AV問題
動画削除も「気持ち晴れぬ」 55本出演の女性

約8カ月かかって出演動画をネット上から削除したものの「まだ悔しい」と語る女性=2018年1月14日、加藤隆寛撮影

 アダルトビデオ(AV)の出演経験がない20代の女性を勧誘してみだらな行為をさせたとして19日、
AVプロダクション元従業員ら3人が淫行(いんこう)勧誘容疑などで警視庁に逮捕された事件。
毎日新聞は2016年夏、今回の事件とは別のプロダクションに所属し、望まない出演を強いられた元AV女優のAさん(20代)の証言を紹介していた。

 Aさんは今月改めて取材に応じ、約1年半の自身の状況や現在の心境などを語った。
昨年2月から弁護士や人権団体の協力を得てインターネット上の出演動画削除などに取り組み、同10月3日付で配信側企業との和解にこぎ着けたという。

 Aさんは「(和解まで)長かった。削除されるか不安でたまらず、担当弁護士から連絡が来なくなる度に心療内科に行き薬を飲んでいた」と振り返った。
一定の成果にホッとした部分はあるとしつつも、「搾取されたお金が返ってきたわけでもなく、むしろ(弁護士への報酬など)高額の費用がかかった。
今でも(当時の)夢を見ることがある」と、なお晴れない思いを吐露した。

 国内業者が手掛けた出演作は販売されなくなり、ネット検索も困難になったが、海外サーバー経由で配信される作品は未削除。
当時の所属事務所を相手取った損害賠償訴訟も検討したが、弁護士と相談した上で「(仮に勝訴しても)割に合わない」と判断し、あきらめたという。

 困難だった闘いを振り返り、「私と同じ立場で(望まずに)出演しているAV女優がいたら、すぐやめた方がいい。傷付くだけだから」と改めて警鐘を鳴らした。
【加藤隆寛、安藤いく子】

(動画あり)
https://mainichi.jp/articles/20180120/k00/00m/040/092000c

これ誰?