――アダルトビデオそのものが「悪いもの」なのでしょうか?
金尻:よく勘違いされますが、私たちは「アダルトビデオ」そのものを否定したいわけではありません。ただ被害をなくしたいだけです。
多くの女性たちが沈黙を余儀なくされている実態があります。とくにAV女優の方は業界の「批判言論」が許されていません。
ある女優の方の場合、常にツイッターが監視されていて、ブログも必ずマネジャーのチェックが入っています。
私たちの相談者の中にも、ある現役の有名女優の方がいます。彼女はブログで「エッチ大好き」という主旨のことをつづっています。
しかし、私たちへのメールや電話では「死にたい。死にたい。死にたい」という内容の相談がきます。
――「女優たちはAVに出たくて出ている」と思っている人も多いと思います。
また、プロダクションが用意したマンションの部屋に引っ越しさせられて、借金を背負わされることもあります。とても高額なマンションなので、
敷金・礼金が100万円くらいかかる。それをプロダクションが前払いして、初回の出演契約をさせています。つまり、債務奴隷です。
また、ある相談者は「あれはカルト宗教だった」と回想していました。たしかにカルト宗教に近い問題があります。それは、甘い言葉で勧誘し、
まるで家族のように親しく接近し、居住の自由を奪う。家族や社会から孤立させる。「相談役」もいる。断ったり指示に従わなければ
「違約金を支払え」と恐怖をあおる。そうやって、女性たちに考えないようにさせ、抜け出せないようにさせています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151108-00003912-bengocom-soci