八代目正蔵はもともと林家とは何の関係もなかったが、
事情があって、一代限りという約束で、
この時故・七代目正蔵の海老名家が保有していた
林家正蔵の名跡を借りて襲名した。
七代目正蔵の息子は有名な林家三平、つまりこぶ平の父親で、
八代目は自分の死後三平が正蔵を継ぐことで納得していた。
ところが案に相違して、三平は八代目より先に死んでしまったため、
八代目は「正蔵の名跡を海老名家に返す」という思いから、
晩年に正蔵を返上し、彦六を名乗った。
したがって、仮にあの世の八代目正蔵に聞いたとして、
師はこぶ平を正蔵に推すであろうとは思う。

こぶ平の芸をどう評価するかとは別問題だけどね。