昔ね、ニューヨークの動物園で飼われていたゴリラが、ふとしたことで堀に落ちたことがあったんだよ。
ブクブクと沈んでいったゴリラはね、一度は浮かび上がったものの再びズルズルと沈んでいって、ついには溺れ死んでしまったんだ。
多摩動物公園でも同じようなことがあったよ。まあ、こっちはチンパンジーなんだけどね、やはり堀に落ちて溺死しちゃったんだ。
でもさ、なんとなくニホンザルなら泳げそうなイメージがあるよね。
でもね、海からほんの少し離れた小島なんかにいるサルも泳いで渡って来たという例は皆無なんだよね。
昔ね、上野動物園の西園の島で飼われていたテナガザルも、岸までたった3メートルしかないのに、一度たりとも泳いで渡って来たことはなかったんだってさ。
でもね、こんな目撃談もあるんだよ。
「伊豆の波勝崎のサルが海で泳いでいたのを見た」なんて報告が結構な数寄せられているんだよ。
だから、「ゴリラやサルは泳げない」とは断定は出来ない状態なんだけど、
それでも間違いないのは「類人猿は水に弱い」ということと、「泳ぐのは得意ではない」という2点だね。
でも、それを言ったら人間も全く同じだよね。
泳ぎを教わっていない人間がさ、もし足も着かない深い海にいきなり投げ込まれたら
間違いなく、ほとんどの人が溺死するわけだからね。
ゴリラやサルは知能が高く人間の小学生以上の学習能力があるので、
おそらく泳ぎ方さえ教えれば、難なく泳げるようになると思うんだよ。