いい加減暇だから、小説書いてみた。
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今来ていっぺんに読んだ。
続きが気になるので再うpお願いできんか。 はじめまして。
私も何か、文章書いてもいいですか? ある秋の雨上がりの午後の学校の玄関。
佐藤寿美子(以下、寿美子。)は玄関で上履きからスニーカーに履き替えていた石田健太(以下、健太。)に出会った。
「寿美子、今日の午後3時に公園に来て、歌を歌ってみろ。」
寿美子は上履きから赤い長靴に履き替えながら、「公園で歌うっ?はぁ?」
「そうだよ。歌うの下手だろ。上手く打ってみろよ。」
「わかったわ、受けて立つわよ!!」
寿美子は帰宅すると、ランドセルや手提げかばんを部屋において、玄関に向かった。
朝の雨と打って変わって晴れていたが、寿美子は学校の登校時に履いた赤い長靴を再び履いた。
右足のハイソックスがずり落ちているためと素足と中の布が直接触れて、ハイソックスと中の布が触れている左足とは
違った感触となってしまっているが、寿美子は全く気にしていない。
小刻みに「キュッキュッ・・・」と地面をする音を混ぜながら、長靴を「カポカポ・・・」と鳴らしながら、寿美子は土蔵に向かった。
土蔵で寿美子は、頭に被れる物を探す。
そして、年代物の甕を発見。
「甕を被って声の練習だわ。」
寿美子は甕を頭にすっぽり被った。
辺り一面がが蒸し暑くて息苦しい暗闇に覆われて、寿美子の声だけが反響する。
「ふゎーっ、ほへはいへふわ!!」
寿美子は楽しそうに、両足の長靴を地面に擦り付けたり、踵を踏みつけて長靴を変形させてながら、声の練習をしている。
声の練習の後半の入ったあたりで、左足の長靴が脱げてしまい、寿美子は左足を上げて声の練習を続けた。 声の練習が終わると、寿美子は両足の長靴を履き直して、ずり落ちていた右足のハイソックスも上げ直した。
だが甕を頭に被ったままなので甕に視界を塞がれて前が見えず、脱げた左足の長靴を拾うのに片足ケンケンをしながら、
左足の長靴を探す大苦戦を強いられた。
「ほろほろほうへんひいははいと。へんははふぁっへふは。はへほはふっはははひほう!!」
寿美子は甕を被ったまま、前が全く見えない状態で両手を前にかざして、小刻みに「キュッキュッ・・・」と地面をする音を混ぜながら、
長靴を「カポカポ・・・」と鳴らして公園に向かった。
午後3時10分。寿美子は公園に着いた。
既に健太は公園に着いていた。
「寿美子、10分遅刻だぞ。しかし何だその格好!?」
確かに、寿美子は甕を頭にすっぽり被っている為、頭を覆う甕のせいで表情はまったく窺えない。
「ほへはらほえのへんひゅうのへいはをいへふのほ!!ほほはへひはへおはふっへいふほほ!!」
寿美子は歌を何曲か歌ったが、甕からくぐもり声で歌声が響きわたり良く聞こえない。
だが決死の甕被りの歌の練習の成果は出ていたようで、寿美子は上手に歌を歌っていた。
「ひょうふひふはえはっひょ!?」
「下手糞なこもり声を響かせてただけじゃん!!」
しかし寿美子は健太の言ったことに納得せず、激怒して健太に頭突きを食らわした。
健太は飛ばされて、仰向けに伸びていた。
寿美子は甕を被ったままなので、外の様子がよくわからないものの、健太がも悶絶した事だけはわかった。
「ひゃおおほい!!へんはひはっはあ!!」
寿美子は甕を被ったまま、長靴を「ボコッ!!」と鳴らしながらジャンプをして、ガッツポーズをしたのであった。 >>76
× 上手く打ってみろよ。
〇 上手く歌ってみろよ。 バケツ女子高生の栗拾い(1)
今日は午後から栗拾いの日。近くに母の栗林があり、毎年秋に家族で栗拾いをしている。
今年は諸事情で、女子高生の私が栗拾いを担当することになった。
晴れていい天気だが、風が吹いている。
