■ オーギュでないとダメな理由

ジルベールとともに海の天使城に招かれたセルジュは
夜半、奸計によりわざと開かれた扉の隙間からオーギュとジルベールの情事を目撃する

薄暗い部屋の中でランプの灯だけが煌々とふたりを照らす
オーギュの腕が悶絶しているジルベールのお尻に伸びている

セルジュは目をこらすがジルベールが何をされているのか分からない
そのとき急に窓の外の満月が雲間から顔を出した

月光が部屋の隅々を照らす
セルジュは「あっ!」と息を呑んだ

オーギュの拳がジルベールの肛門の中に深々と入っているのだ
アナルフィストファックである
初めて見る光景にセルジュは戦慄した
あんな大きいものが…

ジルベールの肛門は張り型を使ったオーギュの拡張訓練によって8センチまで拡げられている
ふだんは小さくすぼまっており、色も他の肌の色と区別が付かない
しかし潤滑油などでほぐしていくと、おとなの拳くらいは悠々と入るくらいのサイズになるのだ

ジルベールの直腸内に侵入したオーギュの指はまず
3枚あるヒューストン弁と呼ばれる半月型の襞(ひだ)に伸びた
とくに真ん中のコールラウシュ襞は念入りに指の平で扱いた
ここは直腸内における2大性感ポイントのひとつである

ジルベール「ああっ!オーギュ…いいッ…そこッ」

刺激により蠕動が生まれオーギュの指が直腸粘膜で、もみくちゃにされていく
次に、指はずっと入り口に近づき前立腺の裏側を擦り始めた
吃逆(しゃっくり)のような引き付けを起こしながら、ジルベールは快感の渦に飲み込まれていく

ジルベール「ううっ!うっうっ…」

オーギュはジルベールのからだの中から愛撫する
それはブロウにもボナールにも、そしてセルジュにもできない芸当だった
誰もオーギュのように抱いてくれない――
ジルベールがオーギュストから離れられない理由は、このアナルフィストファックにあった