趙の宝物「和氏の璧」を巡り、秦が璧と自国の十五城との交換を申し出てきた。和氏の
璧が天下に知られた名宝とはいえ、十五城といえば小国にも匹敵する程であり、条件と
しては良いが、相手は常に侵略の機を狙っている強国秦。実態はただの口約束で、宝物
要求しているだけである可能性が高い。ただ宝物を渡せば、自ら秦の属国と認めるよう
なものである。屈辱的であり、諸国にも恥を晒すことになる。無論そんな気などないが、
断れば「これほどの好条件を無下にした。無礼である」と侵攻の口実を与える。 趙の恵
文王は群臣に計ったが、議論百出して全くまとまらず、更にこのような交渉に使者とし
て出向くのは虎穴に入るようなことで、誰も使者の任へ名乗り出なかった。 恵文王は困
り果てたが、そのとき繆賢が恵文王に「自分の客人に藺相如という知勇兼備の者が居り
ます」と申し出、彼についての逸話を語った。
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