまうんだ。
すると、今まで腕を組んで考え込んでいた監督がふっと顔を上げて、
「なんだ、お前。座る場所無いのか」
と四番打者様に対して、屈託の無い笑顔を向ける。四番打者様は無表情のまま、こくんと頷く。
俺は四番打者様の視線の呪縛がふっと解けたことに気がついた。
どうやらただ今、四番打者様の目には監督しか映っていないようなのだ。
「しっかたねえなあ」
監督は苦笑しながら、俺の方を見て、なにもかも分かっているからと言いたげに小さく頷くと、
直立不動の四番打者様を見上げ、ぽんと自分の膝を叩いた。
「ほら、ここに座るか?」
ええっ、何おっしゃっているのですか、監督。俺は我が耳を疑った。そのふくよかな体型は
確かに座り心地はよろしいかもしれませんが、ってそんな問題ではない。
しかし、それが幻聴では無かった証拠に、四番打者様は相変わらず表情を崩さず、
「それでは失礼しますね」
と遠慮なく深々とその太股の上に腰を下ろしたのだ。
0037指定席 3/72015/04/12(日) 08:11:01.97ID:yBCezRUu0
この俺の失態をかばうために、監督は冗談を言ったのだろうか。そして、その冗談にわざわざ四番打者様は乗ったのだろうか。いや、普通は冗談でも実行に移されたら監督は怒るだろう。
だけれども、この二人はと言うと、
「重たいなあ、お前」
「しっかりと鍛えていますからね。食べて飲んで寝てばかりの監督とは違います」
と、この状態がごく当然のものであるかのように会話をしている。
なんだか、体中がムズムズして居たたまれない気持ちで体をもそもそと揺すっていると、
「腰に何か当たってる気がするんですけど、監督」
と、四番打者様が言い出す。未だ独身なのが不思議な端正な顔立ちのこの方が、こんなことをさらりと言うなんて、なんか、なんだか、腑に落ちるような、しかしそういう解釈でいいのか、本当に落ち着かなくて困る。
するとすかさず、
「悪かったな、そりゃ俺の腹の肉だよ」
わざとらしく不機嫌を装った監督の怒鳴り声。
俺と四番打者様以外のみんなが一斉に笑って、一気にベンチのムードが
明るくなった気がする。けど、これでいいのか? 俺は隣をチラチラ横目で様子を
うかがってしまう。
監督の腕は軽く四番打者様の腹に回っている。
四番打者様はすました顔でグラウンドを見つめている。
今日の試合はビジターで、一回の表がこちらの攻撃だ。
「ところで俺は大切なことを今気づいたんだがな」
一番打者が打席に向かうところで、監督が口を開いた。
「これじゃ試合見れないじゃないか」
「大丈夫です、俺が見てますから」
四番打者様はまっすぐ前を見たまま答えた。さすがの監督も渋い顔をする。
0038指定席 4/72015/04/12(日) 08:12:56.20ID:yBCezRUu0
「お前が見ても仕方ないだろ。これじゃサインが出せないじゃないか」
「問題ないです。まったくないです。監督の野球はみんな知っています」
口調も顔色もまったく変わらることなく、四番打者様は何と言われようとも
監督の膝の上から移動する気はまったくないようだ。
監督が、本当にこの頑固者めと呟いたのが俺の耳に届いた。もちろん四番打者様の耳にも届いたはずで、
まったくの無反応と思いきや、ぽん、と監督の手の甲を軽く叩いていた。
わっと歓声が上がる。一番打者が四球を選んで出塁、続いて二番が手堅くバントでランナーを二塁に進めた。
先制のチャンスだ。
「おいおい、なんだかいい感じみたいじゃないか」
試合を見たい監督が必死で首を伸ばしていると、四番打者様は無言で立ち上がった。
ネクストバッターズサークルへと向かっていくその歩調はゆっくりとして、背中が大きく見えた。
最近10試合で打率1割を切る打者とは思えない風格だ。
俺をここに座らせた強面殿が、ニヤニヤした笑みを浮かべて俺の肩を叩いた。
「よくやった」
「え?」
何のことか分からず間抜けにもぽかんと口を開けると、
「まあ、見れば分かる」
と強面殿はうんうんと頷いた。
監督はと言うと、うんと立ち上がって伸びをしていた。
やはり立派な成人男性を膝の上に座らせ続けるのは相当な負担のようだ。
そんなこんなで俺はベンチの中のことに気を取られていて、三番はいつの間にか
凡退してしまっていた。
ツーアウトランナー二塁。そして打者はただいま絶賛不調中の四番打者様。
ようやく自分の仕事だとばかりに張り切って監督がサインを出している。
0039指定席 5/72015/04/12(日) 08:14:16.78ID:yBCezRUu0
先制のチャンスだ。ここ最近の四番打者様だと、変化球をひっかけて内野ゴロばかりなのだけれども、でも、ベンチではみんな期待を越えた確信を持って四番打者様を見守っていた。
狙い球を絞っているのか、四番打者様は追い込まれるまでまったく微動だにしない。そして、対戦投手の決め球である外スラが来た。
一閃。
カーンという気持ちの良い打球音が響いた。
「おおっ」
みんな同じ方向を向いて打球を追う。その行き先はまっすぐスタンド中段へ。
見事な先制ツーランホームランだ。久々のヒットがホームラン。
「おい、お前。よくやった。今日のお立ち台もんだ」
ガッツポーズも何もなく淡々とベースを回る四番打者様に見とれていると、
ドンと背中を強く叩かれた。強面殿がニコニコと笑顔の花を咲かせている。
「ま、実際にお立ち台には上がれないけどな」
そして、ベンチの最前列に座っていた守備固めさんが
「ほら、こっち来い、こっちに座れ」
とこれまたケタケタ笑いながら手招きしてくれていた。
俺はこれ幸いとばかりに強面殿に一礼して、ダッシュで席移動した。
「いやあ、あいつの居場所を無くしたら奮起するかと思ったんだけど、
まさか監督があそこまで大サービスしてくれるとは思わなかったよ」
強面殿の言葉にみんなうなずき、一方で監督は眉をしかめながら
「まったくお前ら、大切な若手に嫌な役を押しつけるんじゃない。
俺だってなあ、あいつが機嫌悪くなっていたからどうしようかと思って仕方なく
やったことなんだからな」
と叱りつけたけど、口元はにやけていて四番打者様の復活を喜んでいることが伝わってきた。
0040指定席 6/72015/04/12(日) 08:15:51.33ID:yBCezRUu0
ずっと監督は四番打者様が四番打者として帰ってくるのを待っていたのだ。
「ナイスバッティング!」
ホームベースを踏んでベンチに戻ってきた四番打者様をみなが拍手で迎え、次々とハイタッチする。
四番打者様は俺に一瞥をくれた。その視線の鋭さに、俺の股間が縮み上がって
祝福するどころではなくなってしまう。
ありがとう。そう聞こえたような気がした。
自分の指定席を空けてくれてありがとうという意味だろう。そういうことにしておこう。
のっそりと監督も立ち上がって、四番打者様を出迎え、こつんと拳で頭を軽く小突いた。
「もう特等席は準備してやらないからな。サイン一つもろくに出せずにこのまま監督不要
ってことになるかと思ったぞ」
「それはないですよ。このチームには監督が必要なんです」
四番打者様はぶっきらぼうに言い放つ。
「だから、監督が首にならないように優勝を目指すのが俺たちの仕事です」
「なんだか目的と手段が逆になってる気がするぞ、おい。まあ、優勝は目指すけどな!」
そして監督は四番打者様にぎゅっと抱きついて、腕に背中を回してばんばんと手荒に復活を喜ぶ。
それに応えるように、四番打者様はその分厚い胸板に顔を埋めて抱き返していた。
なんとなく泣いているような気がしたけれど、抱擁を解いた後はポーカーフェイスで、
何事もなかったかのようにしっかり監督の隣にどっかと座り込んだ。
その後、四番打者様はこの試合でさらにホームランもう一本に、二塁打一本、
犠牲フライと大暴れをし、見事にチームの連敗はストップした。
0041指定席 7/72015/04/12(日) 08:18:02.61ID:yBCezRUu0
もちろんヒロインのお立ち台はこのお方で、
「定位置は渡せないという強い気持ちで打席に立ちました」
と言った。
きっと、チームメイト以外の人たちは定位置というのは四番という
打順だと思っただろうけど、そして、それも多分真実なんだろうけど、
本当の本当に実際の真実は、定位置というのは自分のベンチのお気に入りの席を
指しているに違いない。
もっとも、あの特等席も満更じゃなかったからこそ、物静かに闘志を燃やすことが
出来たのだろうけども。
「癖になると行けないからな。お前等もう二度とあんな悪戯するんじゃないぞ」
監督のお小言に、強面殿が混ぜっ返す。この人、冗談が通じないタイプに見えて、
意外にノリがいい。
「癖になるのは、あいつですか、監督ですか?」
絶句して、真っ赤に染まった監督の顔。ようやく絞り出した答えは
「どっちもだよ! これで納得しておけ」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

