>>189
(爪先立ちをした如月が踵を下ろし、スカートがふわりと舞い上がる)
(下着が見えるのではと男が目を見開いてしまったのは当然で、しかし見えなかった)

(如月の足をこれだけ近くで見る機会は普段なく、それだけでも十分過ぎたのだが)
(更にさらにという欲は人間出てくるもので、焦らされたような気分になる)
……航路を確かめる、か
わかった。ここに広げて構わない
(そんな内心を隠して、海図を持ってきた如月の為に机の上の書類を退ける)
(落ち着いた素ぶりの一方で、ズボンの膨らみは自覚していて)
(それが気付かれないようにしないといけなかった)
……っ
(立つことは当然できず、隣に密着した如月がもたれかかってくるのを拒めない)
(長い髪が甘い香りを運んでくると、それだけで頭がクラクラしそうになる)
(顔が熱くなって、それが如月にバレないか不安になるが、幸い指摘はまだされず)

(その後、海図を指し示す如月の白い指先に男の視線は引き寄せられていた)
(紙を擽るように撫でて、声もどこか甘さを含んでいる)
(それが計算づくだと知らず、男のテントは盛り上がりを増して、痛いほど硬くなっていた)
(男としては理性が辛うじて本能を抑えている状況で、如月の身体はすぐ傍にある)
(今、手を伸ばせば……そう考えなかったわけではない)
(だが、ダメだ……駆逐艦好きだとバレてはいけ、そう自分に言い聞かせる)

……なっ
(顔が赤いことを遂に指摘されてしまう)
(その瞬間、男は身体を硬直させて明らかに動揺していた)
(何と言い訳しようか……そう考える間に如月の顔が迫ってきて)
(額が触れ合う、と、男の顔は赤くない部分がないほどに朱色に染まって)
(ドクンドクンという鼓動が伝わるのではと思うほど、鼓動は大きな音を立てていた)

……っ、う
(言い訳を口にする隙のないまま、核心を突かれて男の顔が歪む)
(耳に吹きかけられた吐息に体が揺れ、如月の手が伸びてくるのに抵抗できない)
(その様子は、明らかに肯定を示していた……が、言葉は口にしなかった)

(明らかに、バレている……その上で、男は「ふぅ……」と息を吐き出した)
……何を、言っているんだ。如月?
私はただ……早くお前も修復した方がいいんじゃないかと思っただけだ
そういう風に、服が破れたままだと、あまり気分もいいもんじゃないだろう
報告書も、そんなに急ぐ物でも無いしな
(声は上擦っていたし、早口気味であったが言い訳を何とか絞り出す)
(首に腕を絡められたまま、身体の硬直は解けないまま)
(そもそも艦娘に気を使うことのない司令官が、こんなことを言ってる時点で言い訳として怪しいが)
明石に頼むんだろう?
先に行って来たら、どうだ
(如月と密着できるのは本音としては嬉しい)
(だが、それで自身の本性が明らかにされるのは困ると判断して離れようとする)