>>10

(マフラーを巻かれ、のめり込むように姿勢が崩れて
しばらくの間、きょとんとして)
大胆じゃない、志摩子だって。口付けを交わし
こうして顔を寄せて――ん、了解。
乃梨子ちゃん、私には結構大胆よ?
これから、か…そうね、それでいいと思うわ。
(髪をなぞり、白い手のひらに指を立てて撫でて)
暖かいわね、志摩子の手。

今もお姉さまだから、こうして会いに…げふん、雨宿りの場所には
ミルクホールや図書室でなくここを選ぶの。
許す、許さないの話ではないわ。
…んっ……志摩子の方が、甘いわ。
あ、志摩子の味も混ざっているから、余計に。

【ん、了解。離れたら手をひいてくれるかしら。そう思ったから嬉しいわ】