改行失敗が結構あって大変申し訳ないです。
0042風と木の名無しさん2015/04/16(木) 00:26:06.29ID:slzFn/qG0
皆さん投下乙です
少し聞きたいんですが、今書き込み制限ってどうなってますか?
何か仕様が変わったと聞いたんですが、以前と同じく3レス規制でしょうか?
0044風と木の名無しさん2015/04/16(木) 12:08:35.42ID:slzFn/qG0
>>43
詳細ありがとうございます
大丈夫そうなら後ほど改めて投下にきます
0045サイボーグとビーストの関係 1/72015/04/16(木) 16:20:37.00ID:slzFn/qG0
オリジナル。頭脳系×肉体系。受けが既に出来上がってます。お触りありの本番なし。第三者視点です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どーしたもんかねぇ…」
寝癖満載の頭を更にくしゃくしゃにしながら溜息を吐く。目の前には苦しそうに息をする患者。
だが残念ながらオレにはもう打つ手がない。
「……アイツ呼ぶか」
オレなりに手は尽くした。やれるだけのことはしてやった。
後はもう対処法を知ってる(であろう)ヤツに頼むしかねえよな。
「ドクター、お呼びだとか」
「おー!忙しいとこ悪いな」
というわけで呼ばれて医務室にやって来たのは『サイボーグ』という仇名で有名なチーム「シエラ」の隊長様だ。
相変わらず造り物みてーにキレイな面してやがるわ。
「構いませんが、どんな用件でしょう」
「お前ならどうすればいいか知ってると思ってな。オレにはもうどうしようもねーんだわ」
「……医療主任に分からないことが僕に分かりますか?」
「多分、お前にしかわかんねーと思うぜ」
小さく首を傾げるヤツを尻目に早速問題の患者がいるベッドへと案内する。カーテンを開けるなり
飛び込んできた光景にサイボーグが目を丸くした。それを見たオレも驚いて目を丸くした。
サイボーグもちゃんとこんな顔できんだなぁ。
「…………彼、どうしたんです?」
そう言って指差した先には全身包帯だらけの大怪我なのに、何故か下半身をガチガチにして
グッタリと横たわるチーム「エコー」の隊長――通称『ビースト』がいた。
「…っはぁ………あ…?」
「やあ。久しぶり」
「え、おま……っ何で、いんだ…っ?」
オレとサイボーグの存在に気付いたビーストがわずかに脚を閉じて前を隠す。
ん?コイツらってそーいう関係なんじゃなかったっけ。
「ひょっとしてこのことで僕を?」
コイツ察しが良くて助かるわー。オレは頷いて事情を説明してやった。
0046サイボーグとビーストの関係 2/72015/04/16(木) 16:22:25.51ID:slzFn/qG0
問題が発生したのは90分ほど前。先日の合同任務で負傷した連中はもうほとんど復帰していたが、
一人だけまだ起き上がることもままならない男がいた。それがビーストだ。
敵も相当手強かったのかいつも以上にダメージを受けてたくせに、その後更にどエラいハードなプレイを
お楽しみになったようで……運ばれてきた時は医療主任としては顔を顰めるしかない有様だった。
厳しく絶対安静を言いつけて休ませてたんだが、回復してくれば当然生理現象としてアソコが
元気になっちゃうこともあるわけで。コイツは体力も回復力も化物レベルだから余計催しちまうらしい。
だが負傷してた肩を固定してあるせいか上手いこといかず、恥を忍んでオレに救援要請してきた。
しょうがないから代わりに扱いてやってたんだが、一向に発射される気配がない。
「ちゃんと感じてるみたいなんだがどんだけやっても全然ダメでなー……
しょうがないからお前さんにご足労願ったってわけよ」
「なるほど」
「っ……全部言うなドクター…」
「んなこと言ったってお前も辛いだろ?もう一時間近くこんな状態じゃねーか。見てる方がしんどいわ」
「……だからって…コイツ呼ぶなよぉ…!」
勘弁してくれと言いたげにビーストが顔を背ける。それを見たサイボーグはやけに難しい顔をして押し黙ってしまった。
あれ?コイツらそーいう関係なんだよな??つーかどエラいハードなプレイの相手ってコイツのはずじゃ…?
かなり気になったがそれは置いといて、まずはビーストの処置を優先することにした。
「原因わかるか?」
「大体見当はつきますが……とりあえずやるだけやってみます」
「――え…っ!?待っ、いきなっり、ぃっ!!」
躊躇もなくそそり立ったモノを口に含まれ、驚いたビーストが身を強張らせた。
サイボーグはわざと音を立てて吸い付きビーストの聴覚を責める。
「っは、っぁ……ぁあ、っぅっく…!」
オレの時とは明らかに反応が違う。別にオレの時は気持ち良くなさそうだったってわけじゃなくて、
声の艶とか表情の蕩け具合がよりエロくなってるっつーか。
うん……やっぱコイツらそーいう関係なんだな。
0047サイボーグとビーストの関係 3/72015/04/16(木) 16:23:38.90ID:slzFn/qG0
「んぁっ!ぅあ、ぁ、先っ…あんま、いじっ……!!」
「――っは……確かに反応はしてますね」
「だろ?」
「この感じだといつもならとっくにイッてるはずなんですが……ねぇ?」
「っひ…ぃっぁ、やっ、それ、やめっ…ん゙んっ!!」
サイボーグは冷やかに分析しつつ鈴口を親指で強く擦る。突然襲った強い刺激にガクガクと揺れた脚を
開かせ、逆の手で全体を激しく扱いてビーストを追い詰めていく。
「待っ…!!っっひぐっ、待っ、て、強いっ!強、すぎっ…ぃ゙い!!」
「仕方ないでしょ?君がここまで我慢しちゃったんだから」
「…ちが……っ我慢、してなっ…!!ぁゔ、あ゙、あぁ゙あ……っっ!!」
「言っとくけど、毎度毎度僕が触ってあげなきゃイけないなんて言われても困るよ」
「――っっ!!っひ……ゃあ゙っ!!ん゙ゔぅー…っ、っ!!」
ビーストが耐え難い快感に腰を浮かせ、動く方の手で頭を掻きむしって歯を食いしばる。
何つー乱れ方すんだコイツは。
「……これでも駄目か。じゃあ次指挿れるから力抜いて」
「っっはあっ、んぁ゙っ、はっ…ぁ、待て、待ってって……待っ――っっ!!?」
粘液塗れだった指に少し唾液を足し、後ろの穴に遠慮もなくぐっと突き立てると
すんなり飲み込んでしまった。ちょっと、どんだけヤり倒してんのよ君ら…
しかし弱ってる相手に全然手加減ねーなとも思ったが、一気に攻め立ててさっさと楽に
させてやろうっていうサイボーグなりの気遣いなのかもしれない。もしくはただのドSか。
「ぅっぁ、はぁっ……ぁぐっ!!っゔぅ…!」
身体が跳ねる拍子に傷が痛むようで、時々ビーストの顔が歪む。そりゃそうだよなぁ…
もしオレがこんな状態になったら発狂して「いっそ殺してくれー!」くらい言ってると思う。
オレ痛いの全然ダメだから。
「なぁ…どうよ?手応えありそうか?」
「わかりません。出来ればここには触れずに済ませたかったんですが」
「ふーん?何で?」
「……余計悪化するから」
へぇ…?これ以上どう悪化すんだろう。
オレは相変わらず玉のような汗を滲ませながら、色んな要素に悶え苦しむビーストを眺めた。
何でこうまでイけないんだろうな…
0048サイボーグとビーストの関係 4/72015/04/16(木) 16:25:17.04ID:slzFn/qG0
あ、でも少し落ち着いてきたっぽいな。トロンとした目でぼんやりと相手を見つめている。
だがサイボーグは視線を外したままヤツをイかせる作業に集中していた。わざと目を合わせないように
してる感じすらする。何つーか…不思議なカップル(って言っていいのか?)だなーコイツら。
「ふー…っ、う、んん…っ」
ふと、ビーストの手が胸元に伸びる。
そのまま分厚く巻かれた包帯を外そうとしてるのに気付いたオレは慌ててヤツの腕を掴んだ。
「おいコラ!何してんだお前!」
「ゔぁっ…!」
「あ、すまん…痛かった?」
「……だから嫌だったんだ」
痛みに呻いたビーストを見てサイボーグがポツリと呟く。疑問に思ってたら、
その答えらしき言葉が怪我人の方から返ってきた。
「……っ…触って、くれ……」
「ん?」
「そんなこと出来ると思う?ドクターだっているのに」
ここまで同席させといて今更オレ気にすんの?と思ったが、どうやらそういうことじゃないらしい。
「頼む……っもう、キツい…から…っ」
「ダメだよ。絶対にやらない」
「……っ!!」
「ほら、ココ触ってあげるから早く出して」
「っはぁっっ!?やめ、そこっ今触っ、たら…ぁあ゙ぁっ!!」
「前も擦ってあげようか?」
「んぐぅっ!!…っひ、ぃ゙……っっ!!」
少し怒った様子のサイボーグが指を奥まで捩じ込み、更に前を荒っぽく扱くとビーストの息が一瞬止まった。
容赦がなくなった強引な責めに目を見開き、仰け反りながら身を捩って喘ぐ。
掴んだままだった腕からもかなり力んでいるのが伝わってきて、だんだん心配になってきた。
「ゔっん、ぁあ゙っ、ぃ…やだ、それっ……嫌、っぁあぐっ!!」
「おいおい…コイツ大丈夫かよ…」
「…………」
「っ……ゃめっ…!!っ、も、やめ……て…ぇ゙っ…!!」
0049サイボーグとビーストの関係 5/72015/04/16(木) 16:26:46.94ID:slzFn/qG0
上手く呼吸ができなくなるほど追い上げられ、耐え切れなくなったビーストがボロボロと涙を零して
懇願し出してしまった。これにはさすがのサイボーグも手を止め、落胆の溜息を吐いて項垂れる。
「くそ……ダメか」
「マジかよ…これでもイけねーの?」
「っげほっ!ごほっ、っぐっぅ、うぁ…!」
苦痛から解放されたビーストはグッタリとベッドに身を埋め、酸素を取り入れようと必死に胸を上下させる。
一体どーなってんだコイツの身体は。いつもヤッてるサイボーグでもダメなんて、そんなことあんのかよ…
……ん?そういえば…
「なぁ。さっき『絶対やらない』とか何とか言ってたけど、もしかしてそれやったらコイツ確実にイけんじゃねーのか?」
オレがそう尋ねた瞬間サイボーグの表情が険しくなる。
「やっぱり。そうなんだな?」
「……嫌です。それだけは絶対できません」
「何で!お前だってこんなに辛そうなコイツ見てて何にも感じないわけじゃねーんだろ?」
「だからですよ。これ以上彼に辛い思いをさせたくない」
「??」
意味がわからん…!コイツら普段どーいうセックスしてんだよマジで!
とんだアブノーマルプレイでもやってんのか?
「…………ぃ…から…っ」
「ん?」
「っ、傷……触って………イかせ、て……くれ…っ頼む……!!」
はぁ!!?
今何て?『傷に触れ』って言った!?
「だから嫌だって言ってるでしょ。第一そんなことドクターの前で出来るわけない」
「はっ……もう…これいじょ……っ無理、だから……はぁ…早、くっ…!」
「っっ……ダメなものはダメ。ねぇ…お願いだから、あんまり聞き分けのないこと言わないでよ…」
半分虚ろな瞳でせがむビーストに、まるで縋るような声でサイボーグが訴える。
コイツがこんなに感情露わにしてんの初めて見たな…
そっちも気になるけど、まず何よりも聞かなきゃならないことがあるぞ。
0050サイボーグとビーストの関係 6/72015/04/16(木) 16:28:56.21ID:slzFn/qG0
「ちょちょちょちょ、何、今のってどーいう意味?」
「……彼はある一定のラインを超えると痛みと快感が繋がってしまうんです。傷口を抉られる激痛と
性的興奮がごっちゃになって、気が狂いそうなほどの絶頂を迎えられるんだと」
「………………そりゃー……また、難儀な体質で…」
それってつまり物凄いドMってことっすか隊長…!!
開いた口が塞がらん。あんなに屈託のない笑顔で皆から慕われてるコイツに、そんなヘビーな性癖があったとは……
はっ!そういやあのスナイパーキッドもそんなこと言ってた気がする…!
「…はー……っ、頼む……助け、て……っ」
「そんな顔しないでってば……」
「……なぁ…っ!!」
「っ……君を苦しませたくないんだよ!」
救いを求めるビーストの声を振り払うように、サイボーグが初めて声を荒げた。
完全な不意打ちだったんでオレもヤツも驚いて固まってしまう。
「え…」
「君がドロドロに蕩けるほど感じてくれるのは凄く嬉しいし堪らないよ。
でも痛みを与えたり乱暴に扱ったりするのが好きなわけじゃないんだ」
……今ので何となくコイツらがどういうプレイしてるか想像ついたな…
「……でも君が、僕を求めてくれるから…僕だけを見てくれるから……それに応えてあげたくなる」
「…っ…!」
「君を喜ばせてあげたい。満たしてあげたい。僕に出来ることなら何だってしてあげるよ。
でも今だけは……こんな状態の君に、更に痛みを与えることなんてできない」
胸の内を全部さらけ出すような告白をするヤツの姿に、普段の冷血サイボーグ要素なんて全くなかった。
コイツもちゃんとこういう熱い感情抱えてんだな……ま、人間なんだから当たり前のことなんだけど。
そういや『サイボーグ』って仇名、完全に見た目だけでつけられたんだったっけ。それも災難だよなぁ。
「……ごめんね。君が大事なんだ…上手く伝わらないかもしれないけど」
そう言ってサイボーグが少しぎこちない笑顔でビーストの頬を撫でた。
泣きそうな顔しちゃってんなーなんて思いながら眺めてたら、何故かビーストの方がブワッと涙を溢れさせた。
0051サイボーグとビーストの関係 7/72015/04/16(木) 16:30:19.25ID:slzFn/qG0
「お、おい!どうした?」
「っ…!ごめんな……付き合わせてんの…わかってたんだ」
あたふたしたオレが手を離してやると、ビーストは何度も目を擦って涙を拭う。
そして時々鼻を啜りながら、ポツポツと語り出す。
「お前が、そういうの好きじゃないのも知ってた……甘えてるってわかってるよ…でも……」
「でも…?」
「……っもうお前じゃないとダメだから…」
「――!!」
今度はサイボーグが驚く番だった。多分ビーストのこういう本音を聞いたのは初めてなんだろう。
「今更手放せねぇよ……誰にも取られたくない…!笑顔とか、優しい声とかっ…
俺だけが知ってればいいんだ……他の奴になんか渡さねぇ…っ!」
大粒の涙を零しながら、添えられた手を大事そうに握り締める。サイボーグもだけど、案外コイツも
こんなに感情剥き出しにするの珍しいよな。いつも笑ってる朗らかなビーストしか知らないオレにとって、
ここまで必死になってヤツを繋ぎ止めようとする姿はかなりレアな光景だった。
「っあーもぉ……っ、本当……こんな俺が好きになっちゃってごめんな…」
自分自身に呆れたような溜息を吐き、ビーストがぐしゃぐしゃの顔のままでサイボーグを見る。
「……好きだよ………なぁ、俺のになって」
あーあーもう!ベソかいて手ぇ握って告白って…ティーンエイジャーかお前らは!!
……でもな、おじさん嫌いじゃないぜ…そういうの。
「やめてよもう…」
ってあれ?何その反応。今喜ぶところじゃないの?
「僕から言おうと思ってたのに、何で先に言っちゃうの」
「っ……!!」
「ずっと好きだったんだ。頼まれたって君を離してなんてあげない」
サイボーグはそう言って、ほんの少しだけ顔を赤くする。
それに気付いたビーストが声を上げるより早く、ヤツに覆い被さって唇を塞いでしまった。
っかー!!何だよコイツめっちゃカワイイじゃん!これがいわゆるツンがデレるってやつか!
うっかりオレまで惚れちまうとこだったわ。だがしかーし。おじさんだって空気くらい読めるんだぜ?
0052サイボーグとビーストの関係 8/72015/04/16(木) 16:41:21.93ID:slzFn/qG0
オレは黙って頷き、ベッドのカーテンを閉めてそこを離れる。
そして邪魔が入らないように手前の医務室で見張っててやることにした。
めでたく通じ合ったわけだし、今ならビーストも例の「痛いこと」されなくてもちゃんとイけるだろ。
「良いねぇ……愛だねぇ」
愛情表現の仕方はちょっと独特かもしれんが、あんな風にお互いを好きになれたら幸せかもな。
あー何か羨ましくなってきたわ。オレももう一回くらい輝いてみてーなー。
「どっかに良い人でもいねーかなー……いねーか。ここ軍だし…野郎ばっかだし」
一瞬浮かんだ希望があっさりとセピア色に霞む。しょうがないから大昔の甘酸っぱい思い出を
引っ張り出して感傷に浸る、一人ぼっちの夕暮れ時だった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


