大先輩は保健所で犬をもらってきてポッチャマと名付けてそう
田舎の古い家、広い庭、池沼特有のゆっくりとした時間の流れにいつしかポッチャマは心を開いていきそう

大先輩は岩手辺りで暮らしてそう
休日は図書館で民間伝承について調べ、その次の週には実際に物語の舞台を訪れるのが趣味そう
神社や祠・自然や里山の風景を見てまわり、その土地の食べ物を味わう、それが大先輩の幸せそう

大先輩の家は古そう 田舎で、瓦屋根で、広い土間には薪ストーブが付けられてそう
冬の大先輩は仕事が終わるとすぐに家に帰り、ストーブに薪をくべてそう

大先輩は風呂にお湯をはる間、土間で犬とたわむれてそう
「今日もすっげー寒かったゾ」と声をかけ、やさしく犬の背中を撫でてそう

大先輩は風呂からあがるとまずは日本酒を一杯やってそう
漬物、煮物、けんちん汁に大盛りのご飯をガツガツと美味しそうに食べてそう

大先輩は犬に餌をやったあと、囲炉裏の前でぼんやりとしてそう
いつしか時計の針は12時を指し、犬も土間の隅で丸まって寝てそう
大先輩は布団に入るとゆっくり目を閉じ、五分もしない内にそのまま寝息を立ててそう

大先輩は夢の中で、死んだ人に会うことが多そう
バッチャマにそのことを話すと「夢の中でご飯を一緒に食べると仏さんも喜ぶゾ」とアドバイスされてそう
実際、一昨年死んだジッチャマと夢の中で晩酌した時はとてもうれしそうで、大先輩はとても穏やかな気持ちになってそう