今日は、いい天気ですね…
(日差しの降り注ぐ草むらのうえで空を見上げる)
(よく晴れた空は雲の数も少なくて、青空が眩しく広がっていた)

(今日は半袖のシャツに赤いチェックのスカートという普段の制服で外で本を読むつもりだった)
(でも持ってきた本は今、膝の上で閉じたまま)
(適度に吹き抜ける風の心地よさに読書のことを忘れてしまいそう)
ふあ……ぁ…
(思わず小さな欠伸をしてしまった)
(不意に訪れた眠気に抗えず、文緒の体はゆっくりと草むらの上に横たわった)
(頭のあたりは丁度近くの木の影に入ったので眩しくはない)
(だから思い切って仰向けで寝てみることにした)
(目蓋を閉じて一分もしない内に微かな寝息を立て始める)