書き込み中に本文長すぎと言われたので改行弄ってたら1レス余分にできてしまいました。申し訳ないです
ちなみに今更ですが68巻の「少佐と隊長の関係」の続きです
スレ占拠失礼しました
0053トヲル獅子(1/6)2015/05/03(日) 00:21:42.17ID:0pVHuyGC0
二年ほど前、こちらが荒れていた時に派生して立った801サロンの別スレに落としたものですが、
再投下させていただきます。

超人獅子に出てくる少年(成長後)と獅子人間体です。
当方残念ながらエロが書けません。
エロ書きバッチコーイだぜ、続き書いてやってもいいぜって方がいらっしゃいましたらお願いします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「透、久しぶり、随分大きくなったな」
鳳弦は笑顔で走ってきた。透は眩しそうに弦を見つめた。
弦が美山家を出て十数年、透も社会人になっている。身長は弦と殆ど変わらない。
各地を放浪する弦であったが、透には手紙で近況を報告していた。
この再会は透たっての願いだった。
「鳳さん、元気そうだね」
「ああ、元気だよ。ところでなんだい、悩みって」
「会っていきなり?もうちょっとゆっくり話してからにするよ。まずはうちに来て」
透は弦を促して、自分の住むアパートに向かった。
「透も立派に独り立ちしたな。中学卒業と同時に美山家を出たんだろ?夜間高校に通いながら大変だったろう」
「境遇を嘆いたって仕方ないからね。そういう人生なら頑張るしかないよ」
透は苦労を口にしなかった。弦が獅子であることを知ってからは、獅子の前では言わないと決めている。
0054トヲル獅子(2/6)2015/05/03(日) 00:23:55.85ID:0pVHuyGC0
ほどなく古ぼけたアパートに到着した。
「ここが僕の家。どうぞ、上がって」
弦は感慨深げにアパートの外観を眺めている。
「ただの古いアパートじゃないか。そんなに珍しい?」
透の問いに弦は笑顔を返した。
「小さかった透がこんな風に一人で住んで、立派な社会人になってるのが嬉しくてな」

小さな台所と畳敷き六畳間のごく普通の間取りだが、綺麗に整理整頓が出来ている。
「透、綺麗好きだな」
透は座布団を勧め、小さなちゃぶ台に茶を置いた。
「そういえば透は恋人はいるのか?」
弦は座布団をあてて、提供された茶を飲みながら尋ねた。
「それなんだよね」
透も座りながらため息をつく。
「なんだ、悩みってそれか?」
「鳳さんは?恋人はいるの?」
0055トヲル獅子(3/6)2015/05/03(日) 00:25:45.51ID:0pVHuyGC0
一瞬の間があいた。
「…いや、いないよ」
弦は少々硬い表情で笑顔を作っている。
「そう。やっぱりモモ子さんのことがあるから?」
弦はまた言葉に詰まった。
「…うーん、そうなるのかな」
「でもさ、僕思うんだけど、おおとりさんは超人獅子でしょ?
モモ子さんがあんな事にならなかったとしても一緒になるのは難しかったんじゃないの?」
「鳳弦という地球人として、モモ子さんと添い遂げるつもりではいたよ。
地球人の平均寿命と同じぐらいの年齢で、鳳弦という人間はこの世から姿を消すことになったはずだ」
「じゃ、鳳さんじゃなくなった後、また違う人の姿になって、その時は恋人を作るんだ」
透の質問攻めに弦は少し戸惑った表情を見せた。
0056トヲル獅子(4/6)2015/05/03(日) 00:27:12.96ID:0pVHuyGC0
「透、どうしてそんなに俺の恋人にこだわってるんだ?透の悩みは自分の恋人の事じゃないのか?」
「鳳さん、俺…」
「ん?どうした?透、透?」
透が突然涙を見せたので弦は慌てている。
「俺も超人でいたかった。明日虎が羨ましい」
「お前の恋人の話とどう関係あるんだ?明日虎は弟だぞ?俺は透の事も弟のように思っている」
困惑する弦に透が抱きついた。
「寂しかったんだな、透。今までよく一人で頑張った。俺はいつまでもお前のことを見てるよ」
弦は自分に抱きつく透の背に手を回しトントンと叩いた。
透は弦の胸に顔をうずめながらしゃくりあげた。
0057トヲル獅子(5/6)2015/05/03(日) 00:29:10.06ID:0pVHuyGC0
どれくらいその姿勢でいただろう。
弦は透が満足するまでその体勢を崩さないつもりのようだった。
透はそのまま弦に胸に顔を当てて、心臓の音を聞いていた。
地球人に擬態するというのは内蔵までも精巧にコピーするのだろうか。
透は頭を微妙に動かして弦の胸をまさぐった。
あの超人獅子に抱きついているという喜びが全身を駆け巡る。
「おい、透、くすぐったいよ。どうしたんだ?」
透は顔をうずめたまま答えた。
「僕、好きな人がいるんだ。でも言ったら嫌われそうで言えない」
「その人はお前の存在に気づいているのか?」
「うん、良く知ってるよ。だからこそ好きって言えない」
「男なら思い切ってぶつかってみろよ」
0058トヲル獅子(6/6)2015/05/03(日) 00:31:10.31ID:0pVHuyGC0
透は突然弦から体を離した。
「鳳さん、もしモモ子さんと一緒になったとして、地球人がどうやって愛を育むか知ってたの?」
「そりゃ、大体は…」
「経験は?」
「…ない」
「僕が教えてあげようか?」
弦は目を白黒させた。
動揺する姿は鳳弦という地球の青年ではなく、エル77星のただの王子様の表情なのだろう。
「透は男だろう?」
「知らなかったの、鳳さん。地球じゃ男女だけが愛を育むとは限らないんだよ」
透は意味深な笑顔で弦を見つめた。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
0059風と木の名無しさん2015/05/04(月) 17:21:26.96ID:HWjL7DiI0
トールいつの間にそんな大人になっちまったんだ
0060奴隷オークション 1/92015/05/22(金) 16:06:03.41ID:nziS6hFi0!
※オリジナル、ショタ、男性向けなノリ 傾向やオチはタイトルで予想して下さい

