日本人の目には、白人はみな同じに映るかもしれないが、白人といってもさまざまで、
アングロがトップ、ユダヤ系やイタリア系などは、それよりも下になる。アフリカ系や
アジア系といった非白人はさらにその下だ。口にこそ出さないが、北米には人種や
民族背景に基づいた不文律のランクがある。そういったランクづけも民族背景の
アイデンティティを意識する要因になっていると思う。
北米に移住して驚いたのが、そのアイデンティティの問題だった。
自分が何者でどこから来たのかを、誰もが口々に語るのだ。職場の休憩時間に、
「私の父方は××系で、西部に入植してから・・・」と、ルーツを語ることなど
しょっちゅうで、家系図なんて目をつぶっていても書けるんじゃないかと思うくらい、
スラスラ書いてみせる。
 日本では、「私の曾祖父は新潟出身で、仙台に出て行商をして・・・」なんて
話は誰もしないので、なぜそんなにルーツにこだわるのか、同僚に訊ねてみたことがある。
「その人がどういう人間かを明確にするからよ」(彼女はdefineという言葉を使った)
https://sites.google.com/site/almanzolaura/bigwoods/6/3