>>208
『そうかな? 恋人なら場所も気にせず触れ合うのは当たり前だぞ』
『……おいおい、忘れたのか?』
(調子よく催眠を続けていたつもりだったが、葉月が混乱しかけている様子を見てマズイと感じる)
(葉月が忘れていたという体にする為、わざと大げさに驚いてから)
『普通と違う場所でシたいって葉月が言うから、俺が連れて来たんだぞ』
『ここには俺たち以外誰もいない。葉月と俺がセックスする為だけの場所だ』
『葉月の為に用意したんだぜ、嬉しいだろ?』
(恋人が葉月の為に用意した空間という設定に加え、そういうことをされて嬉しいという感情まで与えようとする)
(都合よく葉月の認識を歪め、綻びを見つけてしまうのを防ごうとした)
(余計なことを考えさせない為、さらに行動を起こすのも忘れない)
『ほら、始めようぜ』
『恋人ならまずはキスから、だろ?』
(葉月の正面に立ち、向かい合いながら肩を掴む)