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


一見何の変哲もないただの倉庫に見えるその建物では、密かな取引が行われていた。
ここで売買されているのは、奴隷。人としての尊厳を奪われ、欲望の捌け口としての道具にされた哀れな人間だ。
男女どちらもいるが、通常では満たすことのできない欲望を満たすため、また単に扱いやすさのため、その大半が未成年だ。
皆一様に一糸まとわぬ裸体に首輪をつけられ、足を大きく開いた体勢で拘束されている。
怯えた顔で涙を流す者、諦めきった表情の者、誰かに調教されたのかひたすら笑みを浮かべ続ける者と態度も様々だ。
中には薬物中毒者もいるのか、涎を垂らしながら焦点の定まらない目で譫言を呟いている者もいる。
一列に並べられた商品の間を縫って歩く客たちは、そんな奴隷達の反応など意にも介さずに物色を続ける。
何しろ、ここに並べられているのは高額商品だ。買う前に品質をチェックするのは当然のことともいえる。
運営側もそれを承知してか、奴隷達の隣には小さなテーブルが置かれ使い捨ての手袋やコンドーム、ローションが用意されている。
客たちは気になった奴隷の体を撫でまわし、中の具合を確かめ、気に入ればテーブルに置かれた入札帳に自分の入場番号と金額を書いていく。
特に人気の高い奴隷の前には数人が並び、近くのゴミ箱は使用済みの手袋やコンドームであふれんばかりの勢いだ。
入札終了時間まではどの奴隷も自由に試せるため、客たちは飲食しながら気軽に空いている奴隷の体を弄ぶ。
0061奴隷オークション 2/92015/05/22(金) 16:06:46.62ID:nziS6hFi0!
そんな中、1人だけ扱いの違う少年がいた。
彼だけは首輪をはめておらず、お仕着せらしき人形のような服をまとっている。
また拘束はされていないが、大型犬用の頑丈なケージに入れられている。
目玉商品なのか、ケージの隣にはスタッフが一人待機していて、時折少年の体をまさぐる客をやんわりと制止する。
「今回のオークションは楽しみだね」
「誰が落札するのかな」
彼だけはサイレントオークションではないらしく、入札帳がない。ドッグタグの代わりに、ケージに学生証のコピーが貼られている。
客たちが商品をいじるのに飽きた頃、放送が入った。
『ただ今をもちまして、サイレントオークションの入札を締め切らせていただきます。ご参加ありがとうございました。
 また、メインステージにて本日の目玉商品のオークションを開催いたします。皆様奮ってご参加下さい。
 サイレントオークションの入札結果につきましては、このイベント後にお知らせさせていただきます』
スタッフ達が入札帳を回収する中、客達はメインステージに向かう。ステージに持ち込まれたのは、あの少年の入ったケージだった。
0062奴隷オークション 3/92015/05/22(金) 16:07:39.73ID:nziS6hFi0!
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。
 本日の目玉商品はこちらの少年、未調教の初物になります」
ステージ後ろのスクリーンに、少年の学生証がアップで映し出される。
「戸籍等につきましては、既に死亡届が受理されている状態となっておりますので警察の捜査の心配はございません。
 また調教は行っておりませんが、展示直前に腸内の洗浄は行っておりますのですぐにお楽しみいただける状態となっております」
知らされていなかったのか、少年は愕然とした表情になる。
「ではこちら、100からのスタートです」
「200!」
「400!」
「いやだ! いやだ! 帰してよ!」
ケージの中で泣き叫ぶ少年をよそに、オークションはどんどん白熱していく。
「他に、他におりませんか! ……では落札!」
カン、と木槌の音がして、久しぶりの高額落札に会場がどよめいた。
「では落札者の方、どうぞステージへ」
司会に招かれてステージに上がってきたのは、でっぷりと太った中年の男だった。
落札金額に沸き立っていた会場も既に静まり返り、少年をじっと見つめている。
……このイベントオークションでは、落札者は必ずステージに上がるという決まりがあるのだ。
「では、こちらの小切手へのご記入と、契約書へのサインをお願いします」
「いやだ! やめてよ!」
恐怖に震える少年の目の前で、小切手と契約書はスムーズに取り交わされた。
0063奴隷オークション 4/92015/05/22(金) 16:08:35.37ID:nziS6hFi0!
「ありがとうございます。
 ではこれより、記念式典を行います」
スタッフがケージを開け、暴れる少年を強引に落札者の前に引きずり出す。
逃げようと儚い抵抗を続ける少年の肢体を、どす黒い欲望にまみれた視線が無遠慮になめまわす。
「まずは首輪の授与ですね。こちらの名前はもう使えませんので、何か適当に名前を付けてあげてください」
学生証の名前を指差し、司会が落札者に問いかける。いつの間にか、司会の横にはドッグタグの刻印機が置かれていた。
「うーん……可愛い顔だし、可愛くて呼びやすい名前がいいな。ユウ、にしようか」
「ユウですね。かしこまりました」
カチンカチンと冷たい音を立てて、ドッグタグが刻印される。それを黒い首輪につけ、司会は落札者に手渡した。
「ではこちらを、ユウ君につけてあげて下さい」
「い、いやだ、やだっ!」
スタッフがもがく少年の髪を掴んで頭を固定し、首輪をはめやすくする。その間に落札者が首輪を取り付けた。
ユウ、と刻印されたドッグタグが無機質な蛍光灯の光を反射してきらめいた。
カメラ映像に切り替わっていたモニターに、その様子が大々的に映し出される。
「これはもういりませんね」
少年の目の前で、学生証に火がつけられた。ライターの火にあぶられて消し炭になって灰皿の底に沈む様を、絶望した表情で少年が見つめていた。
0064奴隷オークション 5/92015/05/22(金) 16:09:24.30ID:nziS6hFi0!
「では、いよいよ貫通式です」
司会が手渡したハサミを手に、落札者が酷薄な笑みを浮かべて少年に歩み寄る。その表情と刃物の輝きに慄く少年の首筋に、無慈悲にハサミがあてがわれる。
じょきっ、じょきっ。
緩慢に、だが確実に衣服を切り刻まれていく様子に、悲鳴を上げることすらできず涙を流して少年は震える。
あらわになっていく少年の肌に、観客達の目も釘づけだ。
数分前までは服だった布きれが少年の足元に散らばり、成長途上のしなやかな肢体が欲望と好奇の視線にさらされる。
「ああ、すまんが手錠はあるかね。後ろ手に拘束してほしいんだが」
「かしこまりました。今お持ちします」
予想の範疇だったのか、すぐさま手錠が用意された。拘束は手錠だけになったものの、恐怖のあまりに膝の笑った少年はそのまま床にへたり込んだ。
すすり泣きながらも必死で慄く体を引きずるように逃げようとする様は何とも哀れで、この場の全員の嗜虐心をあおった。
少年を無造作にうつ伏せになるよう転がし、腰だけを高く持ち上げさせる体勢を取らせた落札者は、そのまま指を秘孔に突っ込んだ。
「いっ、あ、なにっ」
「おお、締まる締まる。やっぱり初物はいいな」
カメラが移動し、指を入れられた少年の尻を映し出す。指から逃げようとする動きが、このアングルからだと誘うように腰を振っている風に見える。
ローションが追加され、ぐじゅぐじゅと卑猥な水音を立てて暴かれる秘部が映し出されていることに気付いた少年が、必死で首を振って抵抗する。
0065奴隷オークション 6/92015/05/22(金) 16:10:25.41ID:nziS6hFi0!
「っひ!?」
と、突然少年が悲鳴を上げてのけぞる。その声は苦痛というよりも快楽のためにあげられたものだった。
「お、ここか」
どうやら、指が前立腺をかすめたらしい。にやりと笑った落札者は、その場所を執拗に責め立てた。
陸に打ち上げられた魚のようにビクビクとはねる少年は、声を殺すこともできず断続的に嬌声を上げさせられる。
快楽に肌を紅潮させながらも怯えの消えない表情が、さらに会場のボルテージをあげていく。
いつの間にか突き入れられる指は3本になっていたが、初めての感覚に翻弄される少年はそんなことに気付く余裕などなかった。
「そろそろかな」
指を抜き、落札者が屹立した己のものを取り出す。くずおれた少年の腰を再び持ち上げ、入口に先端をあてがう。
「さあ、皆様、ユウ君のロストバージンの瞬間をご覧ください!」
「っぃぁああああ!」
赤黒い怒張を一気に全て突き入れられ、今までで一番大きな悲鳴があがる。無理矢理太いものをねじ込まれたため、限界を超えた粘膜が裂けて血を滲ませている。
赤みを帯びていた肌も一気に青ざめ、快感ではなく苦痛に震える少年を労わることもなく、落札者は手錠をはめた腕を引っ張った。
「どうだユウ、分かるだろ? 今、お前は、俺に犯されているんだ」
今までに意識して触ったこともないだろう自分の肛門と、そこに突き刺さった男のものを指で触らされ、少年の顔が絶望に歪んだ。
「やだ……やだ、たすけて……たす、けて……」
腰だけを高くもちあげた上でさらに腕を後ろに引かれて上体を反らさせられる苦しい体勢で涙を流す少年の表情がモニターにアップされる。
会場は、残忍な忍び笑いや囁きで静かにざわめいた。
0066奴隷オークション 7/92015/05/22(金) 16:11:29.33ID:nziS6hFi0!
「よしよし、それじゃあたっぷり中に出してやるからな」
片手で少年の腰をつかみ、片手で腕を後ろに引いたまま、落札者は腰を動かし始めた。
少年のことなど何も考えず、ただただ己の快楽のみを追求するその行為は、セックスというよりも少年の体を道具にした自慰に近かった。
もはや抵抗することもできずにされるがままに揺さぶられ、少年は涎と共に悲鳴まじりの意味をなさない哀願の言葉を垂れ流した。
目の前でかつての自分の身分を奪われ、大勢の人の目の前で男に犯されている事実を理性が受け入れきれず、実際に感じる快感混じりの苦痛との狭間で混乱しているのだ。
そんな少年の目の前に、不意にスタッフの一人が鏡を差し出した。
映っているのは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった自分の顔、「ユウ」という名前の書かれた首輪、
そして自分を後ろから犯している獣のような表情を浮かべた太った男。
「おらっ、ユウ、出すぞっ!」
愕然とする少年をよそに、突き上げる動きがさらに早くなる。
「やっ、やめてっ、やだああああああっ!」
悲痛な叫びをあげる少年の中にひときわ深く己のものをねじ込み、落札者が吐精した。
ドクドクと中で男根が脈打ち、精液がぶちまけられる感触が、限界だった少年の心に耐え切れないほどの衝撃を与えた。
0067奴隷オークション 8/92015/05/22(金) 16:12:15.17ID:nziS6hFi0!
「……あ……あ……っ」
ずるりと、少年の中から萎えた肉棒が引き抜かれた。完全に閉じきらず血と精液の混じったローションが流れ出る哀れな秘孔が、大々的にモニターに映し出される。
「おめでとうございます! これでユウ君も立派な性奴隷になれるでしょう!」
少年の強姦ショーを満喫した観客達が、笑いながら拍手を送る。
スタッフが、放心状態の少年を抱えて床にあおむけに寝かせる。手錠を外し、首輪に鎖をつけ、膝裏に手を回して股間をさらけ出させる体勢をとらせる。
着衣を整えた落札者が、スタッフから鎖を受け取って少年を見下ろす。落札者を見上げる少年の眦から涙が一筋零れ落ちたが、その瞳はもはや何の感情も映してはいなかった。
「それでは最後に、ユウ君に今後の意気込みを聞いてみましょう!」
司会が少年にマイクを向ける。マイクに拾われないギリギリの小さい声で、スタッフが少年に囁いた。
「いいか、今から言うことを繰り返すんだ。『ユウを、性奴隷にしてくださって、ありがとうございます』」
「……ゆうを、せいどれいに、してくださって、ありがとう、ございます……」
少年の虚ろな声がスピーカーから響き渡る。
「『ご主人様、これからユウをいっぱい犯してください』」
「……ごしゅじん、さま、これから、ゆうを、いっぱい……おかして、ください……」
肛虐の痕跡もそのままに、恥部を自らさらけだしながら卑猥な言葉を並べる少年の姿に、会場中から喝采と拍手が沸き起こった。
0068奴隷オークション 9/92015/05/22(金) 16:12:56.46ID:nziS6hFi0!
「いい子だね、ユウ。家に帰ったらたっぷり可愛がってあげるからね」
いやらしい笑みを浮かべた落札者が、靴底で少年の性器をぐりぐりと踏みにじった。
体重をかけない軽いものではあったため痛みはなかったが、既に壊れていた少年の心を更に砕くには十分すぎた。
「素晴らしい意気込みでしたね。では、皆様、性奴隷のユウ君にもう一度盛大な拍手をお送りください」
ステージに大きな布製のトランクが持ち込まれた。ボールギャグとアナルプラグをはめられた少年が、あられもない体勢のままトランクに詰め込まれる。
最早、少年が普通の人間のような生活を送ることは不可能だろう。所有者の欲望を一方的に満たすためだけの道具として、身も心も凌辱されつくすのだ。
身動きの取れない暗闇の中、タイヤの転がる単調な音が遠ざかっていく司会の明るい声を消していく。
「こちらはお客様のお車に運ばせていただきます。また、今回撮影しました映像データも添付させていただきます。ぜひお楽しみ下さい。
 調教サービス・中古品下取りサービスも行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
 他の商品の落札結果につきましては、受付前のボードに表示させていただいております。
 お客様各位でご確認の上、お支払いと商品のお引き取りをお願いいたします。くれぐれもお間違えのないよう――」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
0070風と木の名無しさん2015/05/22(金) 21:28:14.04ID:d2ofYfN50
あ、書けた
良いものを読ませてもらいました!ありがとう
ユウ君不憫可愛い
0072風と木の名無しさん2015/05/30(土) 18:16:12.62ID:MuR0+zjV0!
>>71
確認したけど落ちてないよ
0073風と木の名無しさん2015/06/04(木) 17:11:10.42ID:XQOJCz+80
>>45-52
うわああよかったねおめでとう!
くっついてくれて安心したよおおもう
そしてエロくて最高ですありがとうございます!
0074風と木の名無しさん2015/06/22(月) 02:56:48.30ID:RYbF2Xfd0
昇天、六代目三優亭円樂×桂唄丸
病気ネタなので、苦手な方は注意

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「焼香を上げに来ましたよ、唄丸師匠。なんだァ、まだ早かったか。」
いつもの昇天でのように軽口を叩きながら、病室に入ってくるのは六代目三優亭円樂だ。
「五月蠅いよ全く。しかしよくもまあ飽きもせずに来るもんだね。」
「死人の見舞いに何度も来るほどアタシも暇じゃあありませんよ。」
そうは言いつつ、今回の入院では暇さえあれば見舞いに来る。

「お身体の具合はどうです。きちんと眠れていますか」
「食事はもうお召し上がりになりましたか」
「気分は悪くないですか」
これも、毎回繰り返される問答だ。

「ああ、アンタは看護婦かい。悪くありませんよ、眠れていますし。」
心配されているのは痛いほどわかるので、つい元気な振りをしてしまう。
相変わらず、眠りは浅く、体が休まっている気はしない。
本当に復帰できるのかという不安から、さらに眠りが遠くなるという悪循環に陥っていた。

「それはよかった」
含まれた嘘に気付いているのだろう、円樂の表情は強張っている。
「まあなんだ、寝てばかりで退屈しているんだ。少し世間話でもしようじゃないか。」
唄丸は茶を入れてくる様円樂に促した。
「帰ってくるまでちゃんと生きていてくださいよ。」
「さっさと御行きなさいよ。」
0075紫緑 2/52015/06/22(月) 02:59:28.66ID:RYbF2Xfd0
はたして、無事に茶を入れてきた円樂であった。
昇天の司会の話、講演会の話、弟子の話、古典の話、新作の話。
病人食は悪くない味だが毎日だと飽きるだの、不味い菊蔵ラーメンが恋しいだの、とりとめのない話ばかりをした。
話疲れたせいか、リラックスしたせいかはわからない。
唄丸を心地よい眠気が襲った。

「師匠、眠そうですね。」
「…折角来てくれているのに、悪いね。どうも今日は眠くって仕方が無い。」
「いいえ、お気になさらず。お眠りになってください。適当なところで帰りますから。」
「………ありがとう。皆にもよろしく言っておいてくださいね。」
「…ゆっくりお休みになってください。」

やがて、規則正しい寝息が聞こえてくる。
上下する胸は余りにも頼りなく、今にも動きを止めてしまうのではないかと不安になる。
ベッドに収まっている体が余りにも小さく見え、円樂は泣きたくなるのをぐっと堪える。
「アジャラカモクレン、キューライソ、テケレッツノ、パ」
思わず小声で呟く。
ああ、死神が本当に居るのならば、己の蝋燭とこの愛しい人の蝋燭を入れ替えてはくれないだろうか。

いつから、こんな特別な感情を抱き始めたのかはもう覚えてはいない。
この人の落語を聞いた時から、もうこの人に落ちてしまっていたのかもしれない。
尊敬はやがて情愛にかわり、いつしか自分の中で何物にも代えがたい存在となっていた。

お互い家庭もある。子供もいる。
今更己の想いを告げて、どうこうなろうと言う気は毛頭なかった。
密かに思慕し、近くでいつも通り、笑いあっていられればそれ以上望むことは無い。
それで納得していた筈だった。
0076紫緑 3/52015/06/22(月) 03:03:39.79ID:RYbF2Xfd0
この日、唄丸の腕が布団からはみ出したのが悪かった。
ああいけねえ、身体が冷えちまうよと言いながら、布団の中に仕舞おうとその細い腕を手に取った。
その細いこと、軽いこと。
思わず震えてしまった。
残されている時間が余りにも短いことを円樂は悟った。

気付けば、身を乗り出して接吻をしていた。
互いの唇を触れさせるだけの、ほんの短いものだったが、円樂の心臓は壊れんばかりに早鐘を打っていた。
ああ、ああ、とうとうやってしまった。
今までずっと、何十年も、この衝動には上手く蓋をしてきたのに。
もしも今師匠が起きたら、いつも通り何か軽口を言って、笑って誤魔化してしまえばいい。
そうわかっているはずなのに、頭は上手く回らないし、おまけに涙が止めどなく溢れてくる。
情けない、顔を手で覆い嗚咽を漏らしながら泣くしか出来ないのだ。
お願いだ、どうか起きないでくれ………………

