(続き)
暴力団員は裸動画や覚醒剤使用の情報をリークしない代わり、麻生被告自身の購入か、購入者の紹介を求めた「高畑さんに相談したら『それを買って良い付き合いができるなら、とりあえず買ってなだめたほうがいい』と言って買うことになりました。
条件交渉は高畑さんと暴力団員。ブツの受け渡しは『知らない人間じゃなく、島崎さんに来てほしい』というので私が」と話す。
だが、高畑被告の裁判で明らかになった事実とはニュアンスが異なる。
自宅にあった覚醒剤の質に満足できない麻生被告から「これよりいいの知ってるよ」と紹介されたのが「名古屋の先生」という密売人だった。
薬物依存者の再犯率の高さは知られているが、麻生被告は「やめる」と言い切った。
「私は勾留中に妊娠が発覚して、勾留中に死産して、とても大変なことをしてしまった。申し訳ない、後悔の気持ちでいっぱいになった。二度としないと誓います」と涙声で誓った。
検察官は2016年のコカイン所持での裁判(執行猶予判決)を振り返って「コカインの裁判でも『二度としない』と言っている」と追及する。
それに対する返答は驚くべきものだった。保釈中の9月下旬から今月上旬、すでに覚醒剤の誘惑に遭遇していたのだ。
「知人の飲食店で覚醒剤をすすめる男性がいたけど、地元の太田警察に通報しました。
通報したことからも、断ち切ると心の底から誓ってます」と述べ、「群馬県警太田署の刑事2課。担当は○○さんです」と相談した刑事の名前まで持ち出した。
情状証人で保釈中に同居している母親の弁も強烈だった。「どこにも行かないように見張っている」という母親は日本の永住権を持つフィリピン人だ。
実刑の可能性も理解していて「出所後は日本でも、私の国でも一緒に住みます。彩ちゃんは娘だから守りたいですよ。私の国、彩ちゃんも勝手に出かけられない。
向こうは覚醒剤が厳しい。なかなか手に入らない」と訴えた。

 フィリピンではドゥテルテ政権下で麻薬撲滅作戦が強行され、売人や使用者が数千人も銃殺されている。母親の提案は実効性があるかもしれない。次回公判で結審の予定だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181018-00000042-tospoweb-ent