段ボールに詰め込まれた荷物を、運び出しては車に乗せていく男達。どうやら最寄りの警察署へ連れて行かれるらしい。たばこを吸わせてと頼むも、もうだめだ。車に乗せられる。
ビニール生地の座席、冷たい。
寒い冬の朝なのに、母ちゃんが玄関先まで出てきて、心配そうに見ている。普段挨拶もしない近所のババアが、集まって少し距離を取って見つめている。うざい野次馬どもめ。
これまで、百万近く稼いできた。友達より稼いでる。自慢したかった。
「ちょっと美味い副業始めてさ。」
セックスして金もらえる、編集もそこそこに、アップロードすれば次の日には数万の売上。でも、数週間もすると売上は落ちていく。また別の女を探して撮ればいい。
間違ってた。世の中、甘くないんだ。地方版の新聞に載るらしい。知り合いにバレないといいな…近所のもあるし、引っ越しするのかな。母ちゃん…ごめん。