約9万年前に現れて、3万5千程前に消滅したといわれるネアンデルタール人は、狩猟によってマンモスを捕まえたり、死者を埋葬する習慣をもつなど高い知能をもっていました。
ヨーロッパから西アジア、アフリカと広く分布していたネアンデルタール人が、大きな環境の変化もないのに簡単に消滅し、クロマニヨン人が現れた一方で、ネアンデルタール人より知能の低いゴリラやチンパンジーなどの類人猿は、現在も存在しています。
急激で大規模な環境の変化がないのに、どうしてネアンデルタール人は消滅してしまったのでしょうか。
その謎は、遺伝子を運ぶ存在であるウイルスやプラスミドの働きが解明されたことで解決されました。
ネアンデルタール人の例でいえば、彼らの間に、あっと言う間にウイルスが感染した結果、ネアンデルタール人の遺伝子に変化が起こり、すべてのネアンデルタール人が短期間でヒトに変化したのです。
これが、著者らの提唱したウイルス進化論なのです。