紺色のPコートに学生服に茶色のローファー姿だが、左足の紺ハイソがずり落ちた状態で、いつもの学校の帰り道を歩いて家に着き、「ただいまーっ!!」。
玄関でローファーを脱いで、自室へ直行する。扉を開け、鞄を椅子に置き、着替えることもせずに、軍手をはめて、カゴとトングと持って、再び玄関へと向かう。
下駄箱から、 黒いテカテカの長靴を取り出して玄関に並べる。
長靴は栗拾いには欠かせないので、毎年栗拾いには長靴を履いている。
リビングへ直行して、ピンクのポリバケツを持つ。
例年は帽子を被って栗拾いをしている。木からイガが落ちてくることがあるので、帽子を被って頭をガードしている。
だが、今日は帽子代わりにバケツを被って、栗拾いをすることにした。
でも、私は好きでバケツを被っているわけではない。
バケツ自体、頭が入るほどの大きさもあり、ずり落ちてすっぽり被さり、視界と耳が塞がれるリスクもある。
バケツを被った状態で喋ると自分の声が中で反響して、中からくぐもった声が響いて不快なのである。
再び玄関に走っていって、長靴を履いて、子気味よく長靴を鳴らして栗林へ向かった。
左足だけ長靴の裏地が直接肌に触れて、違和感を感じる。 バケツ女子高生の栗拾い(2)
栗林では、風に栗の木が揺れて、イガをまとった実が次々と落下している。
頭にバケツを帽子代わりに半被りに被って、鼻歌を歌いながら栗を拾い始めた。
時折風に煽られて木から落ちるイガが、私を直撃する。
しかし、バケツとPコートと軍手と長靴のおかげでダメージは無い。
軍手にトングを持って、長靴でイガを踏んで、実を出してカゴに入れて……。
思いのほか栗拾いは楽しく、夢中にになってしまう。
だが恐れていた事がが現実になってしまった。
突然バケツがずり落ちて頭にすっぽり被さってしまい、虚無僧のような表情の無い『バケツ人間』になってしまった。
薄暗いピンクの世界に視界と耳が塞がれて、自分の呼吸音だけが聞こえる。
何か言ってもバケツに反響して、くぐもった声が響くだけである。
自慢の茶髪ふわふわセミロング美貌が台無しだ(辛うじて頭を覆うバケツから茶髪ふわふわセミロングがはみ出ているが)!!
一瞬パニック状態になって、栗林の中をウロウロ彷徨ってしまった。
(落ち着け、落ち着け!!)
「…………はーっ、はーっ!!」
狭まった視界で、泣きそうな表情で溜息を漏らす。 バケツ女子高生の栗拾い(3)
(バケツを持ち上げて半被りし直そうかな。しかし、バケツを半被りにすると、顔にイガが落下して怪我をする可能性もあるし。
ならば茶髪ふわふわセミロング美貌を犠牲にして、バケツを被った状態のままで栗拾いをした方が良いわ。)
バケツを頭にすっぽり被った状態のまま、私は気を取り直して、バケツの隙間から外を覗きながら、再び栗拾いを始める。
くぐもった歌声で鼻歌を歌いながら、栗拾いに夢中になった。
時折、「コツン、コツン」と、木から落ちるイガがバケツに当たる音が、バケツ越しに聞こえる。
夢中で栗拾いをしていたら、あっという間に時間がたっていた。
気がつくと夕方になっていたのだ。
ついさっきまで吹いていた風もピタッと止まって、穏やかな天気になっていた。
でも、カゴに栗を盛れるだけ盛って、大量にゲットした。大収穫である。
くぐもった声で、「やったぜ、こんなに大量に栗をゲット!!……今夜、ママに栗御飯を作って貰おう!!」
狭まった視界の中でフッと笑う。
ママやパパが心配して帰りを待っているだろう。
バケツを頭にすっぽり被った『バケツ人間』姿のままで、私は両手で手探りしながら、大量に持った栗の入ったカゴとトングを持って家に帰ったのだった。
だって、バケツを外して手に持っても邪魔になるだけで、バケツを被ったままの方が楽チンなのである。 >>80
>>81
×狭まった視界の中
〇バケツの中、狭まった視界の中 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています