「もうやめたい‥」
仕事のことか、酒のことか、あるいは両方か。判断のつかないうわ言を掠れた声でもらすミカ。しかし、それは彼女の立場が許さない。
今日も彼女は「ほろよい」一本を船賃に、意識を混濁の海へ漂わせる。彼女が一人きりの微睡みを楽しめるのは、唯一ここだけだった。