>>773
そう言ってくれると思っていた。
俺の年に云々などについては、少しぐらいは冗談でも言って場を和ませたかっただけなのだが。
わざわざ違うなどと申してくれる主は本当に優しいのだな。
だから俺は主のことが……。っと、これはあまり言わない約束だったな。
あぶないあぶない。ふふ。
だが、一緒にいたいと思ったというのは、嘘偽りなどない。
そう――主を驚かせてしまうと分かっていながらも、抑えれないぐらいにはな。
(主の揺れる瞳がとても綺麗で可愛らしくて、ただ見ているだけでも)
(心全体が揺さぶられながらも、この感じに酔ってしまいたくなるような感覚に陥ると)
(潤ませた瞳をしっかり向けると同時に、表情も一転した表情と共に真剣さをはらんだ視線を向け)
近いだろうか?
主と少し、もう少しでも近くに、近づきたかったんだ。
今はもう、他のことは何も考えられないぐらい、心の中にはキミのことであふれてしまっているから──。
(彼女の指先が震えているのを感じると)
(その俺の服を摘まんできている指先の上から、手をそっと添えて優しく握るように重ねていき)
刀としてではなく自我をさらけ出したい、キミに気持ちをもっと伝えたと思っている――
――ひとりの俺としての気持ちだ。だいすきだ。
(触れてしまいそうで、細かな息づかいまでもが感じてしまうぐらいすぐ近くで)
(だから物理的にも、主の唇をくすぐってしまうような状況下で)
(握っていこうとした手にも少し力を込めていきながら、想いの丈を思うがままに告白)
(そして静かに寄せた唇を彼女の頬にそっと口づけた)