ふと、涼子の姿を思い出した。

涼子を抱いたのは、いつだったかな。

もう感触が、手のひらの記憶から消えかけている。

1度だけの関係だった。

それでも、他の女たちのように、金目当てで僕に股を開いたわけじゃない。

僕を1人の男と認めて受け入れてくれた。

触れた柔らかい肌の感触が消えても、涼子の存在は忘れられない。

逢いたいと、改めて強く思った。

この街のどこかで…。