>>774
うちの場合、仕事から帰宅するとリビングにポールが立っている
俺が怪訝な顔で立ち尽くしているとピンスポットがポールにあたり、重低音が響きだす
すると隣の部屋から艶やかな衣装をまとった妻が、天然無垢の床材にピンヒールの踵で音を響かせながら入場し、音楽がスローでメロウな曲調に変わる
まるで興味なさげな視線でこちらに一瞥をくれた妻が、いやらしい手つきでポールを握り、刹那、天然無垢の床材を蹴り、ポールに登る
そこからはなんかいろいろグルングルンしてぱっかーんってなって、俺も俺の息子もスタンディングオベーションじゃん?
ひとしきり回り終えた妻は上気した頬で、グロスたっぷりの唇からかすかに乱れた息が漏れ出ている
よし、こうなったら俺の番だとばかりに、スーツを脱いで革製のビキニ姿になり、ポールに近寄る
そういえば小学生の頃は「登り棒のてっちゃん」なんて呼ばれたな…と郷愁にふけりながらも、オーディエンス達の期待に応えるべく
緊張で汗がにじむ手でポールを握るのであった