『毎日かあさん』の作者である西原理恵子(さいばらりえこ)さんの元夫で、フリーカメラマンだった故・鴨志田穣(かもしだゆたか)さんの本『煮え煮えアジアパー伝』にちょっと面白いことが書いてあります。

 ブルセラショップで販売されている使用済みパンティ、
じつはこれを作っているのはベトナムで暮らす職人のオッサンなんだそうです。

 本にはその職人のもとを鴨志田さんが訪れたときのことが書いてあります。


「じゃあ早くその技見せて下さいよ」
 「よっしゃ待ってろな」
 階下の奥さんに向かって何事かを叫ぶ彼。
 奥さんはライムを輪切りにしたのをいくつか持って上ってきた。
 「さてと! まず用意する物はこのトンカチ。それとライムとヌクマム。このヌクマムは安けりゃ安いほど良し! ひどい臭いのものほど良し。ウヘヘッ、まあ今君が想像している通りの効果だがな」

 机に向かい、まず彼は綿パンツを左側に一山置いた。
「じゃサービスだ、よーく見とけよ」
 おもむろに左手でパンツを一枚手元に引きよせると、
銅板をのばしていくかのようにまんべんなくパンツ一面を打ちつけていく。