>>909
(未だに自分が暗闇に目が慣れて居ないからか吃驚した顔を見られる可能性が少ないと思うと密かに安堵し何度も瞬き繰り返して開いた口は塞がらず、色恋沙汰の経験は女子ばかりに囲まれる生活をしてきたので無いに等しく今はとりあえず自分自身を落ち着かせたい一心で)
ハッ!…や、やだなぁ、確かに怖がりな所為で迷惑を掛けちゃってるかもしれないけど、怖さを忘れさせる為にそんな冗談…アハハ…
(取り乱しそうな自分を制御するには冗談と思い込むしか無く乾いた笑い声響かせた後しがみついていた両手を離すが相手から回された手は離されず結局は密着)
(畳み掛ける様に好意を口にされて言葉に真剣味も出てくると動揺で目が泳いで視線を絡める事が出来ず)
(タイミング悪く電気が復旧し目前の整った顔が熱い視線を飛ばして来ていて、次第に近付いて来るのが分かると咄嗟に相手の唇を片手の指先で抑え阻止)
…ーーごっ、ごめん…まだ、その、頭が追い付いてなくて…
えっと…ありが、とう…気持ちは凄く…嬉しい。
でも…私はあなたの主で、あなたは私の…ーーーいや、物扱いは好きじゃない。
だから、あなたは私のもう一つの家族だよ。
凄く大事に想ってる…。
(すんなり受け入れてしまえばどんなに楽か、自分だけが相手を想い始めてると思われた所に予想外の告白が行われた事で決断を強いられ少し空気が重苦しくなるのは必然…)
(主従関係で成り立つ互いと本丸に待たせる他の者達と平等に接さなければ成らないという責任感が足枷になり自分の中で薄ら芽生えていた好意をグッと下唇噛んで押し込むと眉を下げ無理矢理笑みを作って)
大事だから。尚更、踏み込んで壊れるのが怖い…