避妊薬「マイルーラ」製造中止 市民団体、「運動の成果」
環境ホルモン(内分泌かく乱物質)が体内に残留する可能性があると議論になっていた女性用の殺精子避妊薬「マイルーラ」の製造が、
3月末で中止されることになった。市民団体は「運動の成果」とみている。
マイルーラは精子を殺す界面活性剤(非イオン系)を含んだフィルムを、
女性の体内に入れて使う避妊薬。界面活性剤の原料に、環境ホルモンの一つに挙げられているノニルフェノールが使われている。
日信化学工業(福井県武生市)が製造、大鵬薬品工業(東京)が1983年から販売していた。
この界面活性剤は、工業用の合成洗剤などに使われており、メダカなど水生生物にはごく微量でも生殖機能に影響することが分かっている。
マイルーラの毒性を考える会(大阪)などの市民団体は、以前から「人が使えば、体内に入って生殖機能に影響する可能性もある」として生産中止を訴えていた。
大鵬薬品工業は「売り上げがピーク時の約3分の1になった。安全性に問題があるから中止するのではないため、製品の回収措置は取らない」と説明している。