「樂さん」

不意に、声をかけられて身体が大きく跳ねる。
顔を見ることが出来ない。
「……おはようございます師匠。一体いつから起きていらしったんで?」
「アンタが私の手を取って、ぶるぶる震えていたあたりからかねぇ。」
起きていた。気付かれていた。
「いやね、ビックリさせた拍子に五代目円樂が迎えに来るのを見られるんじゃないかと思ってね…」
だめだ、何にも面白くない上に声が震えている。
嘘だと言うのが明白だ。
沈黙が流れる。
0077紫緑 4/52015/06/22(月) 03:06:51.38ID:RYbF2Xfd0
「樂さん、顔をお上げよ。…ああ、何だい男前が台無しじゃあないか。」
手ぬぐいを渡され、涙を拭く。
「いや、どうも夢を見ていたようでね。そろそろ本当に五代目が来るんじゃないかね。」
気を使ってくれているのだ、笑いながら唄丸は言う。
ここで誤魔化せ、そうだ、笑っていつものように茶化せ。
師匠が助け舟を出してくれているんだ。乗らないなんてとんだ与太郎だ…

「アンタのことが、好きなんだ。」
思っていることと全く違うことを言うだなんて、これは本当に噺家の口だろうか?
震えて震えて、絞り出すような、何と酷い声だろう。

「ずっと前から、もう思い出せないくらい前から、いや、アンタの落語を初めて聴いた時から、ずっと好きだった。」
やめろ、やめてくれ。
今まで築いてきた、何十年来の思い出が走馬灯のように駆け巡る。
「…どうこうなりたいって訳じゃない。座布団引っぺがされて、馬鹿やって、アンタと一緒に笑っていられれば、それだけでいいんだ…」
ああ、おしまいだ。なにもかもおしまいだ。

「だからさ、まだ死ぬなよ。頼むよ。死なないでくれよ。なあ、唄さん…」
ああ、また泣くなんて女女しいね、私も。
涙腺崩壊で自分も入院しようか、などという馬鹿な考えが浮かぶ。

小さな嗚咽が聞こえてくる病室、やがて唄丸がポツリと呟いた。

「馬鹿だね、待ち草臥れてすっかり爺になっちまったよ。」

(了)
0078紫緑 5/52015/06/22(月) 03:10:28.85ID:RYbF2Xfd0
■後日譚■

「クソジジイめ、禿鷹から不死鳥になりやがって。」
何度目かの唄丸昇天復帰のお祝いだ。
唄丸は上機嫌で菊扇から酒など注がれている。
恥ずかしい思いをして損したと毒づきながらも、唄丸の元気な顔を見られるのが嬉しくてたまらない。

お互いの気持ちが同じだったことをあの日知った。
そして、両者にどうこうなりたいという気持ちがない事も。
しかし円樂にはそれで十分だった。
死ぬ前に、お互いの気持ちを確認し、心を通じさせることが出来た。
これ以上、何を求めることがあるだろうか。
そんな感慨に耽っていると、ふいに唄丸に肩を叩かれた。

「樂さん、今回は色々と世話をかけたね。本当にありがとうよ。」
「いやなに、大したことは何もしていませんよ。ご無事で何よりです。」
「お礼と言っては何だがね、今度一緒に湯治にでも行こうよ。知り合いに良いところを教えてもらったんだ。」

元々仲の良い二人だ。会話に何もおかしいところはない。
円樂の心臓が早鐘を打っていることを除けば、至って普通の会話だ。

「ええ、是非ともご一緒させてください。歌丸師匠には長生きしていただかなければなりませんからね。」
「そうだよ、まだまだ生きなきゃね。」

唄丸が意味深に艶っぽく笑ったのを、円樂は見逃さなかった。
「じゃ、日程についてはまた後で連絡するから。」
足取り軽く仔遊三、行楽の二人に酒を注ぎに向かう唄丸を見て、思わず苦笑いする。

クソジジイ改めエロジジイ。
元気になって何よりだ。
まだまだ一緒に馬鹿やりましょう。

(了)

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

>>74ですが、「紫緑 1/5」が抜けていました…すみません
唄丸師匠の復帰を、心から祈っています
0080夜が明けて[1/7]2015/06/29(月) 13:06:49.30ID:++qbMMUv0
蟲l師の「夜lをl撫lでlるl手」より、銀×辰。エロなし
単行本133-34ページの間にあった出来事の捏造妄想です

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

……まずい。待て、出てくるな!!

その声を耳にしたときには、もう、手遅れだった。
木という木、その枝という枝にとまった夥しい数のカラスどもが、
文字通り、辰を喰い殺そうと襲いかかってきた瞬間だった。
翼が、爪が、嘴が。身を守る術を何も持たない辰の身体を、
容赦なく打ち据え、突き、抉った。
声すら上げられなかった。

──たつにい、たつにい。

悲鳴にも似た弟の声が、凄まじい羽音や鳴き声に混じって聞こえた。

──顔を伏せろ、目を守れ。

蟲師の言葉に従おうにも、自分が立っているのか倒れているのかもわからなかった。

(腕が、右腕が、灼けるように、痛ぇ!)
(俺、このまま、死ぬのか……?)

「じっとしてろ!」

声がすると同時に、誰かの手で地面に引き倒された。
訝る間もなく、今度はその誰かの手で布を被せられる。
闇の中、何が起こっているのかもわからない。
だが蟲師が何かをしているのは確かで、あれほど激しかった鳥たちの攻撃が急速に遠ざかっていく──。
0081夜が明けて[2/7]2015/06/29(月) 13:08:07.49ID:++qbMMUv0
────静寂。

自分の荒い呼吸音の他は、僅かの物音しか聞こえなかった。

「……もういいぞ」

蟲師の声がした。
被せられていたコートを捲り上げると、今にも泣きそうな表情で自分の顔を覗き込む弟の顔と、シャツ姿の蟲師の背中があった。
「何を……したん、だ?」
血にまみれた辰は息も絶え絶えに、蟲師──ギンコという名の──に問うた。
問われたギンコはすぐには答えず、まず外套から煙草を取り出すと、火を点け、
ふうーっと長く紫煙を吐き出し、それからおもむろに口を開いた。
「……別に。大したことは何も。ただ、鳥が怯える蟲をちょいと呼び寄せただけ──
だが、辰はその説明を最後まで聞けなかった。
あまりの痛みと疲労とで、意識を先に手放してしまったから。
0082夜が明けて[3/7]2015/06/29(月) 13:09:24.01ID:++qbMMUv0
──卯介、薬箱、重くねえか?
──大丈夫だよ、ギンコさん。

……次に目覚めると、辰はギンコの背に負われ、山を下る最中だった。
怪我のひどい箇所には応急処置がなされ、血もあらかた拭われていた。
「よお。お目覚めかい?」
「辰兄、大丈夫? 痛くない?」
心配ねぇよ、と弟に笑いかけようとした辰だが、上手く行かなかった。
──右腕の感覚が、なかった。
「俺、生きてるのか?」
「あー、死んではないようだがね」
白髪の蟲師は飄々と答える。彼が何を考えているのか辰には今ひとつわからない。
「辰兄、ギンコさんが助けてくれたんだよ」
弟の卯介は、目にいっぱいに涙を溜めながらも、嬉しくて仕方がない、
といった様子で声を弾ませた。病気がちで白い頬も、今は興奮でうっすらと上気していた。
その卯介に、ギンコは声をかける。
「卯介、一足先に村に戻って、医者を呼んでおいてくれ」
──うん、わかった。
卯介は村に向かって足を早めたが、数歩のところで振り向き、
気遣うように兄を見やると、今度は意を決したように一目散に走り出した。
その背中を目で追いながら、ギンコは言った。

──いい弟を持ったねぇ。
──ああ、俺には勿体ないぐらいだ。
  ギンコさん、あんた、家族は?
──いない。
──……そうか。
0083夜が明けて[4/7]2015/06/29(月) 13:10:45.43ID:++qbMMUv0
山の地面を踏みしめる規則的な音だけが周囲に響く。
時折、山鳥が短い声で鋭く鳴くのが聞こえ、そのたびに辰はびくりと身を硬くしたが、ギンコが「心配ない」と背中越しに声をかけた。

やがて、道程の半分ほどを過ぎた頃、辰は重い口調で問うた。

──なぁ、俺、ちゃんと元の俺に戻れるかな?
──ん?
──卯介に聞いたんだろ? 親父のこと。

確かに、聞いていた。
身に宿した腐酒のせいで蟲の側に引っ張られ、その命ずるままに無益な殺生を
繰り返していたという、兄弟の父。
その最後は、人の理から外れて完全に蟲となり、ついに人の目には映らざるモノとなる、
──というものだった。
ギンコは紫煙を吐き出すと、空中にゆらゆらと漂い流れるそれを眺めながら、青年にかけるべき言葉を探した。

『処方通りに光酒を飲んで、精がつくもん食って、しばらく安静にしてろ。そうすりゃ治る』

おそらくこう言えば事足りるはずだが、辰が欲している言葉はそれとは違うはずで。
やがて吸いさしの煙草が終わり、次の一本に火を点ける頃、蟲師は話し始めた。
0084夜が明けて[5/7]2015/06/29(月) 13:12:08.43ID:++qbMMUv0
──話を聞く限りじゃ、なるほど確かにお前さんの行動は親父さんのそれとよく似ている。

──……だよな。
──だが。
──……だが?
──だが、婆さんが死んで、母親が逃げ出して、父親が消えちまっても、
  お前さんはずっと弟の側にいて、守ってきた。……違うか?
──……。
──それに、覚えてるか?
  腐酒の病のことを教えたとき、お前はすぐに弟の身を案じた。
  その治療法を知れば自分のことのように喜んだ。
  ついさっき──蟲に半ば操られてるときでさえ、
  お前は真っ先に、卯介の分の薬を置いていくように言ったんだ。
──……。
──お前さんはいつだって優しい辰兄だったんだし、これからもそうだろうよ。

辰からの返事はなかった。
が、ギンコは自分の言葉が相手に確かに伝わっていることを感覚的に理解していた。
0085夜が明けて[6/7]2015/06/29(月) 13:13:15.70ID:++qbMMUv0
「それにしても重いなぁ」
ギンコは足を止め身を揺すると、背中からずり落ちそうになった辰の身体を負ぶい直す。
「こりゃ割に合わんぞ」
わざとらしくぼやいて見せるが、無論そこに悪意などはなかった。
「その上、上等な洋物のシャツまで血で汚しちまった」
対する辰も軽口を返す。
ギンコの服は、見れば辰の血やら泥やらで台無しだった。
「なぁに、洗えば落ちるさ」
──それよりも。
それよりも、辰の語尾が僅かに震えていることが問題だった。
何と不器用な男か、とギンコは思う。
わざわざそのために、弟の目を遠くにやったというのに。
だから、無粋を承知でギンコは口に出して言う。

「──なぁ、泣いてもいいんじゃないか?」
0086夜が明けて[7/7]2015/06/29(月) 13:15:55.44ID:++qbMMUv0
──その言葉が、引き金となった。

肉親を次々と失い、頼るべき相手もいないまま、それでも弟の前では気丈に振る舞ってきた兄。
実父に殺されるかもしれないという恐怖。いざとなればその父を殺めてでも弟を守らねばという義務感。
そして、その恐れていた父の姿に自分自身が近付いていくことへの不安──。
胸の内でずっとわだかまってきたものが氷解する瞬間だった。
すすり泣きは程なくしてくぐもった嗚咽に変わったが、それが号泣となるのにも時間は掛からなかった。
シャツの左肩の辺りが力いっぱい握りしめられ、そこに大粒の涙がとめどなく零れ落ちた。
背中で声を上げて泣く辰の身体は、日頃ギンコが背負う薬箱などよりもずっと重かった。
だが、彼が幼い頃から背負ってきたもののほうが、遥かに重いはずで。

二人のほかには誰もいない山の中、慟哭が木霊する。

狐が一匹、驚いたようにこちらを見ると、慌てて茂みの中に飛び込んだ。

(少しゆっくり行こうかねぇ……)

ギンコはそれと気付かれぬ程度に歩調を緩める。
ほんの少し──せめて、この家族思いの優しい青年の涙が、村に着く頃に乾いている程度には。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
久々にアニメ観たら再燃したので投下
辰兄は一話だけには惜しい良キャラでした
0088風と木の名無しさん2015/07/01(水) 02:53:19.50ID:L8GVcIuh0
>>80
思わず単行本引っ張り出して読み返してしまった
ごちそうさまでした!
0089旅路に歌と橘を 1/82015/07/02(木) 17:06:23.38ID:y9qsA0470
昇天、六代目三優亭円樂×桂唄丸
>>74の続き、退院後のお話となっています
ぬるめのエロシーンありますが、本番はしていません

