>>783
いやはや、日本語も使い方を誤るととんだことになるね。
そこがまた愉快でもあるね。

そんな間違いを扱った古典落語に「百川」なんて名作があるでしょ。
実に傑作だから、聴いたことがなければ聴いてみるといいよ。

今から話すのは実話なんだけどね、
これも言葉の解釈によって、とんだ誤解が生じちゃったんだよ。

手打ち蕎麦って言うでしょ。
これがね、地方によっては、
単に「手打ち」と呼んだりするんだよ。
でね、「おはぎ」は半殺しなんて呼んだりするの。
なんでかっていうと
ご飯を半分潰しているから半殺しなんだってさ。
実にどうも頓知が利いていて巧いね。

でね、江戸時代なんだけど
ある旅人が道に迷って山河の一軒家に宿をとったんだよ。
疲れ果てて寝ていた旅人がふと夜中に目覚めると、
隣の部屋から、
宿主のお爺さん、お婆さんがひそひそと会話しているのが聞こえてきたんだ。

爺「あの旅人、明日どうするべか?」
婆「なにが?」
爺「半殺しにするべか?手打ちにするべか?」
婆「江戸っ子ならば手打ちが良かろうね」
爺「じゃあ、半殺しにした後で手打ちにするべか」

これを聞いた旅人は一目散に逃げ去ったんだけどね、
面白いよね、全く。