>>104
楽しんで書いているのだろうことは物凄く伝わってくる。
だが、その楽しみを読者に共有する段階で上手くいっていない印象を受けた。
本人的にはジラしているつもりなのだろうが、読む側からすると単に冗長なだけという印象が強い。
何が冗長かというと「話の本筋に関係ない描写が多すぎる」点。
多くの人に読んでもらいたいのであれば、序盤は特に状況説明する上で書く情報を絞った方がいい。
作者と違って読者は作品に対する事前知識はゼロであり、序盤に書かれている内容は基本的に必要な情報だと思って読み進める。
そこへ大量のフレーバーテキストを混ぜてしまうと、覚える事が多くなり過ぎて読むのが苦痛になる。
1話脱落している人の多くはこの辺りが原因だと推察される。


特に1話目で読者の気を引かなければいけない冒頭の学校描写は個人的にかなりマイナス。
>教室の隅から、女子たちがクスクスと笑う声が聞こえてくる。
>「なぁ、鞍本!聞いてるか? 昼休みにもらったやつも、もう読んじゃったから!」
>おれの困り顔など気にも留めずに、佐藤くんのテンションはさらにあがる。手に持っているのは、刀を振り被った少女が表紙の、漫画雑誌。
>いかにも少年が好きそうなやつだ。
>「だから次はこのキャラで頼む! お前ならバッチリ書いてくれるだろ!」

ちょっと読み進めると、おそらく主人公が書いた何かの物語を読んだのかな?と推測できる。
だが初見の時、俺は主人公が漫画を描いているのかと誤認した。
理由は「主人公が何を書いたのか」という説明が一切存在しないからである。
女子たちがクスクス笑っている理由も分からない。
おそらく「主人公が書いたらしき何か」が面白かったのだろうが、主人公の創作を小馬鹿にしている可能性もある。
これも説明が無いので推測するしかない。


序盤からこの調子で、状況把握の助けになる情報が薄いのに、フレーバーらしき描写だけが豊富なケースが散見される。
作者が作品を愛するのは大事なことだと思うが、現段階ではかなり独りよがりになってしまっていないだろうか。
書いたものを推敲する際に、事前知識のない人間が読むとどういう印象になるかを考慮してみて欲しい。