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

とある温泉地、とある旅館の一室にて。
「全くもう、今回ばかりはひやひやしましたよ」
いつもの毒はなりを潜め、安堵にゆるんだ表情で円樂は呟く。
桂唄丸何度目かの入院、今回は少し長かったものの、無事に高座と昇天に復帰することが出来た。
「いや、樂さんには心配かけたね。沢山見舞いに来てくれてありがとうよ」
歴代名人のカセットテープを見舞いに持って来たりと、円樂は足しげく唄丸の病室に足を運んでいた。
その見舞いのうちの一回、円樂は衝動的に自分の気持ちを吐露してしまう。
信頼のおける噺家仲間以上の、恋慕の情を抱いているということを。
そして、唄丸も同じ感情を抱いていることがわかった。
円樂は、墓場まで持っていくつもりであった思いを伝えられただけで、もう十分すぎるくらいだったのだが。
互いの残り時間が見えて来たからこそ、唄丸も素直になれたと言えるだろう。

「あたしからの、ささやかなお礼だ。ひとつゆっくりしていって頂戴」
そう笑いながら唄丸は円樂の盃に酒をなみなみと注ぐ。
おっとと、などと言いながら、円樂は実にうまそうにそれを飲んだ。
唄丸が知り合いから教えてもらったというこの旅館は、建物、温泉、料理、酒、もてなし、どれをとっても素晴らしかった。
素晴らしい景色を眺望できる露天風呂につかり、粋な柄の浴衣に袖を通したふたりは、料理に舌鼓を打ち、旨酒を酌み交わしながら、話に花を咲かせた。
一時期は食事を摂れなくなり体を壊した唄丸だが、療養のかいあって今ではうまそうに刺身なんか食べている。
円樂はそれをにこにこと嬉しそうに眺め、酒を飲む。
ああ、これ以上の肴があるかい。
0090旅路に歌と橘を 2/82015/07/02(木) 17:10:32.78ID:y9qsA0470
「いやあ、本当に美味しかった!ご馳走様でした」
「そいつぁ何よりだ。あたしはもう一風呂浴びてくるけど、樂さんはやめときなね。アンタちょっと飲み過ぎだよ」
旅館の仲居さんが布団を敷いてくれる傍らで、そんな会話をする。
「そうですね、あんまり美味しいからって少し飲み過ぎました。先に寝ちまってたらごめんなさい」
「構わないからゆっくりお休みなさい。明日は少し早い電車に乗るからね。じゃあ行ってくるよ」
布団を敷き終えた仲居さんと共に、風呂道具を持って唄丸も部屋を出ていった。
敷かれた二組の布団の内の一組にたまらずもぐりこむ。
思いが同じだったからって別段どうこうなる訳じゃないんだ、一緒に居られるだけで幸せだ…そんなことを考えている内に、円樂は心地良い眠りに落ちていった。
もっとも、その眠りはすぐに破られるのだが。

「し、師匠?!」
「何だい」
「何だいじゃないですよ。あちらに布団があるじゃあないですか」
眠気が一瞬で吹っ飛んだ。風呂から戻った唄丸が円樂の布団にもぐり込んできたのだ。
「人肌恋しい季節になってきたね」
「まだ八月ですよ」
「全く五月蠅いねえ。あたしゃ年中冷え性なんだ、あっためとくれ」
予想外の展開に頭の処理が追いつかない。くらくらするのは酒のせいだけではないだろう。
どうにも私の心臓は、このお方に振り回されてばかりだ。
「…師匠、こんな風にされると、私はどうにも勘違いしてしまいます」
「勘違いじゃないよ。あたしも樂さんのことを慕っているんだ」
夢でも見ているんじゃないのか、円樂は己の理性が崩れる音を聞いた気がした。
「冥土の土産に、こういうのも悪かないだろ」
唄丸は楽しそうにくつくつと笑いながら言う。

思いを通わせたその後のことは考えないように、考えないようにしてきたというのに。
もうどうなっても知らないぞ、ジジイ。
焚き付けて、煽ったアンタが悪いんだ。
0091旅路に歌と橘を 3/82015/07/02(木) 17:12:53.95ID:y9qsA0470
「唄丸師匠」
円樂は唄丸の細い体躯を自分の方に引き寄せる。
「三途の川で、舟が沈んで溺れちまうくらいの土産を持たせてあげますよ」
耳元でそう囁くと、円樂は唄丸を抱き締めた。
硝子細工を触るように、壊れないように、そっと。かつ、強く。
かつて、これほどまでに心を砕いた抱擁をしたことがあったか。
今まで抱いたどんな女にも、したことがない。

「師匠、アンタやっぱり痩せ過ぎです。もっと体重増やしてください」
「そういう樂さんは大分丸くなったねえ。色んなところが」
腹の贅肉をつままれる。分けてあげたいと心底思う。
「酒をしこたま飲んでたせいかね、あったかいよ」
「もっとあたためて差し上げますよ」
そう言うと、円樂は唄丸の唇を塞いだ。
舌を滑り込ませると、驚いたように体が跳ねた。―――やりすぎたか?
「師匠、嫌だったらきちんと拒んでください。…このままでは、私はどこまで行ってしまうか、わからない」
「大口叩いといて今更何言ってるんだい。こうなりゃ好きなだけ付き合いますよ。もっとも、老いぼれだからね。どこまで相手できるかわからないけれど」
「…本当に、いいんですね?」
「くどい!男に二言はありません」
そう言うと、今度は唄丸の方から口づけてきた。
―――ああ、このお方の覚悟を疑うなんてのは野暮な与太郎のすることだね。
合せられた唇を割って舌をすくい上げ、絡め取った。唾液の水音が小さく響く。
この人を、どろどろになるまで甘やかして、気持ちよくさせたい。
円樂は、唄丸の浴衣の帯に手を掛ける。
0092旅路に歌と橘を 4/92015/07/02(木) 17:16:07.59ID:y9qsA0470
「唄丸、覚悟!」
いつものように茶化しながら、浴衣の帯を解く。そうでもしないと、とてもじゃないが心臓が持たない。
「こんな骨と皮、今更見たって楽しかないだろ」
されるがままに浴衣を脱がされながら、半ば呆れたように唄丸は零す。
円樂は掛け布団を脇にやり、唄丸を組み敷く体勢になった。
細い体躯が、薄くつけられた室内灯のもとに照らされる。
「楽しいですよ、とっても」
耳元に口を近づけながら低く囁く。息がくすぐったかったのか、唄丸の体が小さく跳ねる。
耳に、広い額に、頬に、口に、首に、何度も唇を落としていく。その度に一々反応する唄丸が愛しくて仕方が無い。
温泉に入る時に見た時は思わなかった、思わないようにしていた劣情が首をもたげる。
「…ちょっと、あたしだけ真っ裸で馬鹿みたいじゃないか。樂さんも御脱ぎよ」
「黒いお腹がそんなに見たいだなんて、ンもう唄丸さんったら物好きねぇ」
シナを作って冗談を言いながら浴衣を脱いでいると、渋い顔をしてアンタにだけは言われたくないよと零された。
二人とも生まれたままの姿になり、視線を合わせる。この状況が何とも滑稽で、どちらともなく笑い出した。
円樂は再び唇を重ねると、舌と舌を絡めていく。
唇を離し、首筋、鎖骨、腕、薄い胸板、腹にも口づけの雨を降らせた。
重ねた肌からお互いの体温が混ざり、どんどんと火照っていくような錯覚を抱く。
0093旅路に歌と橘を 5/92015/07/02(木) 17:19:02.23ID:y9qsA0470
「っ、はあ、女の気持ちがわかるようだね。こりゃあ噺に役立ちそうな土産だ」
ああ、このお方の頭の中はいつだって落語のことでいっぱいだ。
そういうところも敬愛してやまないのだが、今夜は。今夜だけは。
「落語のことも、他のことも、何も考えないでください。私のことだけ見ていてくれませんか」
円樂は、唄丸の目を見つめながら懇願する。我ながら女女しい頼みだと内心苦笑した。
「何だい、樂さん。落語に妬いてるのかい?」
目を細めながら、唄丸は実に楽しそうに笑った。そうだ、妬いているのだ。老人を夢中にさせる落語に。
「そうです。どうにも悋気が強くってね。今、この瞬間だけでいい。―――岩男さん、アンタのすべてを私にください」
「殺し文句だね。…あい、わかった。アンタのことだけ見ていますよ。泰道さん」
まっすぐ目を見られながらそんなことを言われたら、もう止まらなかった。

円樂は唄丸に口づけ、口の中を蹂躙していく。唄丸の耳に届くように、わざと大きな音を立てながら。
絡めた指と指が時折思いがけず強く握られ、唄丸の良いポイントが段々とわかってくると、そこばかりを執拗に攻め立てた。
長い口づけの後口を離すと、最早どちらのものともわからない唾液がつ、と一筋垂れた。
「樂さん、若いね。先代の意思を継いだかのように馬並みだね」
そんな円樂を恨めしそうに見ながら、唄丸は円樂の昂ぶりにその細い指を添える。
今度は円樂が体を跳ねさせる番だった。ゆっくりと撫でられ、刺激に思わず声が上がりそうになる。
「師匠こそ、よくおっ起ちましたね。生涯現役は落語だけじゃなかったとは、いや流石です」
この齢できちんと勃起していることに少し驚いたが、自分の愛撫に感じてくれているのだと思うと胸がいっぱいになった。
腹から、太腿、ふくらはぎに何度も唇を落とし、屹立に手を添えると手でゆっくりと愛撫し始めた。
0094旅路に歌と橘を 6/92015/07/02(木) 17:22:58.07ID:y9qsA0470
「はあ、人の陰茎ってこんな風になっているんですねえ」
まじまじと唄丸のそれを見つめながら、感動したように円樂は言う。
唄丸は時折びくびくと体を震わせながら、そんな野暮なことはいうもんじゃないと上ずった声で窘めた。
「気持ちいいですか、師匠」
「見りゃ、わかんだろ」
「いや、わかりませんね。顔を隠されちゃあ」
顔を覆っていた腕を優しくどけてやるとその表情はもうすっかり蕩けていて、円樂はまたぞくりと身を震わせる。
「もっと気持ちよくなってください」
そう言うと、円樂はそっと鈴口に音を立てて口づけ、そのままゆっくりと咥え込んでいった。
唄丸は大きく体を震わせ、甘い声を上げた。唾液をたっぷりと塗るように、顔を上下に動かしてやる。
「っ、いけません樂さん。こんなことしちゃあ」
「男に二言はない、ですよね?気持ちよくなかったらやめますけれど、お顔を見る限りそんなことは無さそうですね」
円樂はにっこりと笑うと、また口淫を再開する。口づけの時とはまた違う、いやらしい水音が響く。
時折口を離し、唾液で濡れたそれを手で愛撫してやる。眼を閉じ、快楽に身を委ねている姿がどうしようもなく愛おしい。
本当に悪い奴だ、腹黒、などと喚く声が聞こえた気がするが、全て笑いながら受け流す。
甘い声でそんなことを言われても、私を煽るだけですよ、師匠。

唄丸が目を開けると、満足げな笑みを浮かべ、実に楽しそうに手淫している円樂の姿が目に飛び込んできた。この野郎。
「止めとくれ」
ぴしゃりと唄丸に言われると、円樂は素直に手を止めた。
「すみません、痛かったでしょうか」
それとも、調子に乗り過ぎただろうか。さっと、表情が翳る。
「立ちなさい」
「は」
思わず、間の抜けた声が出る。もどかしそうに唄丸は続ける。
「わからない人だね。やられっぱなしは性に合わないんだよ」
皆まで言わせんじゃないよ、この与太郎。早くしなさいと毒づかれ、円樂は大人しく立ち上がった。
めまいがしたのは、酒のせいでも、急に立ち上がったせいでもないだろう。
0095旅路に歌と橘を 7/92015/07/02(木) 17:25:18.36ID:y9qsA0470
円樂のそれを前にし、きちんと正座をしてことに及ぼうとするのが少しおかしかった。
恐る恐る、といった風に口を近づけると、ゆっくりとその中に収めていく。
「師匠っ…、気持ちいい、です」
勝ち誇ったような表情で、唄丸は円樂を上目づかいに見る。やっぱりわかって煽っていやがるな、このジジイ。
始めはぎこちなかったものの、やがてコツをつかんだのかストロークが深くなる。
円樂が唄丸の頭を撫でると、鼻にかかったような甘い声が漏れ、円樂は思わずぶるりと震えた。
快感、興奮、罪悪感、背徳感、すべての感情がない交ぜになった身震いだった。
まずい、このままだと感極まって果ててしまいそうだ。
円樂は唄丸を自分の屹立より離し、折角だから、といって座って向かい合った。
唾液まみれになった互いの陰茎を近づけると、手でまとめて上下にこすり合わせる。
「ふっ、ん、中々悪くない、じゃないか……はあ、あ」
唄丸は、もう嬌声を隠すことも忘れているようだった。
いつも大勢の人間に向けられて発されるあの色ある声音を、今自分は独り占めしているのだ。
それが男をたまらなく興奮させた。
「そいつぁ、何よりです。ふっ、私も気持ちいい、ですよっ…」
絶頂が近い事を知りつつ、この時が終わるのが惜しく、押し寄せる快感の波に円樂は必至で耐えた。

