いました。
「憎いなら、僕のこの手を取るがいい。僕ならば君に力を与えることが――」
「――けっこうだよ」
「おや」
少女は面白そうに、僕の顔をのぞきこみ「どうしてだい?」と聞いてきました。僕は年上の男として、立派に
見えるように、険しい表情をつくって言いました。
「……どこの子か知らないが、ここは子どもが入ってもいい遊び場じゃ」
そこまで口にしたところで、僕の意識は途切れました。
気づけば僕は自室にいて、出ることのできなかった会議はとっくに終了している時間でした。
『もうっ! つまんないぜー、ちょっとチョッカイ出しただけなのに』
『安心院さん、球磨川くんと阿久根くんで遊べなくて、とうとう一般人にまで秋波送ってきたのか
い?』
あれは夢だったに違いない。そうだ、ぜんぶ悪い冗談だったんだ。
『フラれちゃったけどねー。っていうか問題外! この僕のオーラを見て迷子と勘違いするとはね!
失礼しちゃうぜ』
『だからって僕につきまとわないでクダサイね、っと』
『ああー行かないで真黒くん! 僕ヒマなんだよ! 遊ぼうぜ!』
『永遠の思春期ガールと違って現役軍人は忙しいのさ』
『真黒くんまで僕を子ども扱いするのかい!?』
そう思って僕の上官の部屋のドアを開けましたが、そこには寒々とした空間があるのみでした。
僕はかつての上官が使っていた机に突っ伏しました。
どこかで艶やかな女性の嬌声が聞こえる気がして、僕はそんな幻覚を振り払いたくて、机に頭を打ちつけて、
それから少しだけ、泣きました。
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閲覧ありがとうございました!
なんか連投荒らしと勘違いされて規制食らって4/4だけ書き込めなくなった;;ごめんなさい
お願いだ書き込めてくれ……!