>>214
ああ、それはあるかも知れないわ。
でもね、それは無理にしているというわけではないのよ。
祐巳ちゃんが誇ることができるお姉さまでいたいから、そうしているだけ。
決して悪いことではないの。
だから、祐巳ちゃんは祥子が迷ったりするときに、そっと支えてあげたらいいのよ。
(いつもの豊かな表情の変化に、安心したような笑みを浮かべ)

あらあら、ごめんなさい。
つい、祐巳ちゃんが可愛らしいものだから。
祥子は本当に、いい妹を選んだものだわ。私も誇らしいもの。
(喜んでくれたらしい孫の表情に、こちらも心から暖かな気持ちになる)

まあ、勉強したのね。どおりで美味しいはずだわ。
少しだけ―――だって、祥子のお茶は苦くて飲めたものではなかったもの。
今はましになったのかしら。
妹ができれば、姉は自然としっかりするし、妹は頼りがいのある姉に安心できる。
お互い様なのよ。
いい妹が見つかることを祈っているわ、祐巳ちゃん。
あなたなら、そんな心配は要らないでしょうけれどね。
ええ、そのときはまたお邪魔するわ。必ずね。
(握られた手が心まで温めてくれる、そんな嬉しさを感じて、そっと握り返し)

ご馳走様。本当に美味しかったわ。ありがとう。
祐巳ちゃん、今日はわざわざお話してくれて嬉しかったわ。
私は今から行かなければならないところがあって、これで失礼するけれど……。
あなたも帰るなら、門まで一緒に行く?
(飲み終えたカップを片付けてバッグを持ち、そう尋ねかけた)