「―――あたしはもう、達してしまいそうだよ。最後に、どうか口づけをしてくれないか。泰道さん」
「私も、っそろそろ………最後だなんて、やめてください。いつでもして差し上げますよ」
円樂は唄丸を愛おしそうに見つめながらそう言うと、もう何度目とも覚えていない口づけをした。
優しく、激しく舌を絡めながらも、手の動きは休めない。もうどこから水の音がしているのかわからなくなっていた。
飛びきり甘い嬌声が上がったかと思うと、唄丸は絶頂を迎えた。
その声を聞いてしまったら、もう駄目だった。
「―――ッ」
間もなく円樂も絶頂に達した。
お互いの吐き出した精が混ざり合って零れ、ひどく熱く感じた。
0096旅路に歌と橘を 8/92015/07/02(木) 17:28:47.87ID:y9qsA0470
熱い息を吐きながら余韻に浸った後、風邪を引くといけねえと言いながら浴衣を着直して同じ布団にもぐり込む。
円樂の腕の中に抱かれた唄丸は、間もなく規則正しい寝息を立て始めた。
本当に、今にも壊れてしまいそうな心もとなさだ。
だが、確実に今私の腕の中で心の臓を動かし、息をし、体温を共有している。
本当に、これ以上の幸せがあるものだろうか。
円樂は満ち足りた気持ちで眠りに落ちていった。
もっとも、その眠りはしばらくして破られるのだが。

「樂さん、起きなよ。風呂に行くよ」
「へえ、師匠。おはようございます……なんです、まだ五時じゃないですか」
寝ぼけまなこをこすりながら、抗議する。
「老人の朝は早いんだよ。第一、汗かいちまったのはアンタのせいなんだからね。背中のひとつくらい流しなさいよ」
そう言われ、昨晩の出来事が鮮明に蘇って来た。眠気が一瞬で醒める。
「はいはい。おじいちゃん、お風呂に行きましょうねえ」
照れ隠しに、いつもの大喜利でのように冗談を言いながら布団から抜け出、湯を浴びに行くのであった。

これまた絶品の朝食を摂り、東京へ向かう電車へ乗り込んだ。
ボックス席が丁度空いていたので、向かい合って他愛もない話をしながら心地よい振動に揺られる。
ふいに会話が途切れ、円樂と唄丸は窓の外の景色を眺める。
ぽつんと、唄丸が呟いた。
「三途の川で溺れるには、まだまだ土産が足りないね」
そう言うと、唄丸は円樂を見据えながらくつくつと笑うのだった。
ああ、こりゃあこのお方はまだまだ元気そうだ。

楽しそうに笑う男の隣にある車窓の景色が、後ろへ後ろへ飛びすぎる。
風と共に流れてゆく萌える山々は見慣れたいつもの着物の色と重なり、身震いする程美しかった。
0097旅路に歌と橘を 9/92015/07/02(木) 17:31:29.49ID:y9qsA0470
■後日潭■

「この歳になって益々色気が出て来たというのも、何というか少し複雑だね」
女の演技に益々色気が出たと最近評判の唄丸であるが、素直に喜ぶことが出来ないようだ。
「見ているとぞくぞくしますよ、師匠」
『土産』を持たせる度、噺に益々艶が出てきているのを最も間近で見ている男が悪びれもせずにそう言う。
「ふん、相変わらず若いね。血圧上がりすぎてあたしより早く逝っちまうんじゃない」
「いやいや、芸に益々磨きがかかるのは素晴らしいことですよ、師匠」
「…そうかい」
「ゲイだけにね」
まんざらでも無さそうな色を浮かべていた唄丸だが、小声で囁かれた碌でもない洒落に見慣れた渋い表情になる。
「…座布団剥がしに山田くんを呼んで来ようか」
「そいつぁ歓ゲイし難いですねえ」
「いやだよ、くだらない」
二人は顔を見合わせ、秘密を共有する子供たちのように笑った。

自分はこのお方を見送らねばならないだろう。
その瞬間は想像もしたくないが、確実にやってくる。
三途の川で溺れる位沢山土産を持たせるから、どうか向こうで笑って待っていて欲しいと円樂は思う。
それまでに、絶対にアンタを超えてみせる。
アンタが思わず惚れ直しちまうような名人になってみせるから、首を洗って待ってろよ、ジジイ。

リアリストであると自負している男であるが、この時ばかりは名前も知らぬ、姿も知らぬ神に祈るのだった。
願わくば、少しでもこの幸福な時間が続いて欲しいと。
強いていうなら、落語の神か。

(了)

円樂さんがどうにもヘタレになってしまいましたが、師匠のお身体を心配しているからこそ、ということでひとつ…
ふたりのいつものやりとりを見られる日を、首を長くして待っています
スレ占拠、途中でのナンバリングミス、大変失礼いたしました
0098風と木の名無しさん2015/07/10(金) 12:39:32.53ID:wv4zOCdW0
>>74
>>89
御馳走様です…!!
二人の粋な会話と互いを思う心情に禿げ上がりました。
0099風と木の名無しさん2015/07/20(月) 16:19:34.27ID:ORwsyiF60
管庫にてキム×カラに燃え滾ったあまり勝手に三次創作をしてしまいました…
※本家様ではありません

キムタクと唐沢が同棲してるという設定です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



「今週の休み、水族館とか、行きません?」
夕食も終わり、風呂にも入り、あとは寝るだけとなったときに空沢さんにそう持ちかけた。
「はぁ?」
案の定怪訝な反応が返ってくる。
なんだか最近、そういう態度までかわいいとか思っちゃうんだよな俺。
思わずにやけてしまっていたのか、空沢さんはでかい目でジーっと俺を見てきた。
「会社の女の子がこないだ彼氏と夜の水族館行ったらしいんすよ。で、あ、俺も空沢さんと行きてえな〜と思って」
「馬鹿か」
空沢さんは馬鹿馬鹿しい、と言わんばかりに溜息をつき、こっちに向いてた顔をテレビに戻した。テレビの中でよく分からないロボットが戦闘を繰り広げている。
こういう子供趣味のところも可愛いんだよなあ、って俺、さすがに気持ち悪いな。
「どうせ反対されるのは分かってましたから、もうチケット買ってあります」
得意げにふふんと笑い、二枚のチケットを空沢さんの目の前に差し出した。
空沢さんは押しに弱い。ここまですれば断らない。
俺が同居生活で得た一番の収穫だ。
空沢さんはげ、という顔をしたあと少し考える素振りをして、しぶしぶ「……今週末って、いつだよ」と呟いた。ほらやっぱり。
思わず「よっしゃ!」と小さくガッツポーズをし、土曜とかどうすか、と提案した。
0100キムカラ 2/32015/07/20(月) 16:21:47.54ID:ORwsyiF60
(思わずタイトル付け忘れましたすみません)

いざ水族館に入ってみると空沢さんは大はしゃぎだった。
最初は夜の水族館のこじゃれたライトアップや、カップル客の多さに尻込みしていたようだったけど、ぼんやり浮かぶクラゲを見ては「すげえな木村」と何故か俺の名前を呼び、イワシの群れを見ては「なあ木村、俺今度イワシ食いたい」と言い出したり。
「水族館で『気持ち悪い』と『食べたい』は禁句っすよ」と笑いながら答える。
こういう単純なところが可愛いんだよな、マジで。
魚に気を取られて俺の存在を忘れそうだったので、一応デートだということを再確認させるためにも、空沢さんの手を握った。
握ったとたん、尻尾を踏まれた猫みたいにびくりと反応する。
「ば、馬鹿お前何やってんだ!?」
「んー…別に、デートでしょ。いいじゃないすか」
誰も見てませんよ、と小声でささやくと、何か言いたげにもごもごさせたあと押し黙った。
本当に押しが弱い。
コレ、ひょっとしてもし俺以外でもすんなり懐に入れちゃうんじゃねえの?
今は俺以外にライバル特にいないっぽいけど。
急に少し不安になる。毎日一緒に会社行って、帰って、飯食って、一つ屋根の下で暮らしてんのに、こんな心配をしてしまう自分が情けない。
なんだか勝手に複雑な気分になっていると、館内アナウンスでイルカのショーが行われることが伝えられた。
空沢さんの顔がぱあっと急に華やぐ。
「木村、行くぞ!イルカのショー!俺夜のイルカのショーとか初めてだ!」
すっかりテンションが上がってしまった空沢さんは俺の手をするりとすり抜け、さっさと駈け出してしまった。
「おい、何突っ立ってんだよ、行くぞ!」
ぼんやりあっけにとられている俺を見かねたのか、空沢さんはくるりと引き換えし俺の腕を握った。
うわ、俺ひょっとしてこの人からこんな触ってもらうの初めてなんじゃね?
空沢さんは今イルカのショーのことしか考えてないんだろうけど。
グイグイ引っ張られ、ショーの会場まで連れてこられた。
ほんの少し前までは、俺は会社の後輩で、この人は先輩で。それだけだったのに。
0101キムカラ 2/32015/07/20(月) 16:24:06.40ID:ORwsyiF60
いざ水族館に入ってみると空沢さんは大はしゃぎだった。
最初は夜の水族館のこじゃれたライトアップや、カップル客の多さに尻込みしていたようだったけど、ぼんやり浮かぶクラゲを見ては「すげえな木村」と何故か俺の名前を呼び、イワシの群れを見ては「なあ木村、俺今度イワシ食いたい」と言い出したり。
「水族館で『気持ち悪い』と『食べたい』は禁句っすよ」と笑いながら答える。
こういう単純なところが可愛いんだよな、マジで。
魚に気を取られて俺の存在を忘れそうだったので、一応デートだということを再確認させるためにも、空沢さんの手を握った。
握ったとたん、尻尾を踏まれた猫みたいにびくりと反応する。
「ば、馬鹿お前何やってんだ!?」
「んー…別に、デートでしょ。いいじゃないすか」
誰も見てませんよ、と小声でささやくと、何か言いたげにもごもごさせたあと押し黙った。
本当に押しが弱い。
コレ、ひょっとしてもし俺以外でもすんなり懐に入れちゃうんじゃねえの?
今は俺以外にライバル特にいないっぽいけど。
急に少し不安になる。毎日一緒に会社行って、帰って、飯食って、一つ屋根の下で暮らしてんのに、こんな心配をしてしまう自分が情けない。
なんだか勝手に複雑な気分になっていると、館内アナウンスでイルカのショーが行われることが伝えられた。
空沢さんの顔がぱあっと急に華やぐ。
「木村、行くぞ!イルカのショー!俺夜のイルカのショーとか初めてだ!」
すっかりテンションが上がってしまった空沢さんは俺の手をするりとすり抜け、さっさと駈け出してしまった。
「おい、何突っ立ってんだよ、行くぞ!」
ぼんやりあっけにとられている俺を見かねたのか、空沢さんはくるりと引き換えし俺の腕を握った。
うわ、俺ひょっとしてこの人からこんな触ってもらうの初めてなんじゃね?
空沢さんは今イルカのショーのことしか考えてないんだろうけど。
グイグイ引っ張られ、ショーの会場まで連れてこられた。
ほんの少し前までは、俺は会社の後輩で、この人は先輩で。それだけだったのに。
0102キムカラ 3/32015/07/20(月) 16:25:04.21ID:ORwsyiF60
「ここなら水かかんねえだろ」
そう言って水槽から少し離れた席に嬉しそうに腰かける空沢さんを見つめると、すぐに怪訝な顔で「な、なんだよ」と返された。
この人の中で俺の立ち位置はどうなってるんだろうか。恋人、ではないのか確実として。
余計なことばかり考えていると、いつの間にかイルカのショーは始まり、何匹ものイルカがバシャンと大きな音をたてて跳ねた。
「うお!」
あろうことか、俺だけが盛大に水をかぶる。
「あははは、お前ビショビショだな!」
空沢さんがあまりに可笑しそうに笑うので、俺もつられて一緒になって笑った。
俺の立ち位置なんて関係ない。
とにかく俺は今この人と同じ家で同じ飯食って、こうして二人でイルカのショーなんて見に来てる。

楽しかったっすね、と声をかけると、また来ような、とやけに上機嫌に返された。
0103風と木の名無しさん2015/07/26(日) 02:01:28.63ID:19JkLfG90
元ネタは有ると言えば有るけれどぼかして書いています
汚いおっさんが頭の弱い青年犯してます
加えてさらっと食人描写しているので注意です

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!




