ヤクザに妻をやられたトラウマな話
まだ子供が小さかったころ、温泉旅館で食事中に明らかにその筋の人物とわかる男が妻に言い寄ってきた。
夫の俺がいるのにお構いなしに妻を口説く男。
情けない話だけど、俺を見て余裕で奪いとれると思ったんだろうな、実際俺怖くて何もできんかったし。
妻は妻で口説かれてる間、一度も俺と目線を合わさないでソワソワしながら声を上ずらせてた。
完全に脈アリ状態の妻を見て、男は俺をジロリとにらみ、これはもう観念するしかないと思った。
子供を寝かす準備をするため妻がいったん席をはずすと、男はタバコをプカーっと吸いながらさらに鋭い目つきで俺を睨んだ。
妻を呼び捨てにして、詩織をよこせと凄むヤクザに、
俺は、夫としての立場もあるので自分の見てないところで口説いてほしいと伝えると、
男は俺の肩をポンと叩いて妻のほうへ向かっていき、その夜妻は部屋に戻ってこなかった。
翌日チェックアウトの時間になってようやく妻が戻ってきたのだが、あと何日から泊るから先に帰っててとのことだった。
ヤクザの女にされたってすぐわかったから、俺はもう何も言わず妻を残して子供と帰った。
その後、妻とヤクザは10年くらい続いたが、妻が3回目の妊娠中絶のときにようやく関係が終わった。