プライベートでのセックスでもささやかな声しか出すことがなかった自分がいざAVデビューし、
人に見せるセックスを披露するようになると、「うわ〜マグロ〜〜もっと声出してほしかったな〜」
「次の作品で成長してなかったらもう買いません」と叩くレビューに遭遇して、変に打ちのめされたことがあった。
参考資料(AV)を漁り、いざ他のベテラン枠のAV女優さんや売れている作品内での女優さんの喘ぎ声を聞いていると、
甘ったるく撫でつけるような声や、子犬が叫ぶような黄色い声に溢れていて驚いた
(これ、決してディスっているわけではなく……この声こそが良いものとして認識されてきた需要と歴史を、しかと身体に取り入れているプロの行為であると私は認識しています)。

子犬、時々トド。一辺倒でなく、適度にナチュラルな声も含ませてみよう。
抜きどころを探している殿方の股間を鷲掴みにする喘ぎ声の微調整は、相当に難しく苦戦した。
これも意識しなければ、本来の「ささやかな喘ぎ声」は一生変わらなかったはずであろうに、
人の批評に傷ついて、自分の個性が平均的なものへと調整されることで、「よくありがちな人」へと流れ着く。
エロ屋七年目にして、なんだかつまらない女優になってしまったかなぁ、と我ながら思っている次第である。