定職も無く、宿も無く、貯金も家族も何も無い
そんな俺の住まいであるこの公園に、あの男が現れるようになったのはいつ頃からだろうか
男はいつもペンキの剥げたベンチの真ん中で菓子を貪っていた
大容量の袋を抱えて黙々と頬張る様を見て、細い身体によくあんなに入るものだと呆れたものだ
手元の菓子が無くなると男はいつも横になり眠りにつく
そして目が覚めると何処かへと去ってしまう
彼は自分と同じように、呑気で気ままな暮らしを送っているようだ
一度だけ彼の寝顔を間近で眺めた事があった
思いの外整った顔立ちで、年齢は20そこそこといった所
短く切り揃えられた黒髪、長い手足、大量の菓子を摂取しているとは思えない痩せた身体
手足を伸ばしてだらしなく寝そべるその姿に警戒心は微塵も感じられない
彼は子供の様に可愛らしい、あどけない寝顔をしていた
Tシャツの裾がめくれ上がって脇腹が見えていた
薄く開いた唇に、時折漏れる寝息に、不思議と胸がざわついた
――そんな自分の感情が信じられなくて、俺はそれを気の所為だと思い込む事にした
0104無垢な獣 2/92015/07/26(日) 02:02:53.34ID:19JkLfG90
今日も相変わらず、彼はいつもと同じようにベンチに座っていた
しかしいつもと少し違っていて、同時にとても異様な光景がそこに繰り広げられていた
「あんた一体なにしてんだよ?!」
それに気づいた瞬間、俺は男の目の前で声を荒げた
「……?」
男はキョトンとした顔で俺の顔を見上げ、不思議そうに首をかしげる
彼の右手に握られていた緑色の物体が地面に落下し、小さく跳ねた
昆虫を模して造られたゴム製の小さな玩具
それは彼が今しがたまで頬一杯に咀嚼していたのと同じ物
「飲み込むな。吐き出せ!」
必死で口を開かせようとする俺に男は戸惑いながらも言われた通りにする
なんだこれは?
大の大人が本気で玩具を口に入れる訳が無い
タチの悪いイタズラか?
俺がいなかったら目撃&ツッコミする人間は皆無だったけどな
「美味い?」
「はぁ?!」
俺がぐるぐると考えていた所、男が口を開いた
「――が、教えてくれた」
口に残った物の所為で最初の部分は聞き取れなかった
男は俺を見上げながら更に話す
「口に物を入れる事、美味いって事だって」
男はまた容器一杯に入った昆虫の玩具を鷲掴みにする
「止めろって!」
それを再び口に運ぼうとしたので、俺は慌てて止めた
男が何を言っているのか理解できなかった
「これ食べ物じゃないし」
「……?」
「恍けてんのか。それとも頭おかしいのかどっちだ」
溜息を付いた俺に男は再び首を傾げた
本当に俺の言った事が分からないといった様子で
0105無垢な獣 3/92015/07/26(日) 02:03:58.66ID:19JkLfG90
かみ合わない会話に感じる違和感
その言動が彼を実際の歳よりも幼く見せる
もしかしたら彼は、俺と同じで成るべくして社会に爪はじきにされた存在なのかもしれない
自由気ままに自分の想うがまま過ごし、その行動に何の責任も課せられず、一般社会とは切り離された存在
己と同じ、底辺で喘ぐ存在
「なぁあんた、ひょっとして本当に分からないのか?」
「何?」
「…いや、別にいいんだ。それよりさ」
固唾を飲んで男と目を合わせる
怪しまれない様ににっこり微笑んで、動揺を隠しながら言葉を紡ぐ
俺を見つめる無垢な黒い瞳
にこりと笑った顔に心臓が高鳴った
彼の寝顔を見た、あの時確かに感じた劣情を再び思い出す
「これ舐めると、美味しいのが出てくるんだけど…どう?」
俺はズボンをずり下げ、己の一物を露出させた
碌に風呂に入っていない為か独特の異臭を放つ、薄汚れたそれ
こんな生活の所為で長い事他人とは”そういう目的”で触れ合っていない
ちょっと遊んで、溜まっている物を吐き出そうか
そんな考えが頭をよぎる
「それ、美味い?」
「あぁ美味いぞ」
でもそれ以上に俺は、目の前の男から目を離せなくなっていた
俺の”美味い”という言葉に男はパッと目を輝かせた
0106無垢な獣 4/92015/07/26(日) 02:05:06.83ID:19JkLfG90
「うぅ…んっ……」
「いいぞ、なかなか上手じゃないか」
跪いて股間に顔を埋める男の頭を優しく撫でてやる
男はチラリと上目遣いで俺を見上げたが、すぐにまた勃ち上がった陰茎に舌を這わせた
アイスキャンディを舐める様な仕草
小さな口から除く赤い舌
己の唾液と俺自身から溢れる先走りで、口元だけに留まらず顎から首筋まで汚すもそれを厭わない彼の姿
稚拙な舌技にも関わらず、久方ぶりの他人から与えられる快楽に俺の身体はすっかり熱を持っていた
「もっと口を開けろ」
強引に男の口に陰茎をねじ込んだ
鼻をギュっとつまむと酸素を求めて喉の奥まで大きく開く
男の頭を抱え込んで乱暴に揺さぶり口内を犯す
「んっ…!ぐっ、うぅ……!」
男は息苦しそうに眉を潜めるが逃げようとはしなかった
端正な顔立ちが苦悶に歪み、妙に色気を感じさせてそそられる
「くっそろそろ出るっ……!」
腰を打ち続けながら絶頂に上り詰める
全てを吐き出す瞬間、男の頭を逃げない様にとガッチリ抱え込んだ
射精しつつも興奮冷めやらずドクドクと脈打つ陰茎
大量の精液を男の口内へ注ぎ込み、一滴も無くなるまで出し切るとようやく俺は男から手を離す
男は出された物を一気に飲み下し、ハァと大きく息を吐いた
「息、苦しい」
荒い呼吸を繰り返しながら男が呟く
「どうだ?美味かっただろう」
「うん、美味い!!」
男は力強く頷いた
唾液やら精液やらですっかり汚れきった顔に無邪気な笑みを浮かべて
思えばこの笑顔に俺は最初から魅せられてしまっていたのかもしれない
0107無垢な獣 5/92015/07/26(日) 02:06:14.41ID:19JkLfG90
口でしてもらうだけなら…なんて浅はかな考えだったと今なら思う
願いが一つ叶えられたら、もっと欲しいとそう思ってしまった
理性では止められなかった
目の前の男の、全てが欲しい――
「――!!」
気付いたら俺は男を地面に押し倒し唇を重ねていた
驚きと警戒で真一文字に結ばれた唇を舐め続け、僅かに開いた隙間に強引に舌を割り込ませる
生暖かい舌のヌメヌメした感触が気持ち良くて、同時に息苦しさで呼吸が上がり、顔も熱くなる
彼の口の中には俺の出した精液がまだ残っていて青臭さと苦みが俺の口にも広がった
同時にTシャツの裾から片腕を突っ込みその身体をまさぐる
薄い胸板の上にある小さな突起に指が触れると、男の身体がビクンと跳ねた
「はぁっ……」
徐に唇を離すと男の口端から涎が糸を引く
男は嫌そうな顔をしてそれをシャツの袖で拭った
上気した頬が赤くて、途切れ途切れの呼吸や乱れた衣服も相まって、さっきよりも更に卑猥
「何するんだ」
「気持ちのいい事かな」
「気持ちいい……?」
厭らしい笑みを浮かべた俺に再び彼は不思議そうな顔をした
小さい子供に言い含める様な物言いで、同時に地べたに仰向けになった彼を組み敷く
「”気持ちいい”っていうのは”美味い”と同じ位…いやそれ以上にいい事だ」
「そーなんだ」
「それに、後で新しいお菓子を買ってあげる。……あんたにとっても悪い話じゃないと思うけど」
「お菓子!欲しい!!」
明らかにさっきと声色が違う
お菓子に釣られてテンションが上がった男に内心ほくそ笑む
己の汚い劣情を隠しながら俺は使い古しの手拭いを取り出した
「少し大人しくしてろ」
それを丸めて男の口の中に押し込み、衣服を手早く全て脱がせる
その身体を仰向けにさせるともう一枚の手拭いで後ろ手に縛り、尻を押し開いた
身体と同じで肉付きの薄いそこに指を一本ねじ込む
彼がくぐもった声を上げようとしたが無視した
0108無垢な獣 6/92015/07/26(日) 02:07:15.72ID:19JkLfG90
「――っ!!」
その衝撃で中がギュッと締め付けられる
無理矢理事に及ぼうと言うのだ、致し方ない反応だろう
「仕方ねーな」
ひとつ溜息を付いて指を引き抜くと、後孔に舌先を這わせた
「んぐっ……!」
震える背中をそっと撫でてやる
滑りのお蔭かさっきに比べれば悪くない反応
ピチャピチャと厭らしい音が漏れ、窄まっていた中が段々緩くなる
背中を震わせる男が感じている物は嫌悪なのかそれとも羞恥か快感か……
「悪いな」
さっきからにやけ顔が止まらない
充分に解れきったと言えないかもしれないが、もう我慢出来ない
俺の陰茎はとっくに勃起し先走りをダラダラと垂れ流している
早く貫きたい、目の前の男を食らってしまいたい
頭の中にはそれしか無い
ズボンをその辺りに脱ぎ捨てて男の尻に陰茎を宛がう
うつ伏せになった男の両肩を掴み、ゆっくりと腰を前進させる
「んんぅ――っ!!」
口を塞がれていてもはっきりと分かる悲鳴
中の締め付けは予想以上にきつくて、彼の拒絶と苦しみを俺に伝えてくる
「きっついなぁ…!まぁ分かってたけどよ」
それに構わず腰を大きくグラインドさせた
彼は、俺に騙された事にようやく気付いたかもしれない
見知らぬ男に強姦されている事実に
「あんたが悪いんだ」
彼に聞こえるように呟く
僅かな罪悪感を封じ込めると、この胸を満たすのは背徳感とそれに伴う快楽
何も知らない子供の様に、単純で純粋で愚かな男を弄ぶ行為
それは禁断の――そして極上の味
0109無垢な獣 7/92015/07/26(日) 02:08:34.88ID:19JkLfG90
「人のいう事をホイホイ信用するなって教わらなかったのか?あ〜初っ端から誰かに騙されていたんだっけ、あんた」
目と鼻の先に転がっている玩具とプラスチック容器を一瞥し鼻で笑う
ズン!と大きく付き上げると彼の身体が痙攣しているのが分かる
ふとその表情が見たくなって繋がったまま彼の身体を反転させた
俺を見上げる瞳は涙でぐしょぐしょになっていて、塞がれた口からは獣の様に荒い息遣いが漏れていた
”痛い”って事は分かるんだろうな、きっと
「いいなその表情。もっと虐めたくなる」
痛みで萎えきっている男の性器に手を伸ばす
男が身じろいで逃げ出そうとするのを抑え込んで、それを上下に緩く扱いてやる
「んっ……」
気が反れたのか体内の締め付けが少し弱まった
それと同時に芯を持ち先走りを漏らす男の陰茎
「気持ちが良いってこういう事なんだよ、分かったか?」
「うぅ……」
是とも否ともつかない曖昧な返事
薄く夕闇のかかった人気の無い公園に、俺の喘ぎと男の唸りとグチュグチュという卑猥な音が拡がっては消える
「うっ!出るっ…出るぞっ……!!」
俺の絶頂は割合早く迎えられた
男の細腰を掴んで欲望の塊を中に叩きつける
ビュルビュルッ!と長く続く射精
久しぶりに感じた人肌の暖かさと快楽に身体が震えた
充分堪能してから陰茎を引き抜くと、ぽっかり空いた男の尻穴から白濁の液体が伝い落ちる
男の方は達するには至らなかったらしい
「こういう事したのは初めてか」
俺が尋ねると男は黙って頷いた
相変わらず泣き腫らした顔で何か言いたそうに口をもごもご動かしている
しかし俺は口の詰め物をとってやる事も拘束を解いてやる事もしてやらなかった
「忘れられない様にしてやる」
汗だくの顔でニヤリと笑い再び男の肩を抱いた
一度火のついた情欲は消える事は無い
満足するまで抱き潰してやろう――俺は己の欲のまま男の身体を貪り続けた
その時、男が俺の事を獲物を見つけた獣のような目で見つめていた事など、俺は知る由も無かった
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